特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回) 配付資料 合理的配慮について 補足2010-10-05

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298183.htm

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回) 配付資料
資料3:合理的配慮について(補足)

障害者の権利に関する条約第2条にある「合理的配慮」の定義中、「均衡を失し
た又は過度の負担を課さないもの」の「負担」の解釈について、外務省に照会し
たところ、以下の回答があった。

 条約第2条において、「「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎
としてすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するため
の必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるもの
であり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」というと
ころの「負担」は、一義的には、「変更及び調整」を行う主体に課される負担を
指すものと解されます。
 合理的配慮がいかなる範囲かつ内容で実現されるかについては各国の裁量にゆ
だねられており、様々な要素を総合的に勘案して、個々の事案に即して判断され
るべきものですが、個々の事案において「均衡を失した又は過度の負担を課さな
いもの」であるか否かについては、「変更及び調整」を行う主体にとっての負担
という観点から判断されるものであると考えます。

【条文】 第2条 定義
「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基
本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び
調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失し
た又は過度の負担を課さないものをいう。

“Reasonable accommodation” means necessary and appropriate
modification and adjustment not imposing a disproportionate or
undue burden, where needed in a particular case, to ensure to persons
with disabilities the enjoyment or exercise on an equal basis with
others of all human rights and fundamental freedoms.

お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課

アメリカのIDEA(障害のある個人教育法)に規定されている合理的配慮2010-10-05

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298253.htm

 アメリカのIDEA(障害のある個人教育法)に規定されている合理的配慮
  -日々の教育場面と、州・地区標準テストでの合理的配慮-
                 中澤惠江(国立特別支援教育総合研究所)

 合理的配慮(Reasonable accommodation、リーズナブル・アコモデーション)
(注1)は、(1)日々の教育の場や校内テストにおいて提供される合理的配慮と、
(2)州・地区で行われる標準テストにおける合理的配慮に大きく分けられる。
(日々の教育およびテストの両方に関わる合理的配慮の一つである、プリント・
ディスアビリティのある子ども達への教材へのアクセス確保については、2004年
のIDEA改正で対象とする障害のある子どもの範囲が広がった。)
 ここで注意を要するのは、アメリカにおいては、「アコモデーション」という
言葉は、より限定的に使われる場合が多く、合理的配慮とは同義ではないことで
ある。アメリカにおける教育およびテストでの「アコモデーション」とは、障害
のある人が、障害のない人と同等にその教育およびテストにアクセスできるよう
にするための配慮であり、教育内容やテスト内容そのものには質的変化を伴わな
い状態を指している。より大きな調整・変更を伴う場合は、「モディフィケーシ
ョン」等の言葉で表される。
 具体的な例をあげると、高等教育機関の入学試験および入学後の授業等におい
ては、障害のある人が障害のない人と同等にアクセスできるようにするための
「アコモデーション」の提供が「障害のあるアメリカ人法(ADA)」によって規
定されているが、授業内容自体を障害のある学生に合わせて変える「モディフィ
ケーション」は求められていない。
 一方、IDEAで規定されている3歳から21歳までの障害のある子どもの教育にお
いては、各々の子どもの状態に応じて、もっとも制約の少ない環境で教育が行わ
れるよう、「アコモデーション」だけでなく「モディフィケーション」等の配慮
や追加的な支援が考慮される。ただし、州・地区で行われる標準テストについて
は、テスト実施結果の妥当性が保証されるよう、「アコモデーション」のみが行
われる。
 以上のような背景から、アメリカに関する以下の記述では「合理的配慮」とい
う用語ではなく、「アコモデーション」、「モディフィケーション」等の用語を
用いる。

 障害のある子どもの日々の教育および校内テストへの配慮はIDEA(Part B)
614条(d)「個別化された教育プログラム(IEP)」に明記される。個別化され
た教育プログラムはIEPチームで作成され、法的拘束力をもつ。
 個別化された教育プログラムの中には、子どもの現時点での教科学習の達成レ
ベル、機能的な遂行能力、測定可能な年間達成目標等、様々な事柄が明記されな
ければならない。そこには以下の記述も求められる:子どもに提供される「特殊
教育」(注2)、「関連サービス」(注3)、「補助的エイドやサービス」(注4)、
プログラムのモディフィケーション、研修を含む学校教職員に必要な支援等であ
る。また、「考慮すべき特別な要因」(注5)も含めて検討されなければならな
いことになっている。 これらは以下の目的のために子どもに提供される:

・子どもの年間目標の達成にむけた適切な前進;
・通常の教育課程への参加と進歩、課外活動やその他の非教科的活動への参加;
・障害のある他の子どもおよび障害のない子どもたちと共に教育を受け参加する
が、

(1)通常学級および上記の活動において、障害のない子ども達と共に参加しな
 い場合には、その程度とその理由を説明すること;
(2)州あるいは地区における標準テストを受けるにあたっての、障害のある子
 どもの学習到達度および機能的遂行能力を測るために必要な個別で適切なアコ
 モデーションの文書(注6)。
(3)もしも、IEPチームが特定の州あるいは地区における標準テストの実施にお
 いて、ある特定の障害を有する子どもについて、標準テストではなくて代替ア
 セスメントに替えるべきであると決定したならば、何故その子どもが標準テス
 トを受けられないかの理由と、具体的に選ばれた代替アセスメントが何故その
 子どもに適しているかを説明する文書が必要となる。(代替アセスメントは、
 「アコモデーション」を超えた対応である。)

 なお、視覚障害、特異的学習障害、運動障害のためにプリント・ディスアビリ
ティを有する子どもへの合理的配慮である教科書・教材へのアクセシビリティに
ついては、612条「州の適格性」(23)「教材へのアクセス」に規定してある。
州は、国が定めたNational Instructional Materials Accessibility Standardか、
州独自でアクセシブルな教科書・教材を提供する方法のどちらかを選択し、プリ
ント・ディスアビリティのある子ども達に適時に教科書・教材を提供することが
求められる。

注1 「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自
  由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調
  整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失
  した又は過度の負担を課さないものをいう。(障害者の権利条約、外務省仮
  訳より)

注2 「特殊教育」とは、障害のある子どもの固有のニーズに対応するため、保
  護者の費用負担なしに、特別に計画された指導で、以下を含むものである:
  (A)教室、家、病院、施設およびその他の場において行われる指導と、
  (B)体育の指導。(IDEA602条「定義」より)

注3 「関連サービス」とは、特殊教育から利益を得られるようにするために必
  要な諸サービスで、必要な交通手段、発達や矯正や支援に必要なサービス等
  を指す。(言語・オージオロジーサービス、通訳サービス、心理的サービス、
  PTやOTサービス、治療的レクリエーション、ソーシャルワークサービス、個
  別の教育計画で必要と記された学校看護師、カウンセリングサービス(リハ
  ビリサービスを含む)、歩行訓練、医療サービス(外科的に埋め込む医療機
  器は含まない)等。)(IDEA602条「定義」より)

注4 「補助的エイドやサービス」とは、エイド(補助員)、サービスおよび他
  の支援を意味し、通常学級あるいは他の教育関連環境において障害のある子
  ども達が障害のない子ども達と最大限適切に教育が受けられるために提供す
  るもの。(IDEA602条「定義」より)

注5 「考慮すべき特別な要因」(1)自分自身あるいは他の子どもの学習を妨害
  する行動をとる子どもに対しては、望ましい行動へ変容させるための介入
  (positive behavior intervention)等の対応をする;(2)英語の習熟度
  が限られている子どもの場合は、その子どもの言語的ニーズを考慮する;
  (3)盲あるいは視覚障害のある子どもについては点字による教育の必要性
  について考慮する;(4)子どものコミュニケーションニーズを考慮し、聾
  あるいは難聴の場合は、子どもの言語的ニーズ、子どもの言語およびコミュ
  ニケーション・モードによる同年齢の仲間および教職員との直接的なコミュ
  ニケーションの機会について考慮する;(5)子どもがアシスティブ・テク
  ノロジーの機器およびサービスを必要としているか考慮する。

注6 テスト・アコモデーションのガイドラインは州あるいは地区において開発
  し用意することになっている。当然ながら、連邦規定により、テストにおけ
  るアコモデーションは、テストの結果を無効にしてしまうものは提供できな
  いとしている。

一つの参考例として、以下にアリゾナ州のガイドラインからの抜粋を記す。

アリゾナ州のテスト・アコモデーション・ガイドラインからの抜粋

ユニバーサルなテスト実施条件
どのような生徒にも提供される、快適で気を散らすものがないテスト環境には以
下を含む:

・テストの実施を、小グループ、一対一、別の場所、個別閲覧席でおこなう
・テスト会場における、特定の場所あるいは特別な家具に座ってテストを受ける
・よく知っている担当者によるテストの実施
・特別な鉛筆あるいは鉛筆グリップの使用
・テストを見やすくするデバイスの使用:メガネ、コンタクト、拡大レンズ、特
 別な照明、色付きオーバーレイ
・テストの指示を聞きやすくするデバイスの使用:補聴器や音の増幅
・書かれた指示が読み上げられた後に、騒音緩衝用のヘッドホンを装用すること
・「テスト実施指示」に含まれている書かれた指示を(生徒の要求に応じて)再
 度読み上げ且つ書かれた指示についての質問に答えること、あるいは、生徒が
 自身で読んだ指示についての質問に答えること

IEPのある生徒のための標準的アコモデーション
IEPのある生徒は、適切であれば、上記のユニバーサルなテスト実施条件や、以
下の標準的アコモデーションを用いることができる:

・場所を記すマーカーの使用
・より多くの休憩および/あるいはより短いセッションを複数回すること
・一日の内の異なる時間にテストを行うこと
・書かれている指示をより簡単な英語にすること
・生徒が自身で指示を読むとき、声を出して読む、あるいは手話をつかって読む
 こと
・書かれたプロンプト、 数学のテスト項目、あるいは科学のテスト項目を、声
 を出して英語で読むあるいは手話で表す
・拡大文字または点字によるテスト
・盲である生徒の、数学テストにおけるソロバンの使用
・盲である生徒の、電子辞書およびシソーラスの使用、ただし文法チェック、ス
 ペルチェック、百科事典、翻訳、インターネットアクセスの機能をオフにした
 状態で
・盲である生徒の、点字筆記具の使用
・テスト冊子から答案用紙に答えを移すこと
・多項選択式の答えを、音声で答えて録音する、あるいは筆記者に口述すること
・スペルチェック、文法チェック、スペル予測機能をオフにした支援機器の使用
・数学の問題における個人用白板の使用、ただしその生徒のみが見える状態にあ
 り且つ一問ごとに消去すること

標準テストにおいては、正当な結果を生み出さないアコモデーションは許可され
ない。許可されないアコモデーションとしては、ライティングのテストにおける
口述筆記の利用、リーディングのテストにおいて声を出して読むこと、数学のテ
ストにおける計算機やその他の操作機器の使用がある。

テストにおいては、生徒のIEPに特定されているユニバーサルなテスト実施条件
および標準的アコモデーションは、全て利用可能にしなければならない。

以上

お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課

インクルーシブ教育における合理的配慮および必要な支援について(抜粋)2010-10-05

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298255.htm

   インクルーシブ教育における合理的配慮および必要な支援について
                  財団法人全日本ろうあ連盟 久松 三二

1.全ての障害に共通する事項

○1 全ての障害に共通する合理的配慮および必要な支援

・学級を構成する児童・生徒全員が参加できるよう教授方法の創意・工夫
・試験方法の工夫、試験時間の延長、試験環境の整備および評価方法の工夫
・点字、手話、デイジー教材(注1)等のデジタル教材等のコミュニケーション
 方法および手段の確保
・個々の障害の状態やニーズに対応した教科における配慮(例:視覚障害の図工
 ・美術・体育、聴覚障害の音楽・体育・英語、肢体不自由の図工・美術・音楽
 ・体育等)
・バリアフリーおよびユニバーサルデザインの観点を踏まえた個々の障害の状態
 やニーズに対応した適切な施設整備
・障害の状態やニーズに対応した身体活動(行動)スペースや遊具・運動器具等
 の確保
・個々の障害やニーズに対応した教材等の確保(例:デジタル教材、ICT機器等
 の利用)
・学級担当教員(担任)への負荷が集中しないための副担任の配置
・障害の状態やニーズに対応した専門性を有する教員、カウンセラー等の配置
・移動や日常生活の介助、情報やコミュニケーション保障及び学習面を支援する
 人材の配置
・個々の障害の状態やニーズに対応した指導方法等について指導・助言する理学
 療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士等専門家等の
 確保
・カウンセラー、専門性を有する教員、支援する人材および上記専門家等の配置
 や条件整備をコーデイネートするコーデネイターの配置

○2 全ての障害に共通する条件整備

・介助員、通訳者、カウンセラー、専門家等の人材養成、派遣、配置制度の整備
・移動、交通バリアフリー法、著作権法、放送法、総合福祉法、情報・コミュニ
 ケーション法等の法整備
・関係機関(障害者支援センター、情報提供施設、医療機関等)との連携
・個々の障害の状態やニーズに対応した支援や指導システムについての研修制度
 の整備
・個々の障害の状態やニーズに対応したコミュニケーションツール(点字、手話
 等)の学習・研修体制整備

 注1:DAISY(Digital Accessible Information System、日本では『アクセシ
 ブルな情報システム』と訳されている)図書は、視覚障害、学習障害、知的障
 害、精神障害の児童生徒に有効であり、聴覚障害児にとっても、日本語の読み
 書きにハンディを持つ場合は効果がある。デイジー図書・教材を整備するため
 著作権法を改正し、デイジー図書・教材とそのための機器を整備していく事業
 が必要である。

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回) 配付資料 2010/10/052010-10-05

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/1298178.htm

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回) 配付資料

1.日 時 平成22年10月5日(火曜日)14時30分~17時30分

2.場 所 文部科学省 旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題
 1.制度改革の実施に必要な体制・環境整備について自治体からのヒアリング
 2.障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教職員
  の確保及び専門性の向上のための方策について自治体からのヒアリング
 3.障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教職員
  の確保及び専門性の向上のための方策について自由討議
 4.その他関連事項についてヒアリング
 5.その他関連事項について自由討議
 6.その他

4.配付資料
資料1:特別支援教育の在り方に関する論点(例)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298181.htm
資料2:特別支援教育の在り方に関する特別委員会におけるこれまでの主な意見
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298182.htm
資料3:合理的配慮について(補足)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298183.htm
資料4:特別支援教室構想について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298184.htm
資料5:新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298188.htm
資料6:副籍、支援籍、副学籍について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298212.htm
資料7:埼玉県教育委員会提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298217.htm
資料8:教員の特別支援教育に関する専門性の現状と課題について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298226.htm
資料9:福井県教育委員会提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298227.htm
資料10:鹿児島県教育委員会提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298231.htm
資料11:渡辺立教大学教授提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298233.htm
資料12:木村北海道伊達高等養護学校長提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298234.htm
資料13:太田委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298240.htm
資料14:尾崎委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298243.htm
資料15:河本委員提出資料 (PDF:240KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/__icsFiles/afieldfile/2010/10/08/1298178_1.pdf
資料16:北住委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298245.htm
資料17:齋藤委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298248.htm
資料18:品川委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298250.htm
資料19:中澤委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298253.htm
資料20:久松委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298255.htm
資料21:山岡委員提出資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298256.htm
資料22:特別支援教育の在り方に関する特別委員会の当面の進め方
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298258.htm
資料23:中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会
(平成22年9月30日)-特別支援教育関係部分委員発言要旨-
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298259.htm
参考資料1~3
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298262.htm

お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課

教職員の確保及び専門性の向上のための方策に関する意見 JDD ネット 2010年10月5日2010-10-05

                             2010年10月5日

  中央教育審議会初等中等教育分科会
  特別支援教育の在り方に関する特別委員会御中

               日本発達障害ネットワーク 代表 市川 宏伸

「障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教職員の
確保及び専門性の向上のための方策」に関する意見

 日本発達障害ネットワーク(JDDネット)は、2005年12月に発足し、発達障害
関係の当事者団体、学会、職能団体66団体(全国団体=17、エリア団体=49)に
より構成されており、わが国において発達障害を代表する団体として、活動して
おります。
 表記につきまして、意見を取りまとめましたので提出いたします。

【提案事項】

現行の「特別支援学校教諭免許状」を「特別支援教育教諭免許状」とする等、特
別支援学級、通級による指導等の通常の学校における特別支援教育担当教員も視
野に入れた免許制度に改正すること

(理由)
(1)国連の障害者の権利条約で、インクルーシブな教育制度、合理的配慮が求
められており、従来の特別支援学校のみならず、小中学校等においても体制整備
が求められており、特別支援教育の確かな専門性を備えた人材の配置が今後ます
ます求められること。

(2)2005年の中教審WG報告において、中長期的な課題として検討していくこと
が提言されていること

 特別支援教育教員免許の総合化については、中教審にWGが設置され、2005年4
月22日に「特殊教育免許の総合化について(報告)(主査=大南英明氏)」にお
いて、現在の特別支援学校教諭免許状として総合化することが方向付けられた。
 一方この報告書の基本的な考え方において、「なお、「特別支援学校(仮称)」
のみならず、小・中学校等の特殊学級や通常の学級に在籍する障害のある児童生
徒等への対応も含めた「特別支援教育」を担当する教員の資質を担保するものと
して、「特別支援教育免許状」を構想すべきとの議論もある。これについては、
今後の特別支援教育の在り方のみならず、免許制度全体の見直しを視野に入れつ
つ、中長期的な課題として検討していくことが適当である。」とうたわれており、
当時から5年を経ており検討すべき時期に来ていること。

(3)2007年の改正により、特別支援学校だけでなく、通常の学校においても特
別支援教育に取り組むことが、学校教育法に規定されていること

 2007年4月に改正施行された、学校教育法では第81条において、「幼稚園、小
学校、中学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該
当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び
生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上
の困難を克服するための教育を行うものとする。」としており、特別支援教育は
特別支援学校だけでなく、通常の学校における特別支援学級、通級による指導に
おいて対応が求められていること。

(4)2002年に文部科学省が行った全国調査により、通常の学級の中にLD、ADHD、
高機能自閉症等の発達障害の可能性のある児童・生徒が6.3%(68万人)在籍し
ているという推計値が示されており、通常の学級における支援体制の整備が求め
られていること。

(5)特別支援学級、通級による指導の対象となっている児童・生徒の数は、特
別支援学校在籍の幼児・児童・生徒数を上回っていること。

 特別支援学級、通級による指導の担当教員数は、特別支援教育担当教員全体の
40%に相当する人数がいること。
 文部科学省の特別支援教育資料(2008年5月現在)によると、生徒数・教職員
数は下記のようになっている。

[児童・生徒数(小中計)]
特別支援学校    60,302  25.8%
特別支援学級   124,166  53.0%
通級による指導   49,685  21.2%
   計     234,153 100.0%

[教員数]
特別支援学校   68,677  59.5% 幼稚部~高等部計
特別支援学級   42,603  36.9% 小中計
通級による指導  4,085   3.5% 小中計
  計     115,365  100.0%

 さらに、発達障害のある児童・生徒は通常の学級にも在籍しており、通常の学
級における支援体制の整備が必要。

(6)特別支援学級と通級による指導における特別な教育課程については、特別
支援学校学習指導要領を参考にして編成することになっているが、発達障害等に
ついては、特別支援学校においては障害種別として規定がない等、特別支援学校
教諭免許では、特別支援学級と通級による指導等の通常の学校おける特別支援教
育対する対応が十分ではないこと
 小中学校、特に「通級による指導」では効果的な教科の補充指導が求められて
いる。学習指導要領では、小中学校では特別支援学校の学習指導要領を参考にし
て指導することになっているが、かつての特殊教育に準ずる教育の流れを汲む、
特別支援学校の教育に準じた教育では、十分な効果が期待できない。LDなどの発
達障害についてはその障害特性に応じた教育が求められており、特別支援学校の
教育とは別に、小学校・中学校用の学習指導要領に独立して指導方法を示すべき
である。

(7)現行の「特別支援学校免許状」ではなく、「特別支援教育免許状」にする
ことで、教員養成系の大学・学部(一部、教職大学院などの大学院教育)などに
おけるカリキュラムが、当然、小中学校の特別支援学校や通級による指導の担当
者も含めた総合的なものに変更され、特別支援学級や通級による指導の担当者の
専門性向上に確実に繋がることになる。

 その他、本提案と直接結びつくものではないが、教職員の専門性に関連して、
下記のような意見があった。

1.通常学級の教員について特別支援教育の意義や障害児教育の基礎的な知識を付
 けさせることが必要。
2.通級による指導や特別支援学級の担当教員の、経験年数が短く専門性が担保さ
 れていないことから何らかの対策が必要。
(通級指導教室の担当教員の経験年数:3年未満が65%
(国立特別支援教育総合研究所の笹森・廣瀬(2009))

以上

お問い合わせ先 初等中等教育局特別支援教育課

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回)の開催について 2010/10/052010-10-05

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/kaisai/1298051.htm

平成22年9月29日 文部科学省

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第4回)を下記のとおり開催いたし
ますので、お知らせいたします。

1.日 時 平成22年10月5日(火曜日)14時30分~17時30分

2.場 所 文部科学省 旧文部省庁舎6階 第2講堂
      東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議 題

 1.制度改革の実施に必要な体制・環境整備について自治体からのヒアリング
 2.障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教職
   員の確保及び専門性の向上のための方策について自治体からのヒアリング
 3.障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教職
   員の確保及び専門性の向上のための方策について自由討議
 4.その他関連事項について有識者からのヒアリング
 5.その他関連事項について自由討議
 6.その他

4.傍聴・取材
・会議は、原則として一般に公開する形で開催いたします。
・会議の傍聴を希望される方は、10月1日金曜日18時までに、お問い合わせ先に
 記載のメールアドレスに氏名、所属、連絡先(送付したメールアドレスと異な
 る場合のみ)をご記入の上、お申し込みください。お申し込みをされない場合
 には、会場に入場できない場合がございます。
・車椅子で傍聴を希望される方・手話通訳等を希望される方は、その旨お書き添
 えください。また、介助の方がいらっしゃる場合は、その方の氏名も併せてお
 書き添えください。
・席に限りがありますので、当日傍聴を希望される方が多数の場合には、抽選と
 なる場合もございます。あらかじめご了承ください。
・報道関係者は、原則として1社1人とさせていただきます。
・カメラ撮影を希望される場合は、傍聴登録時にその旨も併せて記入してくださ
 い。
・カメラ撮影は冒頭(議事の開始まで)のみとさせていただきます。

お問い合わせ先初等中等教育局特別支援教育課 企画調査係
電話番号:03-5253-4111(3193) ファクシミリ番号:03-6734-3737
メールアドレス:tokubetu@mext.go.jp