文化審議会著作権分科会法制問題小委員会「権利制限の一般規定に関する中間まとめ」に対する意見募集の結果について 2010/07/222010-07-28

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000465&Mode=2
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000066773

                          平成22年7月22日
                         文化庁長官官房著作権課

文化審議会著作権分科会法制問題小委員会「権利制限の一般規定に関する中間ま
とめ」に対する意見募集の結果について

「権利制限の一般規定に関する中間まとめ」について、平成22年5月25日か
ら平成22年6月24日までの期間、電子メール・郵便・ファックスを通じて、
広く国民の皆様から御意見の募集を行いましたところ、合計254通(団体14
5通、個人109通)の御意見をいただきました。

いただいた御意見については別紙のとおりです。なお、とりまとめの都合上、中
間まとめの各節等に沿った項目別に分けて整理させていただきました。よって、
掲載しております件数を合計しましても、上記の総意見数にはなりませんことを
御了承ください。

貴重な御意見をお寄せいただき、厚く御礼申し上げます。

-------意見(抜粋)

第2章 個人

この項目において、解釈論と改正までにかかる時間のみをここで取り上げている
が、既存の個別の権利制限規定について解釈論と改正にかかる時間以前の問題と
して、現行の個別の権利制限規定自体非常に狭く使いにくいものとされていると
いう問題があることを報告書中でなおざりにするのは不適切である。

特に、ワーキングチーム報告書参考資料2の具体的要望として挙げられた中に、
障害者のための利用、アーカイブのための利用、教育目的での利用など、本来既
存の個別の権利制限で対応がなされているべきであった事例が多く含まれている
ことを重く見るべきである。このような要望が出されていることからも明らかな
ように、その文化に対する見識の無さから今まで権利制限を不当に狭く使いにく
いものとしてのみ場当たり的に作って来たことについて文化庁の猛省を私は一国
民として求める。

既存の個別の権利制限規定について、さらに利用者・事業者等からきちんと意見
を聴取した上で、不十分な点があると評価されるようであれば早急に法改正によ
り対処するべきであり、現実問題として個別の権利制限規定の改正による対処が
不可能であるとするのであれば、権利制限の一般規定をより包括的な形に規定す
ることで対処するべきである。

-------

第2章 個人

解釈論と改正までにかかる時間のみをここで取り上げていますが、既存の個別の
権利制限規定について解釈論と改正にかかる時間以前の問題として、現行の個別
の権利制限規定自体非常に狭く使いにくいものとされているという問題があるこ
とを報告書中では明確に記してないのは不適切であると言わざるをえません。

特に、ワーキングチーム報告書参考資料2の具体的要望として挙げられた中に、
障害者のための利用、アーカイブのための利用、教育目的での利用など、本来既
存の個別の権利制限で対応がなされているべきである事例が多く含まれているこ
とを重く見るべきでしょう。

既存の個別の権利制限規定についても、さらに利用者・事業者等から意見を聴取
した上で、不十分な点があると評価されるようであれば早急に法改正により対処
するべきであります。

-------

第2章 個人

現行の個別の権利制限規定自体が非常に狭く使いにくいものとされているという
問題があることをなおざりにするのは不適切です。

ワーキングチーム報告書参考資料2の具体的要望として挙げられた中にある、障
害者のための利用、アーカイブのための利用、教育目的での利用など、本来既存
の個別の権利制限で対応がなされているべきであった事例が多く含まれているこ
とを重く見るべきであり、既存の個別の権利制限規定について及び利用者・事業
者等からきちんと意見を聴取した上で、不十分な点があると評価されるようであ
れば速やかに法改正により対処するべきです。

現実問題としての個別の権利制限規定の改正による対処が不可能ならば、権利制
限の一般規定をより包括的な形に規定することで対処するべきでです。

-------

第3章2・3・4 個人

文化庁の報告書は例によって奇怪な議論の倒錯を起こしていますが、本来フェア
ユース規定の導入の話できちんと議論されるべきは、文化庁の整理では4.の
「特定の利用目的を持つ利用」に入れられている、一般的な公益目的での利用や
パロディ利用のはずです。(これらの利用について「特定の」という形容詞をつ
けているところなど、いつもの文化庁の手口です。)

報告書では、この「特定の利用目的を持つ利用」に入れられている、「公益目的
にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用」について、一般規定に
よる権利制限が求められている著作物の利用行為には、「障害者福祉」や「教
育」、「研究」、「資料保存」といった、目的の公益性に着目した著作物の利用
類型が一定程度存在するものと考えられます。こうした著作物の利用行為につい
ては、権利制限の必要性のみならず、公益目的にかんがみ既に整備されている他
の個別権利制限規定との関係も含め、利用の目的、利用行為の主体、対象著作物、
制限の程度、利用の態様等の要件につき慎重に考慮する必要があります。したが
って、これを一般規定による権利制限の対象と位置付けるべきではなく、権利制
限の必要性について関係者間の合意が得られ次第、個別権利制限規定の改正又は
創設により対応することが適当であると考えられます。

-------

第4章1(3)○2(第4章1(3)○2(1)B【19頁】について) 個人

下記のような問題にはどのように解決すればよいか課題解決に向けての具体的道
筋が見えない。システムが絡んでおり、著作権者との個別交渉では解決できない。

例えば、デジタル放送においては文字情報の再利用がガードされているようで、
点字など触覚情報のみでしか情報取得が出来ない全盲ろう者は利用が出来ない。
障害者手帳などの番号などの登録でガードを外すなどを検討すべきと考える。放
送業者は個別ユーザに対して解除するシステムが必要であり、放送事業者は著作
権法に基づく制度的裏づけを求めることになろう。放送事業者に対応を求めるた
めの法的根拠が必要である。技術的には可能だとおもわれる(有料放送のガード
解除の技術など)。

-------

第4章1(4)・(5)・(6) 一般社団法人出版者著作権管理機構

B.音声対話システムにおけるWeb文書の利用。
同様に、人と音声でコミュニケーションをする音声対話システムで、Web文書の
要約、翻案を提示、読み上げたり、さらには、非視覚障害者に対してオリジナル
のWebテキストの読み上げを行うようなシステムも開発は進みつつありま、実用
化が図られるものと思います。また、こうした複雑な操作、マルチメディアにわ
たるような操作は今後さらに一般的になるものと思われますが、こうした複雑な
操作が現行著作権法に照らして妥当なのかどうか、法律の専門家でなければ判断
できないところであり、類型C等が導入されるのであれば、解釈の容易さも同時
に要望するところであります。

C.教育目的の翻案
例えば、教育目的で、小学生に新聞記事、高度に専門的なテキスト情報を、分か
りやすい形に変換して理解可能な形で提供する、といったアプリケーションも今
後出現するのではないかと思います。技術的にはそれほど困難な課題ではありま
せん。例えば、新聞記事中の専門用語等、難解な表現が出現した箇所に、辞書等
の定義を挿入すること(例えば、記事中の「讒言」を「悪く言うこと」で置き換
える。)や、関連する画像、動画情報をテキスト中に挿入して、より理解を容易
にする、といったアプリケーションが考えられると思います。

現状、こうした操作がどこまで認められるのかは、非常に分かりづらいと言わざ
るを得ません。また、一件、類型Cとは無関係に思えますが、教育目的であり、
本来、著作物を受容する者として想定されている人間(つまり、新聞記事で言え
ば、一定の知識を持つ大人)ではない人間、つまり小学生に「著作物の内容」を
受容させるという意味での利用であり、当該著作物の表現を知覚することを通じ
てこれを享受するための利用は評価されない利用にあたるという解釈も可能では
ないかと愚考します。

-------

第4章1(4)・(5)・(6) 株式会社日本ビジュアル著作権協会

一般規定の導入に反対の立場ですが、公益目的、特に教育分野において個別権利
制限規定の導入についても反対の立場から、意見を申し上げます。

『一般規定による権利制限が求められている著作物の利用行為には、「障害者福
祉」や「教育」、「研究」、「資料保存」といった、目的の公益性に着目した著
作物の利用類型が一定程度存在するものと考えられる。』「これを一般規定によ
る権利制限の対象と位置付けるべきではなく、権利制限の必要性について関係者
間の合意が得られ次第、個別権利制限規定の改正又は創設により対応することが
適当である」どのような権利制限規定を念頭においているかは分かりかねますが、
現在の著作権法によって権利者は既に権利制限を受けており現行以上の権利制限
は行き過ぎであると考えます。

この部分に対する不満のご意見は以前から頂戴しており、例えば、著作権者であ
ります弊協会会員富山和子氏からは、「教材出版社、塾・予備校、書店、印刷会
社その他教育分野に携わる関係者は大きな利益を上げているのに、なぜそもそも
教育分野というだけで特別に権利者のみが不利益を被らなければならないのか」
と疑問を呈しております。

現状においては、裁判上教育分野においても著作権料の支払が認められたことな
どから正当な対価が支払われつつありますが、一般規定ないし個別制限規定の導
入がなされた場合、これらの秩序が崩壊することになり、権利者がようやく勝ち
取ってきた立場を覆すことになりかねません。

仮にやむを得ずこのような規定を設ける必要性があるのであれば、公教育とそれ
以外を峻別した形での規定を望みます。

-------

第4章1(4)・(5)・(6) 社団法人情報科学技術協会

本まとめでは、権利制限の一般規定を導入する場合の検討課題の一つに、「(5)
特定の利用目的を持つ利用への対応○1公益目的にかんがみ権利制限が求められ
ていると考えられる利用について」で、「「障害者福祉」や「教育」、「研究」、
「資料保存」といった、目的の公益性に着目した著作物の利用類型が一定程度存
在するものと考えられる。」と指摘し、「こうした著作物の利用行為については、
権利制限の必要性のみならず、公益目的にかんがみ既に整備されている他の個別
権利制限規定との関係も含め、利用の目的、利用行為の主体、対象著作物、制限
の程度、利用の態様等の要件につき慎重に考慮する必要がある。」としている。

しかしながら、個別権利制限規定ではこれらの各検討課題のすべての利用パター
ンに対応できる規定が準備されておらず、権利者の利益を不当に害するとは思わ
れない著作物の利用であっても、個別規定に規定されていないがゆえに利用が萎
縮し、障害者が健常者と同様の質で著作物を利用できない状況を生み出している
場合が少なくない。

本来、障害者による知る権利、学ぶ権利などの基本的人権に由来する権利を保障
するためには障害の程度に合わせた著作物の複製利用等が欠かせない。権利者の
障害者向け対応を代行することでもあり、権利者の利益を不当に害するとは言え
ない。

したがって、「障害者福祉」などの「公益性に着目した著作物の利用類型」を権
利制限の一般規定に入れることを要望いたします。

-------

第4章1(4)・(5)・(6)障害者放送協議会著作権委員会

中間まとめにおいては、『「障害者福祉」(中略)といった、目的の公益性に着
目した著作物の利用類型』については『一般規定による権利制限の対象と位置付
けるべきではなく、権利制限の必要性について関係者間の合意が得られ次第、個
別権利制限規定の改正又は創設により対応することが適当であると考えられる。』
と述べられている。

しかしながら、障害者の情報利用に関しては、一般規定による権利制限が求めら
れると考える。

このたびの著作権法改正により、障害者が情報を利用するために必要な幅広い方
式による複製等が認められるなど、「障害者の情報利用の機会の確保」の幅が広
がっているが、なお情報保障が得られない障害者が存在することは確かである。
当面は個別権利制限の改正、創設、または現行法の運用により情報利用の機会を
広げていくことは必要であるが、個別権利制限の規定のみでは限界があると言わ
ざるを得ない。

国際生活機能分類ICFにおける障害の考え方、また障害者権利条約における障害
のとらえ方では、障害とは個々の機能障害(インペアメント)のことでなく、社
会の障壁との相互作用から生じるとしている。ありとあらゆる事例を掲げて個別
権利制限規定を設けることは無理であり、恒常的にせよ一時的にせよ著作物にア
クセスすることが困難なときに、その人に最適な情報アクセス方法、コミュニケ
ーション方法で利用する場合は、一般規定により著作権制限することが求められ
る。

特に問題となるのは、例えば災害時の情報保障など、緊急に求められる対応であ
る。災害時における情報保障は、生命財産に関わる待ったなしの事柄である。法
改正を待つまでもなく、命を救うための情報保障を、速やかに、躊躇なく行う必
要がある。このような行為は著作者の権利を侵害するとは考えられず、一般規定
による権利制限が求められる例だと考える。

具体的に、中間まとめに述べられた利用行為の類型で言えば、例えば聴覚障害者
等の字幕制作過程における著作物の複製等の過程では、類型BまたはCに該当す
る場合があると考えられる。

従って、障害者福祉、または障害者の情報利用に関わる行為を、一般規定による
権利制限が求められる対象として含めるべきである。

-------

第4章1(4)・(5)・(6) 日本病院ライブラリー協会

日本病院ライブラリー協会は、本年、設立35周年を迎え、病院を中心とした医療
機関に設置されている図書館・医療情報担当者約280名で構成される団体です。

病院図書館の目的は、施設内の医師、看護師、薬剤師、技師等、医療者を対象に
診療に必要な医療情報提供を主としています。提供する医療情報は的確性と迅速
性、最新性が要求され、そのほとんど全てが日常の外来・入院診療の中で患者さ
んの命に関わる疾病の治癒、健康の維持のために利用され、あるいは治療法、ク
オリティオブライフ等の研究の一貫として使用されるものです。今や医学の進歩
は世界同時発信・同時受信で日々刷新され、国内外の医学・医療情報の入手なく
して最適な診療を実施するのは困難です。

(5)特定の利用目的を持つ利用への対応○1公益目的にかんがみ権利制限が求
められていると考えられる利用について「一般規定による権利制限が求められて
いる著作物の利用行為には、「障害者福祉」や「教育」、「研究」、「資料保存」
といった、目的の公益性に着目した著作物の利用類型が一定程度存在するものと
考えられる。こうした著作物の利用行為については、権利制限の必要性のみなら
ず、公益目的にかんがみ既に整備されている他の個別権利制限規定との関係も含
め、利用の目的、利用行為の主体、対象著作物、制限の程度、利用の態様等の要
件につき慎重に考慮する必要がある。(22ページ)」法制問題小委員会において、
このような検討がされていることは、重要なことと考えます。私が勤務する公立
病院図書室をはじめ、病院図書館を取り巻く環境は厳しく、病院図書館における
著作物の利用、複写は現行著作権法に反するものであり、さらに病院図書館は31
条の図書館に該当しないという意見があります(注1)。

医療法による「国民の健康の保持に寄与することを目的」とした医療現場におけ
る医学・医療情報の利用は、公益性を持つ利用のひとつという認識が社会的に浸
透して然るべきと考え、この方向にむけて日本病院ライブラリー協会は一層の努
力を重ねているところです。

「したがって、これを一般規定による権利制限の対象と位置づけるべきではなく、
権利制限の必要性について関係者間の合意が得られ次第、個別権利制限規定の改
正又は創設により対応することが適当であると考えられる。(23ページ)」この
部分は公益性に着目しながらも、関係者間の合意にいたるまでの審議には相当な
時間を要している現状について、残念ながら考慮されているとは言いがたく「関
連して、個別権利制限規定の改正又は創設をするに当たっては、既存の規定より
も構成要件を緩和(抽象化)する方向で、特定の目的に限定した広範な権利制限
を定める英国等のフェアディーリング型等の導入も視野に入れながら見直しをす
べきだとの意見があった。」という記載にとどまっています。

英国著作権法29条、米国著作権法108条にみられるような目的を限定した広範囲
な一歩踏み込んだ条文となることを希望します。

このような条文が制定されることにより例えば、現在、病院図書館では不当に著
作物を利用しているという批判に対して、著作物の利用範囲の典拠が明確になり、
さらには権利者の権利を無用に損なうことなく、利用の公平な体制を作り上げて
いくことが可能と思われます。公益を目的とした利用と不公正な利用の範囲を明
確にしていくことも権利制限の規定には必要と思われます。
(注1)図書館と著作権黒澤節男著医学図書館50巻4号、325-330p.2003年12月

「デジタル教科書教材協議会設立シンポジウム」映像配信アーカイブス 2010/07/272010-07-28

http://ditt.jp/news/381

7/27 設立シンポジウム Ustream/ニコニコ生放送 ライブ配信のお知らせ

2010年7月27日(火)に実施いたします「デジタル教科書教材協議会設立シンポ
ジウム」の様子が「USTREAM」および「ニコニコ生放送」でライブ配信されるこ
とになりました。
配信予定は7月27日(火)13時30分からの予定です。
当日会場に来られない皆様、ぜひご覧ください。

※ライブ配信は終了いたしました。
映像は「USTREAM」「ニコニコ生放送」のアーカイブスよりご覧いただけます。

詳細【配信日時】7月27日(火)13:30~
  【URL】
   ●USTREAM
  [PC用] http://www.ustream.tv/channel/softbankcorp-others-jpn
[iPhone用] http://www.ustream.tv/channel/softbankcorp-others-jpn-3g
   ●ニコニコ生放送
      http://live.nicovideo.jp/gate/lv21995568

学校教育の情報化に関する懇談会第8回配布資料動画配信 2010/07/282010-07-28

http://jukugi.mext.go.jp/library_view?library_id=273

学校教育の情報化に関する懇談会(第8回)

1 日 時 平成22年7月28日(水)13:00~15:00

2 場 所 如水会館 スターホール(2階)

3 議 事

  教育の情報化ビジョン骨子(案)について

<動画配信>
低速用
http://www.elnet.go.jp/elnet_web/file/work1/ondemand/20100729142345/4155420a195d10230f1c146d/4155420a195d10230f1c146d1.asx
高速用
http://www.elnet.go.jp/elnet_web/file/work1/ondemand/20100729142345/4155420a195d10230f1c146d/4155420a195d10230f1c146d2.asx

<配布資料>
資料1 教育の情報化ビジョン骨子(案)
https://jukugi.mext.go.jp/archive/267.pdf
資料2 教育の情報化ビジョン骨子(案)の概要
https://jukugi.mext.go.jp/archive/269.pdf
資料3 五十嵐委員提出資料
https://jukugi.mext.go.jp/archive/270.pdf
資料4 國定委員提出資料
https://jukugi.mext.go.jp/archive/271.pdf
資料5 学校教育の情報化に関する懇談会の検討体制について(案)
https://jukugi.mext.go.jp/archive/272.pdf

「学校教育の情報化に関する懇談会」第8回 開催について 2010/07/282010-07-28

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/07/1295888.htm

「学校教育の情報化に関する懇談会」(第8回)の開催について

平成22年7月20日

 文部科学省では、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合
的な推進方策について有識者等との意見交換等を行うため、文部科学副大臣主催
の下、「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
 第8回の懇談会を以下のとおり開催しますのでお知らせします。

1.日時・場所 平成22年7月28日(水曜日)13時から15時
        如水会館 スターホール(2階) 東京都千代田区一ッ橋2-1-1

2.内容 教育の情報化ビジョン骨子(案)について

3.傍聴について
 第8回懇談会の傍聴の受付について、本日から平成22年7月23日(金曜日)15時
まで行います。期間内に以下の方法で申し込んでください。

(1)一般傍聴者の受付
・傍聴を希望される方は、メールの件名を「懇談会(第8回)傍聴希望」と明記
 の上、氏名、所属機関(原則として1機関につき1名)、連絡先(申し込みいた
 だいたメールアドレスと異なる場合)、を記入の上、gakusyu@mext.go.jpまで
 ご連絡ください。

(2)報道関係傍聴者の受付
・傍聴を希望される方は、メールの件名を「懇談会(第8回)傍聴希望」と明記
 の上、氏名、所属機関、連絡先(申し込みいただいたメールアドレスと異なる
 場合)、撮影希望の有無を記入の上、gakusyu@mext.go.jpまでご連絡ください。
・報道関係傍聴者は、原則として1社につき1名(懇談会冒頭の撮影後に退出する
 場合を除く)とし、入場の際には、社名入りの腕章を携帯してください。

 傍聴の可否については、7月27日(火曜日)15時までに、メールにて連絡いた
 します。
 なお、受付期間外に届いたものは受付できませんので、ご留意ください。

※ 傍聴希望のメールアドレスの件名として、「懇談会(第8回)傍聴希望」と
 明記されていないもの及び、メール本文に必要事項が明記されていないものに
 ついては受付できませんので、予めご了承願います。

※ 懇談会開始後の入室、撮影(報道関係者を除く)、録音その他の議事の進行
 の妨げとなる行為については、原則として禁止いたします。

4.インターネットによるライブ配信について
 第8回懇談会の模様について、文部科学省ホームページ「学校教育の情報化に
関する懇談会」のページにてインターネットによるライブ配信を行う予定です。
 「学校教育の情報化に関する懇談会」のページは、文部科学省ホームページの
トップ画面「トピックス:学校教育の情報化に関する懇談会」からご覧いただけます。

お問い合わせ先
生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付
情報政策室長 増子 則義、教育情報施策調整係長 原田 智
電話番号:03-5253-4111(代表)

(生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付)

教育の情報化ビジョン(骨子)~21世紀にふさわしい学校と学びの創造を目指して~【案】 (抜粋) 2010/07/282010-07-28

https://jukugi.mext.go.jp/archive/267.pdf

(注)2010/07/07 公開の「教育の情報化ビジョン(骨子)【素案】~21 世紀に
ふさわしい学校と学びの創造を目指して~」を修文
https://jukugi.mext.go.jp/archive/237.pdf

教育の情報化ビジョン(骨子)【案】
~21世紀にふさわしい学校と学びの創造を目指して~

第四章 特別支援教育における情報通信技術の活用

(障害の状態、特性・ニーズ等に応じた留意点)
○第一章で述べたように、障害のある子どもたちにとって、情報通信技術は、障
害の状態や特性・ニーズ等に応じて活用することにより、各教科や自立活動等の
指導において、その効果を高めることができる点で極めて有用である。特別支援
教育における情報通信技術の活用にあたっては、障害の状態や特性・ニーズ等に
応じて、例えば以下の点に留意することが重要である。

○発達障害のある子どもたちについては、情報機器に強く興味・関心を示す者も
いる。このような子どもたちには学習意欲を引き出したり、注意集中を高めたり
するために情報通信技術を活用することが考えられる。また、発達障害のある子
どもたちの中には認知処理に偏りをもつ者も見られ、情報通信技術によりその偏
りや苦手さを補ったり、得意な処理を伸ばしたりするなどの活用も考えられる。

○発達障害の他、小・中学校等(特別支援学級等)に在籍する子どもたちの障害
としては、弱視、難聴、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、情
緒障害などがある。これらの子どもたちに対して、一人一人の障害の状態・支援
ニーズに応じて情報通信技術を活用するとともに、個別の教育的ニーズに応じた
学習用コンテンツを用意することが重要である。

○具体的には、視覚障害のある子どもたちについては、読みにくい画面の情報を、
画面の拡大や色調の調節などで補い、視覚から得られない情報を、聴覚や触覚な
どの代替手段を使って補うなどの工夫を行うことが重要である。聴覚障害のある
子どもたちについては、適切な聴覚活用を図ったり、視覚等の他の感覚器官の情
報に置き換えて情報を伝達したりするなどの工夫を行うことが重要である。知的
障害のある子どもたちについては、適切な補助入力装置やコンテンツの選択を行
うことが重要である。肢体不自由のある子どもたちについては、適切な支援機器
の適用ときめ細かなフィッティングの努力が重要である(34)。

○以上のような情報通信技術の活用については、これまでの特別支援学校におけ
る取組の実績・成果を踏まえ、これをさらに充実・発展させることにより、今後
の小・中学校等におけるこれらの障害のある子どもたちの支援・学習に当たって
も、有効かつ重要なツールを提供しうるものと期待される。

○また、病弱者である子どもたちについては、実際に行うことが難しい観察や実
験の補助としてパソコン等を使った擬似的体験を行ったり、インターネットや電
子メール等の活用を通じたコミュニケーションの維持・拡大等を行えるようにす
ることも重要である。

○文部科学省では、「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及
の促進等に関する法律」を踏まえ、発達障害を含む障害のある子どもたちのため
に、教科用特定図書等を作成するボランティア団体等に対して、教科書デジタル
データを提供するなどの支援を行っている。また、発達障害等の子どもたちの障
害の特性に応じた教材等の在り方やこれらを活用した効果的な指導方法や教育効
果等について実証研究に取り組んでいる(35)。これらの取組を通して、障害のあ
る子どもたちの学びを一層支援することが必要である。

(関係機関との連携等)
○特別支援教育においては、一人一人の学習の目標・状況等を教員間で共有する
ことや、学校と家庭、地域や、医療、福祉、保健、労働等の関係機関との連携を
密にすることが求められ、その際には情報通信技術を活用することが重要である。
こうした取組を充実することは、一人一人のニーズに応じたきめ細かい指導・支
援を行うための個別の指導計画及び個別の教育支援計画のより効果的・効率的な
作成・活用にも寄与するものと期待される。

○特別支援教育における情報通信技術の活用を検討するに当たっては、独立行政
法人国立特別支援教育総合研究所と密接に連携することが重要である(36)。

-------------

(34)複数の障害を併せ有する子どもたちや重度の障害のある子どもたちについて
は、障害の重度・重複化を克服するための支援技術として、身の回りにある様々
な情報を積極的に活用し、他者とのコミュニケーションを豊かにするための支援
が重要である。

(35)発達障害に対応した調査研究として、デジタル教科書の備えるべき機能、電
子ファイルのフォーマット、製作・流通・保管方法等について、国際規格である
デジタル録音図書のDAISY(デイジー)を用いた研究、学校現場において読みに
困難のある児童生徒がパソコンなどの支援技術(AT:AssistiveTechnology)を活
用するための具体的な方策についての研究、読み書き障害のある児童生徒が聴覚
からの学習ができるよう音声合成ソフトウェアの開発・活用についての研究を実
施している。

(36)同研究所は、特別支援教育のナショナルセンターとして、主として実際的な
研究を総合的に実施するとともに、特別支援教育関係職員に対する専門的、技術
的な研修等を行っている。例えば、学校教育の情報化に関しては、情報化及び教
育支援機器に関する中長期的展望に立った研究を推進するとともに、障害のある
子どもたちの教育を担当する教職員に対して情報手段の活用等について研修を行
っている。

【新刊】「自閉症支援の最前線 さまざまなアプローチ」 2010/07/282010-07-28

https://www.space96.com/php/user/item_detail.php?store_id=space96&item_cd=s10072202

2010年7月31日まで発売記念特別価格 定価1,575円 → 特価1,260円

著 者: 武藏博文、渡部匡隆、坂井 聡、服巻 繁

編 著: 井上雅彦、梅永雄二

価 格: 1,260円 (2010年7月31日まで。それ以降1,575円)

発売日: 2010年07月28日

内容:「まえがき」より
 自閉症支援に関しては、さまざまなアプローチがありますが、「どう教える
か」についてはある程度、共通部分ができあがっていると思います。
 たとえば、できるだけ気になる刺激を取り除いた環境に構造化する、視覚的な
手かがりを効果的に使う、スモールステップで教える、困難な時の具体的支援や
フィードバックを系統的に用意しておく、成功に導いてほめるなどです。
 つまり、それらは教授手続きのベースとして応用行動分析(ABA)のテクノロ
ジーを使用することなのですが、依然として難しいのは、「何を教えるのか」に
ついて、自閉症支援の専門家と言われている人たちがどれだけ共通理解をしてい
るかという点です。
 そして、そこにはまださまざまな課題があると思います。
 本書の基本的な構成は2009年の日本特殊教育学会で著者らが行ったシンポジウ
ムの内容を下敷きに加筆したものです。
 武藏博文先生には学校で使用できる支援ツールを用いた指導を、渡部匡隆先生
には学校での社会的スキル指導について執筆いただいています。
 これらはわが国の学校教育の中でのエビデンスに基づく実践メニューであると
いえるでしょう。
 今後これらの支援メニューが学校教育での自閉症支援のスタンダードに留まら
ず、梅永雄二先生からも本書で紹介されているTEACCHの支援システ
ムのように、地域での支援システムへと発展していくことが期待されます。
 最近、教育現場に取り入れられている補助代替コミュニケーション指導につい
ては、その最前線の研究者・実践家であるお二人の先生にお願いしました。
 坂井聡先生にはVOCAを服巻繁先生にはPECSを中心とした補助代替コミュニケー
ションの指導について理論と実践についてわかりやすく解説していただいていま
す。
 本書が自閉症の支援者の共通理解を促す指針となることを願っています。
   井上雅彦

目 次:
   第1章 自閉症支援の共通理解のために
     鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 井上雅彦
    (1) 何が問題なのか
    (2) 応用行動分析学をベースにしたアプローチ
   第2章 自閉症者への最新アプローチ
    (1) 自立を高める支援ツールの活用
     香川大学教育学部 武藏博文
    (2) サバイバルスキルからのアプローチ-社会的スキルを中心として-
     横浜国立大学教育人間科学部 渡部匡隆
   (ルポ)
    TEACCHプログラムとの連携によるノースカロライナの自閉症児教育
     宇都宮大学教育学部 梅永雄二
    (3) AACを活用したコミュニケーション指導
     香川大学教育学部 坂井 聡
    (4) PECSによる自閉症児への支援
     ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン株式会社 服巻 繁