文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第9回)議事録からの抜粋 2007/10/042007-10-04

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/pdf/housei_gijiroku_09.pdf

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日 時 平成19年10月4日(木) 10:00 ~ 11:40

(ii)障害者福祉関係
【中山主査】 引き続きまして、障害者福祉関係の権利制限の見直しについて御
意見をちょうだいしたいと思います。何かございませんでしょうか。
私から一つ聞いてよろしいでしょうか。
40ページの上の方の映像資料についての字幕の件ですが、要するに資料に字幕を
つけるということなんですけれども、これは日本語の普通の資料が多いと思いま
すが、資料に字幕がついているのを健常者は買わないと思うんですね。字幕が邪
魔ですから。そうすると、権利者には損害がないのではないか、仮に字幕がつい
たものを健常者が買った場合も、やはり1部それで売れているわけですから、何
か権利者の方に損害があるのだろうかという質問なのですが。
【黒沼著作権調査官】 懸念される点としましては、例えば映画のDVDが販売
されているような場合にはコピーができないようなものが販売されているわけで
すけれども、仮に字幕を付すためにこのコピーガードを除去して字幕を付与して
複製をしましたとして、それをそのまま貸出しなどにした場合には、要するにコ
ピーガードがかかっていないような状態のものが市場に出回りますので、そうい
った点では、そこから複製物ができるとか、市場でコピー禁止のものが出回って
いるものに比べるとそういった懸念があるというようなことでございます。
【中山主査】 そうすると、技術上の問題がある、テクニカルな問題があるとい
うことですね。そうでしたら、そう旨を書いた方がいいのではないかと思います。
これだと、一体権利者にどのような損害が生じるのか、という疑念が生じるので
はないかと思うので。
【黒沼著作権調査官】 では、そのようにちょっと記述を工夫したいと思います。
【中山主査】 そうですね。検討してください。
ほかに、何かございませんでしょうか。障害者については、こんなものでよろし
ゅうございましょうか。
 --略--
【末吉委員】 この中間報告の内容とは全く関係ないことなんですが、一つ、今
回の審議でちょっと私が感じたところなんですけれども、障害者の観点の権利制
限でいろいろヒアリングもさせていただいて一つ感じたことは、もしかすると、
必ずしも声の大きくない利害関係者というのがおられるような気がしました。
というのは、ヒアリングなどを伺っていても、必ずしもその全貌が伺えたような
心証では私はなかったということと、それから、今回はたまたまこういう点が論
点でございまして、これはもう著作権課の方でいろいろなお声が上がっているか
もしれませんが、なかなかこういう問題って声高に語れるものかどうか、ちょっ
と微妙なものもあるように思いましたので、できればこういう声をすくい上げる
という方向感というか、そういうものはこれまでもお持ちだと思うのですけれど
も、今後とも著作権課に持っていただくと、こういう団体の方はすごく助かるの
ではないかなというふうに、ちょっと感想でございますが思いました。
以上です。
【中山主査】 ありがとうございました。
その点、極めて重大な問題で、特に権利制限については、声なき声というのはあ
り得ると思いますね。
例えば「デイジー図書」については非常に大事な問題だと思うのですけれども、
つい最近まで声が小さく、ここに来て声が大きくなり、こういう議論ができたわ
けです。「デイジー図書」だけではなくてほかに、末吉委員がおっしゃったよう
に、あるかもしれませんので、著作権課の方でもなるべくアンテナを広げていた
だければと思います。
ほかに、全体を通じてで結構ですから、何かございましたら。
よろしいでしょうか。
それでは、きょうちょうだいいたしました御意見を参考にいたしまして、修正案
を作成して、各委員にまた送付をさせていただくということにさせていただきた
いと思います。
具体的な修正の文言につきましてはお任せ願えればと思いますけれども、よろし
ゅうございましょうか。

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