DPI(障害者インターナショナル)日本会議 厚労省要望書 2009/11/182009-11-18

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                             2009年11月18日
                     【厚生労働省 ヒアリング資料】

     来年度予算、並びに障害者福祉施策に関する要望

      特定非営利活動法人・DPI(障害者インターナショナル)日本会議

I.来年度予算に関する要望
 DPI日本会議も呼びかけ団体となっている「障害者の地域生活確立の実現を求
める全国大行動実行委員会」名で、10月中旬に、6項目に渡る要望を行った。

【資料1】
1.「制度の谷間」を生まない障害範囲の見直しにおける緊急経過措置、2.利
用者負担、3.地域生活、4.地域移行、5.介護保険について、6.廃案とな
った障害者自立支援法改正法案について
 いずれも緊急性の高い重要事項であるが、とりわけ、来年度予算措置で実施可
能であり、かつ緊急性の高い事項として、以下の点を即時実施すること

○1サービス対象者の障害者手帳要件を外すこと
 来年度予算においては障害者自立支援法が廃止になるまでの間、障害者自立支
援法の入り口の要件となっている障害者手帳所持要件を緩和し(障害手帳をすで
に持っている人はそのままサービスの対象とする)障害手帳がない難病等におい
ても、医師の意見書を提出し、障害程度区分、審査会、サービス利用計画表をも
とに要支援であることが確認された場合は、対象とするように緊急の経過措置を
講じること

○2応益負担の廃止
 利用者負担については、支援費時代の水準(住民税非課税者は無料等)に名実
ともに一度戻し、真の意味での応能負担とすること。その際、(世帯ではなく)
本人の収入に基づいたものとすると同時に、(福祉サービス以外の)自立支援医
療、補装具等も応能負担にするとともに、上限合算の仕組みを設けること
 また、中間所得者までは現行水準より負担が増えることの無いように、きめ細
かな負担の仕組みにすること。

○3地域生活・社会参加上、重要・不可欠なサービスの拡充
 地域生活支援事業となり大きな地域間格差が生じた移動介護について、(視覚
障害だけでなく、知的障害等も含む)個別給付化を行うこと。また、長時間介護
が必要な知的・精神障害者の地域生活の視点から重度訪問介護の知的・精神への
拡大や改善を行うこと。
 当面、少なくとも地域生活支援事業の内、移動支援事業などについて、国2分
の1、都道府県4分の1の財源保障を行うこと。

II.障害者福祉施策に関する要望

○1「障害者自立支援法の廃止と障がい者総合福祉法」(仮称)制定の方針が、
すでに厚生労働大臣から明言されているが、障害当事者の参画のもと「自立支援
法」廃止から「障がい者総合福祉法」の制定に到るロードマップを検討すること。
 「障害者自立支援法」は、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」との障
害当事者・関係者の声を押し切るようにして、制定・施行され、様々な問題を引
き起こした。この反省をふまえて、障害者自立支援法から障がい者総合福祉法へ
の移行に当たっては、十分な障害当事者参画のもと検討を行うこと。

○2「障がい者総合福祉法」は、「介護保険との統合を行わないことを前提」と
して、「制度の谷間をつくらない総合的な制度」とすること。

○3障害者権利条約の批准と完全履行に向けて、障害者権利条約が掲げる障害の
社会モデル、自立生活と地域社会へのインクルージョン等に基づく制度設計とす
ること。

※以下のような項目について、モデル事業も含めた検討と実施を行うこと。
【資料2】

1.「能力と適性に応じた自立生活・社会生活」(「自立支援法」第1条)の問
 題と、障害者権利条約にそった理念の設定
2.難病者も含めて、必要な人全てがサービスを受けられるような対象規定
3.障害程度区分の廃止と、セルフマネジメント・本人中心計画を基本にした協
 議調整モデルに基づく支給決定の仕組みに
4.介護保険との統合を意識した現行のサービス体系(介護給付・訓練給付・地
 域生活支援事業)から、障害者の自立・社会参加に基づいたサービス体系に
5.居宅内外に関わらず、見守りを含めた「自己決定と社会参加」を基本とした、
 「パーソナル・アシスタンス・サービス」の創設
6.病院・施設から地域生活移行の促進と地域生活基盤の整備。脱施設化の時限
 立法
7.障害当事者のセルフアドボカシー・エンパワメントの視点から、地域生活エ
 ンパワメント事業と広域型権利擁護機関の創設等、重層的な権利擁護の仕組み
8.自治体でのサービス提供の事実上の上限となっている国庫負担基の廃止と、
 重度障害者の長時間サービス支給決定ができる財政調整の仕組みの創設
9.「障害のない人との平等」の視点からの負担の仕組みと、住宅手当の創設な
 どの所得保障

○4先進国の中で極めて低いわが国の障害者予算(対GDP比で、北欧諸国の約
 1/6、イギリスの約1/3、アメリカの約1/2)を、飛躍的に押し上げる
 こと。

添付資料1(10/17申し入れ・ワード形式)
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/files09/091118hearing_shiryo1.doc
添付資料2(障害者総合福祉サービス法提案・PDF形式、560KB)
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/files09/091118hearing_shiryo2.pdf