公開セミナー発達障害の世界を知る/慶應義塾大学・日吉キャンパス 2007/06/152007-06-15

主催者からのご案内です。

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公開セミナー「発達障害の世界を知る
         -思春期・青年期の生きにくさへの理解と援助に向けて-」

◆第5回「発達障害支援の最先端:応用行動分析によるポジティブ行動支援」

◆講師:山本淳一先生(慶應義塾大学文学部教授)

◆日時:2007年6月15日(金) 17時30分から19時

◆場所:慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎2階 大会議室

 レポートが書けない、卒論に手が付けられない、仲間とうまくコミュニケーシ
ョンがとれない-多くの学生がもっている悩み。でも、それは“発達障害”から
きているかもしれません。
 今、発達障害の症状と向き合いながら、大学に通っている多くの学生がいます。
しかし、その症状は十分に理解されず、大学での適切な支援もなく、彼・彼女た
ちは“生きにくさ”に苦しんでいます。
 発達障害への支援方法には科学的なエビデンスに基づいた国際的なガイドライ
ンがあります。バリアフリー公開セミナー「発達障害の世界を知る」の第5回目
は講師に山本淳一先生をお招きし、この国際的な支援のガイドラインを解説して
いただくとともに、発達障害をどう理解するか、またどう支援するかを具体的な
事例を挙げながらお話ししていただきます。
 入場は無料です。大学生のみなさん、大学に携わる教員・職員の皆様、学生相
談室のお仕事に関わる皆様、多数のご来場をお待ちしております。

<講師のプロフィール>
山本淳一先生 慶應義塾大学文学部教授
現在、自閉性障害をもつ子どもたちへの効果的な早期療育方法を明らかにする研
究に従事するとともに、埼玉県志木市の教育サービスセンターの統括スーパーバ
イザーとして、市内の小中学校全ての通常学級に在籍する発達障害をもつ子ども
たちの学習支援、教育支援、行動問題の解決、発達障害をもつ子どもたちへの夏、
秋、冬の集中的な学習支援を行っている。また、保育、教育から職業支援、生活
支援までの実践家の方たちへの研修を行っている。

<講演内容>
発達障害への支援方法には、国際的なガイドラインがあります。そのガイドライ
ンは、単一事例研究計画による研究、群構成研究、無作為化比較研究などによっ
て明らかになったエビデンスによってつくられたものです。もはや支援者の個人
的な経験や勘で支援する時代ではないのです。応用行動分析(applied behavior
analysis)は、「環境と個人との相互作用」という点から発達障害を理解しよう
とします。システム論的なアプローチをとるわけです。「障害」は個人の心の奥
底にあるものではなく、環境と個人との相互作用の「ひとつの状態」なのです。
また、応用行動分析では、個人内の行動システムを考えます。個人の「よいとこ
ろ」「強いところ」「適応しているところ」「安定しているところ」「学習しつ
つあるところ」に支援の焦点を絞り、それをはぐくみ、伸ばし、拡張していきま
す。その結果、相対的に問題行動を減少させていくことができるのです。ポジテ
ィブ行動支援といいます。
今回の講演では、まず、国際的な支援のガイドラインを解説します。それぞれの
発達障害をもつ人の「発達」を縦軸に置き、現在の「生活」を横軸にして、「環
境との個人との相互作用」という点から発達障害をどう理解するか、またどう支
援するかを具体的な事例を挙げながらお話ししていきます。そして、心理学者と
して、「『心』という閉じた系」をカッコに入れ、発達障害を持つ方の、生活、
身体、社会とのかかわり、ライフデザインをどう支援していくかという点に話が
展開できればと考えています。

主催: 平成17年度文部科学省学術フロンティア推進事業「超表象デジタル研究」
   バリアフリーキャンパス構築プロジェクト
   慶應義塾大学教養研究センター特定研究

共催: 学生総合センター学生相談室

お問い合わせ: 慶應義塾大学 日吉心理学研究室
 〒223-8521 横浜市港北区日吉4-1-1
 tel 045-566-1366 fax 045-566-1374
 email : txmidori@hc.cc.keio.ac.jp(担当:高山緑)