NPO法人 全国LD親の会 理事長に対する 「公開質問状」 2010/06/062010-06-06

以下転送・転載を歓迎致します。とのことです。
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デジタル教科書に対するJAPETの考え方 JAPET 2010/06/082010-06-06

http://bit.ly/a8vwzt

1.デジタル教科書とは?

(1)現時点で一般に「デジタル教科書」と呼ばれているもの
教科書の内容に沿った副教材で、電子情報ボードや大型ディスプレイなどを利用
して教師が授業中に使用する教師用ICT利用教材。現在の授業形式や教室での
ICT環境を考えると、この形式での「デジタル教科書」の普及が現実的である。

(2)未来のデジタル教科書
学習指導要領の内容を包含し、知識の習得、理解の促進、知識の定着、思考の推
進、探求学習などを目的とした児童生徒用の総合的ICT利用教材。教材内容
(コンテンツ)と媒体(機器)の両方の側面がある。
デジタル教科書の媒体(機器)としては、児童生徒一人ひとりが使用する。
電子情報ボード等のICT機器は、集団学習(授業)の中で使用するものである
が、これらの機器上で利用する教材としてはデジタル教科書の内容を含む。
デジタル教科書の媒体は、i-Padのようなパーソナルモバイル機器をイメー
ジしやすいが、児童生徒一人ひとりにコンピュータがあれば、コンピュータもデ
ジタル教科書の媒体となりうる。

2.未来のデジタル教科書も、紙の教科書と共存させるべきである。

紙教材には、ICT利用教材では置き換えがたい機能・特長を持っているので、
デジタル教科書は紙の教科書を置き換えるものではない。「慣れ」だけでは解決
できない問題が含まれている。
電子教材が紙教材の特長をカバーできるよう技術開発を進める必要があるが、こ
れを実現するためには時間を要する。しばらくは、通常の紙の教科書と共存する
ICT利用教材としてデジタル教科書を考えるべきである。

ICT利用教材の特長
・音声、映像、アニメーション(プロセス説明)などのマルチメディア機能によ
 りわかりやすい説明ができる。
・関連資料に容易にアクセスすることができる。
・教科連携の学習ができる。
・最新の内容を反映することができる。
・児童生徒の理解度や特性に合わせた個別的な学習ができる。

紙教材の特長
・一覧性に優れている。複数の資料の比較、対比がしやすい。
・文字が読みやすい。
・マーキングや手書き文字の書き込みができる。
・どこでも利用できる(学校、家庭、通学途中)。
・取り扱いを気にせずに利用できる
・安価で購入できる。

3.未来のデジタル教科書の役割(活用場面)

児童生徒一人ひとりが持つデジタル教科書(媒体)は、紙の教科書と併用するも
のであるが、それ以外に、電子情報ボードや実物投影機のような集団学習で利用
するICT機器、さらには黒板とも併用すべきものであり、その役割を明らかに
しておく必要がある。
教師が授業の中で児童生徒全員を対象に解説したり、考えさせたりする場合には、
電子情報ボードや実物投影機のようなICT機器や黒板を利用して注意を集中さ
せるほうが有効である。

児童生徒のデジタル教科書活用場面例(授業中、家庭で)
(1)教師が一斉授業の中で解説したことを復習・確認する。
 特に、音声、映像、アニメーションなどを利用して解説した場合。
(2)個々にあるいはグループで主体的な、探求的な学習をする。
 ・インターネットなどによる調べ学習
 ・シミュレーションによる法則性発見、・・・・
(3)演習問題、確認問題により学習内容の理解を深化し、定着させる。
 個々の学習水準に応じた問題を出す

4.未来のデジタル教科書開発にあたって検討すべきこと

(1)デジタル教科書の設計
 ○1コンセプトの明確化(役割、活用場面)
 ○2盛り込む内容
 ○3機能
  マルチメディア、関連教材アクセス、教材更新、問題提供
  学習情報収集・分析、・・・
 ○4操作性
 ○5管理システム
(2)操作性、学習効果、健康への影響などの検証
(3)教師の指導の支援
 ○1研修や指導書の整備
 ・利用場面と利用方法
  紙媒体教科書、板書、電子情報ボードなどの使い分け
 ・児童生徒の評価と指導へのフィードバック方法
  学習情報収集・分析、学習管理
 ○2カスタマイズ
  教師の指導方法や児童生徒の特性にあった指導ができるようにする。
 ・教材データベースから教材が選択利用できるようにする。
 ・教材の加工ができるようなしくみを用意する
(4)教科書開発者(企業)への対応
 ○1内容についてのガイドライン提示
 ・学習指導要領からの拡張範囲
 ・マルチメディアの利用
 ・操作性の統一
 ○2制度の整備
  著作権制度、検定制度(品質管理)
 ○3開発者間での連携のしくみ
 ・教科書会社間での連係
  教科間の連携など
 ・教科書会社以外の企業との連係
  辞書、地図、・・・
 ・博物館、図書館など公共機関との連係
 ○4開発費の助成
 ○5国による共通教材の提供
(5)デジタル教科書媒体(機器)の研究開発
 ・場所を取らずに、どこでも気軽に使える、操作性のよい機器
 ・学習管理サーバーとの連係
(6)家庭学習で使えるようにするしくみ
 ○1家庭に持ち帰えることができるようにするか、家庭のコンピュータでも利
  用できるようする。
 ○2機器購入負担を少なくする。
  家庭の経済状態によっては、無償貸与する。
 ○3保護者との連携が取れるよう、コミュニケーションのしくみをつくる。

5.未来のデジタル教科書の開発の進め方

未来のデジタル教科書の開発にあたっては、前項で述べたさまざまな課題がある
ので、十分な議論と実証を踏まえて、時間をかけて慎重に実現をはかるべきであ
る。
当面は、教師が授業中に使用するICT利用教材としてのデジタル教科書の開発
・普及を進めることが急務である。

以上