衆院 文部科学委員会(議事録)文部科学行政の基本施策 2009/06/102009-07-06

○土肥委員 --略-- それで、少し論旨を進めます。これは二〇〇七年がス
タートになりましたから急いで結論を求めるわけじゃございませんけれども、こ
のレポートとかあるいはさまざまな資料を読んでおりますと、これはもう特別支
援教師というのは、プロでないとならないということですね。プロフェッショナ
ルな人間でないとこの障害児教育に当たることはできない。教師に期待される、
あるいは特別支援学校にしても普通の学級にしても、求められているさまざまな
仕事を見てみましても、プロしかできない。逆に、本当にプロを育ててほしい。
しかも、相当の数でプロを育ててほしい。
 そういうことからいうと、カリキュラムなんかを見せてもらいましたけれども、
随分たくさんあるんですけれども、ずっと削って削って、このうちから三単位と
か、これだけは基礎的にやりなさいというようなことでこの特別支援教育の免許
を取ることになるわけでありますけれども、そこまではきょうは入りませんが、
いずれにしても、まずお尋ねしますけれども、この非常に難しい時代、複雑化、
重複化などが言われている中で発達障害児も迎え入れる。そうすると、この統計
を見てみますと、いわゆる障害児とは言いませんでも、そういう特別なケアが必
要な人が子供の二〇%に及ぶというような数字も出ておりましたが、今、この特
別支援教育教員の養成及び現場でどうなっているか、簡潔に説明してください。

○金森政府参考人 特別支援教育にかかわる教員が特別支援学校教諭免許状を取
得することなどによって必要な専門性を身につけることが重要であることは、御
指摘のとおりでございます。
 特別支援学校教諭免許状の取得のためには、幼稚園、小学校、中学校または高
等学校の教諭の普通免許状を有すること、及び、特別支援学校教諭の教職課程と
して認定を受けている大学の課程等において、特別支援教育に関する科目を修得
することが必要でございます。
 特別支援学校教諭の教職課程等を履修し、特別支援学校教諭免許状を取得した
者の数は、平成十九年度卒業者で約三千二百人となっております。また、現職の
特別支援学校の教員の数は、平成二十年五月一日現在で約五万七千百人でござい
まして、そのうち、対応する障害種の特別支援学校教諭免許状を取得している者
は約三万九千五百人、七〇%でございます。
 文部科学省といたしましては、現職教員の特別支援学校教諭免許状の保有率を
向上させることが必要であると考えておりまして、障害者基本計画に基づく重点
施策実施五カ年計画において特別支援学校教諭の免許保有率の向上を目標として
掲げましたほか、特別支援学校教員専門性向上事業において、大学に委託して、
免許法認定講習の講座を開設しております。また、都道府県や政令市の教育委員
会が免許法認定講習を実施するよう、各種会議を通じて働きかけているところで
ございます。
 こうした取り組みを通じ、今後とも、教員の特別支援学校教諭免許状の保有率
の向上を促してまいりたいと考えているところでございます。

○土肥委員 その数で足りているのか足りていないのかは、詳細な検討をしなき
ゃならないと思います。
 要するに、仕事量が膨大にふえて、そして多種多様な障害児に対する対応をし
なきゃならない。文科省が発行しているいろいろなポンチ絵などを見ましても、
地域活動から、それから、子供たちの置かれている家族との出会いだとか家族指
導でありますとか、あるいはだんだん大きくなっていきますと、就労支援をする
ためのハローワークとのつき合いだとか、あるいは医療機関や福祉施設のつき合
いも必要ですし、学校でじっと教えているというわけにいかないわけですね。そ
ういう社会的に広がりを持った教員がたくさんいて、そして、その子その子に合
う人生設計をしていく。
 今度の、皆さんの出した特別支援教育のさまざまな分野の中で一番特徴的なの
は、一対一で、つまり個別支援計画を立てて、それをずっと追っかけていって、
そして、その障害児がどういう生活歴あるいはどういう経過をたどってきたかと
いうのを見なさいということになっておりまして、これも大変大事なことですね。
 先ほど言いましたように、日本の障害者対策というのは分断化されております
から、学校で九年間あるいは十二年間きちっとやっていただいても大変重要な記
録ですけれども、その前に、就学前のその子供はどうだったんだろう、卒業して
この子は一体どういう方向に行くんだろう、どうしたらいいんだろうというよう
なことから考えますと、とても平成十九年で三千二百人ぐらいの養成では追いつ
かないというふうに思います。
 私は子供の障害者の療育事業もやっておりますけれども、今、就学前の福祉サ
ービスといいましょうか、子供への支援というのはどうなっているのか。厚生労
働省に来ていただいておりますから、お示しいただきたいと思います。

○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、障害をお持ちの子供さん、早くに気づき、発見をし、早
くにその支援を行う、対応を行うということは大変大事なことだと思います。そ
れを乳幼児期から就学前、それから学齢期、それからさらには就労、成人期につ
なげていく、この支援の体系をきちんとつなげていくことが大事だというふうに
思っています。
 それで、今御指摘のような就学前でございますけれども、まずもって早くに気
づいていただく、あるいはその周りが気づくということでございまして、例えば、
乳幼児健診、一歳半健診、三歳児健診等における気づき、あるいは発達障害のお
子さんでありますと、保育所等の中でちょっと気づきが始まる、少し心配だなと
いうことで始まるということをよく伺います。
 そういうところの気づきを早くつなげていくということでございまして、障害
をお持ちということがわかった場合には、例えば、肢体不自由等は育成医療等で
その障害の除去、軽減を図っていく。それから、在宅のお子さんに対しまして、
専門的な機関であります障害児の療育指導を行う通園施設で、先生やっていただ
いていますけれども、そういう施設での療育指導支援をしていただく。あるいは、
児童デイサービスというようなことで、親御さんのいらっしゃらない時間帯にお
いてもきちんとお預かりをし、専門的な支援を行う。それから、在宅のお子さん
に対しまして居宅の介護等も行っていくというふうなことのメニューでやってお
ります。
 これらを総合的に届けるということで、私どもの方でも、昨年も専門家の皆様、
当事者の皆様にお集まりいただきまして検討会を持ちましたが、こういうものを
きちんとみんなが共有をしていこうということで、例えば自治体等では、その共
有情報をファイル、コンピューター等で共有をしていってつなげていく、こうい
う努力も始まっていますが、このようなものも応援をしていきたいというふうに
考えているところでございます。--略

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