「教育と医学」2007年12月号ご案内 慶應義塾大学出版会 2007/11/272007-11-27

発行元からのお知らせです。

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▲「教育と医学」12月号の第一特集は、「非言語的学習障害を見直す」、第二
特集は、「医療崩壊と患者学のすすめ」がテーマです。

最新号「教育と医学」(2007年12月号)の内容

特集1:非言語性学習障害を見直す

 「非言語性学習障害」とは、言語の基本的な使用には支障がないが、社会で
の実践的な言語の使用や学習方法、そして感覚・運動に明らかに支障をもつ子
どもたちに、こういった名称が用いられてきました。しかし、これは診断分類
にはない名称であり、認めないという医師もいます。定義のあいまいなこの
「非言語性学習障害」について、第一線の臨床家・研究者に解説をいただきま
す。また、教育の現状や支援技術について紹介します。

特集2:医療崩壊と患者学のすすめ

 病院の産科の減少、産科の医師不足、救急車出動の増加、医療訴訟の増加な
ど、そこから様々な問題が生じてきています。医療が進歩している一方で、適
切な医療が受けられないという情況もあります。こういった現代医療の社会が
かかえる問題「医療崩壊」について、現場の医師に解説いただきます。そして
患者やその家族が今、ワークショップを始めてきています。賢い患者になるた
めの「患者学」の提言もいただきます。

http://www.keio-up.co.jp/np/kyouiku.do

★1.ちょっと覗いてみよう <立ち読みコーナー>

【今月の立ち読み1】
●巻頭随筆「障害を見直す」
 若林愼一郎(元岐阜大学医学部神経医学講座教授)
 http://www.keio-up.co.jp/kup/kyouiku/zuihitsu/
 障害に対する用語や概念、考え方がどのように変遷してきているのか。そし
て社会の理解や対応がどう変化していくのか、児童精神科医師の若林先生に概
説いただきました。

<今月のポイント>

●特集1・非言語性学習障害を見直す

「非言語性学習障害再考―学習障害概念の再検討をめぐって」
 杉山登志郎(あいち小児保健医療総合センター保健センター長兼心療科部長)
<主な見出し>わが国の「学習障害」/「軽度発達障害」という呼称提唱の理
由/非言語性学習障害再考

◆「非言語性学習障害の発達の特徴と支援」
 小野次朗(和歌山大学大学院教育学研究科教授)
<主な見出し>診断基準および非言語性能力について/社会性・対人関係に関
する障害/外来初診時における印象/非言語性学習障害に関する報告事例から
/指導の面から

◆「不器用・運動が苦手な子どもと社会性」
 榊原洋一(お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授)
<主な見出し>不器用さとは何か/不器用さを症状として含む障害概念/不器
用さと社会性/不器用さと社会性の接点

◆「小学校における非言語性学習障害の実態―巡回相談から見えてくること」
 七木田 敦(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設教授)
<主な見出し>小学校の教室で/特別支援教育と発達的ニッチ(居場所)/ク
ラスがまとまるということ―エピソードとして―

◆「非言語性学習障害児の成長および就業時の課題」
 中川伸也(北九州市立特別支援学校北九州中央高等学園校長)
<主な見出し>大人になったA氏との再会/落ち着きのないA君/実態把握の
実際/療育の経過について/成長の過程/就業に伴う現状と、私からの助言に
ついて/本事例を通して

◆「非言語性学習障害のためのテクノロジーと環境整備」
 中邑賢龍(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)
<見出し>学習障害へのテクノロジーの提供や環境整備に対する不安と疑問/
非言語性学習障害を支援するテクノロジー

●軽度発達障害に関する資料
(「教育と医学」バックナンバー)
2006年9月号 特集2・学習障害児への今日の支援/特集1・親の教育力を高
めるには
 http://www.keio-up.co.jp/np/inner/30639/
2006年12月号 特集1・青年期・成人期の発達障害支援/特集2・思いやりと
親切
 http://www.keio-up.co.jp/np/inner/30642/
2006年5月号 特集・発達をどう支援するか
 http://www.keio-up.co.jp/np/inner/30635/
● 現代医療に関する資料
2005年4月号 特集・日本の医療のゆくえ
 http://www.keio-up.co.jp/np/inner/30622/
2004年1月号 特集・医療はどう変わるのか
 http://www.keio-up.co.jp/np/inner/30607/

●好評の連載
◆田中康雄「連載・生きること・支え合うこと」
第18回「診断名よりも大切なこと」
 「僕たちがいる北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究セン
ターでは、「相談室」を開いています。相談室を訪れるお母さんの困惑・悩み、
それに答える田中先生のお返事。そして田中先生の思い……。
(必読です=編集部より)

◆村田豊久「連載・子どもの心の診療室から―子ども臨床から学ぶこと―」
第18回「発達障害について(3)」
 発達障害についての先生の見解の第3回目です。「発達障害」ということば
が普及してきていますが、発達障害と呼ばれる方々への理解が本当にすすんで
いるのでしょうか。脳機能の障害ということでくくられる傾向がありますが、
「発達の障害」とはそういってくくられるものではない、と村田先生は訴えま
す。

【発行元】 慶應義塾大学出版会(株)
      E-mail:kyouikutoigaku@keio-up.co.jp
      URL:http://www.keio-up.co.jp/