東京都知事 石原慎太郎宛要望書 東京LD親の会連絡会 2011/09/262012-04-01

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平成23年9月26日
東京都知事 石原 慎太郎 殿
               東京LD親の会連絡会 代表  新堀 紘太郎

 要 望 書

私たち、「東京LD親の会連絡会」は、LD(学習障害)等発達障害児・者の親の
会(「にんじん村」、「けやき」、「くじら」、)で構成され、約150名の会
員がそれぞれの親の会の地域を中心に活動しております。
平成16年より都知事殿宛に要望書を提出し、LD等発達障害のある人達の自立
支援に関する種々の施策について要望をしてまいりました。
従来の東京LD親の会連絡会の活動では、貴教育庁を初めとする諸機関等からの
ご後援をいただき、啓発活動としての講演会を開催して参りました。おかげをも
ちましてここ数年来、発達障害者の自立支援に対する法的な整備も前進している
と理解しております。
ご高承のごとく、LD等発達障害を持つ私たちの子ども達は、学齢期の学習面だ
けでなく、学校を卒業した後の就労と就労継続・自立生活の場面におきましても
苦戦しております。そこで、平成21年11月から22年2月にかけて、日頃か
らご尽力いただいている「障害者就労支援機関」の皆様にご協力をいただき、
「東京都の障害者就労支援機関訪問・アンケート調査」を実施し発達障害者の自
立支援の現状を把握する資料として報告書を作成いたしました。
報告書は、調査にご協力をいただいた諸機関を初めとして、関係方面の方々に贈
呈させていただきました。
「東京LD親の会連絡会」は、LD等発達障害の人達への自立支援のため、都庁
の関連部局が実施されている施策等についての要望を提出させていただき、今後
に向かって共により良い問題解決の道を開いて行きたいと願っております。
毎年、提出致します要望書につきましては、各部局よりご丁寧な検討結果のご説
明をいただき深く感謝いたしております。本年度の各要望事項につきましても、
よろしくご回答賜りますようお願い申し上げます。

【教育関係要望項目】

1.就学前の支援について
(1)幼稚園、保育園等で発達障害が疑われた園児をもつ保護者への、就学前の
療育等への案内の徹底と、保護者の不安を少なくするための対策を講じて下さい。
(2)就学支援シートの活用状況についてお聞かせ下さい。

2.小学校・中学校における児童・生徒への支援
平成19年度より、LD等発達障害のある児童生徒に対し特別支援教育が開始さ
れ今年度は5年目となります。また東京都では、東京都特別支援教育推進計画第
三次実施計画が今年度より展開されております。そこで昨年度までの4年間の実
績と今年度の進捗状況を踏まえ、以下の点につき回答をお願いします。
(1)通常学級における支援について
○1通常学級における学習支援員の人数と時間数を増やし、希望者が全員、支援
を受けられる体制を構築して下さい。また、学校間(大規模校 対 小規模校等)
における格差が生じない様、制度の見直しをお願いします。
○2小学校のひらがな指導について、1年生入学後のひらがな指導が充分に行わ
れていないという情報があります。書字につまずきやすい児童もおりますので、
丁寧な指導をお願いします。小学校の初期からの未学習や誤学習が、その後の学
習困難に繋がることもあります。
(2)通級指導学級での支援について
○1通級指導学級を希望しても入級できない実態があります。通級指導学級の数
を増やすとともに、行動面に問題のある児童だけでなく、教室で忘れ去られがち
なLD等学習に困難を持つおとなしい児童も通級できるようにして下さい。その
ためにも、通級判定委員会にLD等の知識のある方を配置していただくことをお
願いします。
○2通級学級に、入級申請を考えている保護者や本人に指導内容の例等を示し、
また、クラスの様子を随時見学できるようにして下さい。
(3)特別支援学級での支援について
○1LD等発達障害を持つ児童・生徒が各人の特性・能力に適した学習指導等を
受ける事ができる様、LD等発達障害に最適な教育システムの構築をお願いしま
す。
○2児童・生徒各人の状況によっては通常学級での学習指導も活用できる様、柔
軟に対応できる教育システムの構築をお願いします。
○3中学卒業後の進路については、特別支援学級から普通高校等への選択肢の増
加をお願いします。普通高校への進学を希望する生徒には、内申書を作成してい
ただけるのでしょうか。その点についての情報開示をお願いします。
(4)特別支援教育コーディネーターについて
特別支援教育コーディネーターが校内の他の役割も兼務していることが多く、機
能しにくい状況が見受けられます。コーディネーターの業務に専念できる時間を
週に何時間か確保できるように体制を組んで下さい。また、普通学級から特別支
援学級へ転級した場合でも、同じ校内の生徒なので、特別支援教育コーディネー
ターの支援を受ける事ができる様にして下さい。
(5)特別支援教育支援員(学習支援員)の配置と研修
特別支援教育支援員の平成22年度の配置実績がどうであったか、お聞かせ下さ
い。
また、LD等発達障害をもつ児童・生徒への専門性のある指導を望みますが、研
修はどのように行われているかお聞かせ下さい。
(6)スクールカウンセラー事業の充実
LD等発達障害に対応できるスクールカウンセラーの配置を望むと共に、教員と
同様に発達障害に関する研修を実施して下さい。
(7)スクールソーシャルワーカーの配置
最近の厳しい社会状況の中で、虐待、貧困、大震災の被災等の影響が発達障害児
をもつ家庭の中でも目立つようになりました。福祉と教育の間をつなぐスクール
ソーシャルワーカーの配置が必要です。配置の予定をお聞かせ下さい。
(8)保護者・児童・生徒への啓発
○1発達障害のある児童・生徒への間違った偏見等を無くすために、学校内での
児童・生徒・保護者への発達障害についての啓発活動を行う様、指導して下さい。
○2一般都民対象の特別支援教育推進事業のイベントでは発達障害も取上げられ
ていますが、プログラムには発達障害の啓発等が見当たりません。次回から発達
障害についても啓発をお願いします。

3.高校における配慮
(1)普通高校における就労移行教育について
発達障害をもつ若者達が社会に出る前に立ち竦む事の無い様、単に職業体験をす
るだけでなく、「働いて生活すること」が大切だとわかる様な職業準備教育、キ
ャリア教育を行って下さい。
(2)特別支援学校高等部の個別支援計画と卒業後のアフターケアについて
特別支援学校での個別支援計画が、就労支援施設や就職する会社のニーズに沿い
実際に役立つ様、移行計画を作成して下さい。また、実際の職場等で機能してい
るか、追跡調査を実施し、その結果を公表して下さい。

4.特別支援教育推進計画第三次実施計画について
(1)特別支援教育推進計画第三次実施計画の現在までの進捗状況をお知らせく
ださい。
(2)特別支援教室における支援について
生徒一人ひとりのつまずいている部分に支援が届く様、校内でのアセスメントを
行い、個別教育指導計画を作成して指導して下さい。
また特別支援教室には、必ず教師が一人以上常駐する体制を確立して下さい。
(3)教員支援の体制整備
LD等発達障害のある児童・生徒への対応向上に向け、教員全員が研修を受けら
れる様、研修を推進して下さい。また、生徒の特性にあわせた支援ツール、デジ
タル教科書等の利用や板書の工夫についても積極的に研修に取り入れていただけ
るようお願いします。
(4)巡回指導を行う通級指導学級の教員を増員して下さい。

                               以 上

【福祉・保健関係要望項目】

平成22年12月3日に国会において障害者自立支援法の改正として「障がい者
制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健施策を見直すまでの間にお
いて障害者の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」が成立
し、発達障害者が支援対象として明記されました。
LD等発達障害児・者の親の会である当会としては、このことを重要な前進と捉
え、以下の通り東京都の今後の取り組みについて重点的に回答をお願いします。

1.発達障害者への東京都の制度整備等について
「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直
すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関す
る法律」が、平成24年度より施行されますが、その中の発達障害に関する項目
について、東京都における準備状況をお聞かせ下さい。

2.障害者手帳の更新期間について
LD等発達障害は、生得的な障害であるため、精神保健福祉手帳を取得した場合
でも、更新期間については療育手帳と同様にするよう、国に働きかけて下さい。

3.障害基礎年金について
(1)認定基準について
LD等発達障害者が自立して生活していくためには、障害基礎年金の受給が必須
です。障害者手帳の程度が軽度でも、申請すれば必ず障害基礎年金を受給できる
よう、国に働きかけて下さい。また、認定基準に格差がでないよう地方自治体同
士で確認して下さい。
(2)更新手続き審査について
更新期間が受給者によって異なっている現状があります。審査については、その
内容を透明化し、障害者自身でも手続きが出来るように簡素化する等工夫して頂
けるよう、国に働きかけて下さい。
さらに65才時点で、障害年金から老齢年金に切り替わった場合も老齢年金が満
額支給されるように制度の改善を行うよう、国に働きかけて下さい。

4.巡回支援専門員配置事業、発達障害者支援開発事業について
平成23年度より国は、支援手法の開発を目的に巡回支援専門員配置事業を新規
に開始しました。東京都ではこの事業に付きどのように対応されるのかお聞かせ
下さい。

                                以 上

【就労・雇用関係要望項目】

1.職業教育の充実と求職活動への準備段階における支援
LD等発達障害者は、特別支援学校だけでなく通常教育を受けている人もいます。
職業リハビリテーションに関する事業の情報を広く提供し、教育機関との連携を
図り、求職活動への支援をさらに充実して下さい。

2.相談体制の整備と多様かつ効果的な職業訓練、職場実習制度の充実
(1)多様なニーズに対応した委託訓練の充実
現在、(財)東京しごと財団障害者就業支援課が東京都から委託されていますが、
LD等発達障害の障害特性に合った訓練も取り入れるよう指導・助言して下さい。
また、若年者に対して、地域の実情に応じた職業準備教育、就労支援の充実を要
望します。
(2)障害者委託訓練コーディネーターへの研修の充実
(財)東京しごと財団障害者就業支援課に配置されている障害者委託訓練コーデ
ィネーターへのLD等発達障害の障害特性および有効な支援についての研修をさ
らに充実させて下さい。また、専門的知識を持っている方の配置もさらに充実す
るよう要望します。
(3)総合コーディネート事業の充実
(財)東京しごと財団障害者就業支援課で行われている各セミナーの内容にLD
等発達障害の説明を加えると共に、昨年度より開始した就活セミナーの対象拡大
によりLD等発達障害の人も加えて下さい。
(4)東京都障害者職業能力開発校においてLD等発達障害者の訓練コースの設
置と能力開発を行って下さい。

3.障害者就業・生活支援センターの拡充と支援の充実
(1)障害者就業・生活支援センターの拡充計画
平成23年度までに多摩地域に6ヶ所目の増設を予定しているとお聞きしました。
その後の進捗状況をお聞かせ下さい。
(2)LD等発達障害者の職場定着
LD等発達障害者の職場定着支援を強化して下さい。

4.施設職員や事業所に対する理解と啓発の充実
(1)療育手帳や精神保健福祉手帳を持った人が通所する施設等の指導員に対し
ても、LD等発達障害についての研修会を開催して下さい。
(2)事業所に対する理解と啓発
地域における就労支援ネットワークの整備に関して、法人会や商工会等に、ハン
ドブックを配布するだけではなく、LD等発達障害についての啓発(講演会・学
習会など)を行って下さい。

5.公的支援の実施(助成金)
発達障害者雇用開発助成金について、平成22年度の実績をお聞かせ下さい。

6.公的機関における雇用の促進とチャレンジ雇用 
(1)雇用の促進
東京都・各区市町村の公共機関・財団でのLD等発達障害者の職場実習を促進し、
その雇用についても数値目標を立てて取り組んでいただくよう要望します。
(2)チャレンジ雇用の実績
平成20年度より福祉保健局と共同で知的障害者、精神障害者のチャレンジ雇用
(6か月間)事業を実施されていますが、平成22年度の結果についてお聞かせ
下さい。
7.職業教育の充実と求職活動への支援について
(1)職業教育の充実と求職活動への支援
特別支援学校以外の中学校、高等学校に在籍するLD等発達障害に対する職業教
育の充実と求職活動への支援をして下さい。
(2)企業向け普及啓発セミナーの実施
LD等発達障害者の企業向け普及啓発セミナーを実施して下さい。
(3)東京ジョブコーチ支援事業の進捗状況
特別支援学校と連携して実施している東京ジョブコーチ支援事業のその後の進捗
状況、実績についてお聞かせ下さい。
(4)障害者雇用の実績について
障害者雇用促進法の改正をうけ、東京都における平成22年度の企業規模別の雇
用実績をお聞かせ下さい。

8.国または国に準ずる機関等への働きかけ
LD等発達障害者の雇用に関する事業に対し、国または国に準ずる機関等へ積極
的に働きかけて下さい。
○1障害者の雇用の促進等に関する法律に、LD等発達障害者の雇用の義務を加
えること
○2公共職業安定所等に対し、LD等発達障害者支援の周知をはかること
○3発達障害者に対する職業訓練の推進をはかること
○4障害者試行雇用事業、職場適応援助者事業の拡充促進をはかること

                                以 上

「東京LD親の会連絡会」加盟3団体

全国LD(学習障害)親の会会員
LDとそれに類似する児・者の親の会「にんじん村」 代表 佐々木 美佐子
 同
LD親の会「けやき」 代表 三輪 覚子

 同
LD児・者を考える会「くじら」 代表 吉野 由紀夫

東京都福祉保健局に対する要望書への回答説明会記録 2011/11/302012-04-01

http://tokyold.web.fc2.com/pdf/20111130a.pdf

日時: 平成23年11月30日(水) 10:00~11:00
場所: 東京都庁第一本庁舎 25階 112会議室

要望書回答 【福祉・保健関係要望項目】

1.発達障害者への東京都の制度整備等について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
いわゆる自立支援法のつなぎ法により、障害者自立支援法のサービスを、より受
けやすくする観点から、発達障害が障害者自立支援法の対象となることが明確化
されました。東京都としては、これまでも取組んできている途上ではありますが、
ライフステージを通じた切れ目のない支援を目指し、区市町村の発達障害者に対
する取組みを支援すると共に、支援機関に従事する専門的人材の育成等の取組み
を行っているところです。
法改正により、発達障害に対する認知度が増し、支援ニーズがいっそう高まるこ
とが見込まれます。このような支援ニーズに応えられる様、引続き発達障害者へ
の支援の向上につながるよう普及啓発や人材育成などに取り組んでいきたいと考
えています。

2.障害者手帳の更新期間について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
昨年も同様の要望をいただいていた記憶があり、お気持ちとして理解するところ
ではありますが、LD等発達障害者の方についての更新期間を療育手帳と同様にす
ることについては、精神保健福祉手帳上、難しいものと考えています。国への働
きかけを行うことは、現在のところ予定しておりません。

3.障害基礎年金について
回答:(障害者施策推進部 計画課)
手当てや年金制度等の所得保障については、基本的には国の役割と考えておりま
す。都は障害者の自立生活の基盤が確保できる様、年金手当制度のよりいっそう
の充実を、他の自治体と共に国に要望しております。

4.巡回支援専門員配置事業、発達障害者支援開発事業について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
東京都では、国の発達障害者支援開発事業を活用しつつ、平成19年度から21年度
にかけて、支援手法の開発を目的に、都内5区市においてモデル事業を実施しま
した。
また、この成果を踏まえ翌22年度から、障害者施策推進区市町村包括補助事業に
より、早期発見 / 早期支援のためのシステム構築の取組みに対し、区市町村へ
の補助事業を開始しました。本事業では、区市町村が、地域における専門相談を
実施するなどの取組を行う発達障害者支援拠点の設置以外に、保育所・幼稚園等
への支援として巡回指導等を行う場合にも対応している等、国で今年度から開始
した巡回支援専門員整備事業よりも、より幅広い支援内容に対して財政支援を行
う内容となっており、今後も本事業の展開を進めていく予定です。

【質疑応答】

Q:(けやき) 項目4について
都内区5市でのモデル事業について、実施場所の具体名を教えてください。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
モデル事業は、平成19年度から21年度の3ヵ年ということで実施し、世田谷区・
豊島区・足立区・多摩市・立川市の5区市です。
Q:(けやき) 項目3について
親としては、地域での格差が気になります。他の自治体との調整をされていると
いうことであれば、内容をお聞かせ下さい。
A:(障害者施策推進部 計画課)
回答説明の中では、格差についての調整をしていると申し上げたのではなく、他
の自治体と共に年金、手当制度の充実について国に要望していると回答しました。
年金事務は、国が行っており、東京都が他の自治体と調整しているという事はあ
りません。
Q:(けやき)
情報として他県の様子など把握することはありますか。
A:(障害者施策推進部 計画課)
年金事務に関しては、東京都として行っていませんので、情報収集等もしており
ません。
Q:(にんじん村)
年金支給決定の判断はどこでしているのでしょうか。
A:(障害者施策推進部 計画課)
事務については年金事務所です。判定等の具体的な事務は日本年金機構にお問合
わせ下さい。
A:(総務部 企画計理課)
実際の受付窓口が、区市町村に一部と年金事務所にあります。都道府県では年金
事務についてはタッチしていません。手帳関係は都道府県で判定を行っています
が、年金については国の方でほとんどの事務を吸上げ、年金事務所で一括して行
っています。
Q:(にんじん村)
国での判定作業であれば、居住の地域格差がでないという事でいいのでしょうか。
A:(総務部 企画経理課)
想像ではありますが、同じ事例でも差がでたという場合があったのかも知れませ
ん。しかし国が一律に事務を行うという事は、どこに住んでも同じ様に事務処理
がなされるというためのものですから、本来なら差がないはずです。真相は分か
りませんが、たまたま事務所ごとに判断が異なったということかも知れませんが、
基準は、同じ基準で行っているはずだと思います。
Q:(にんじん村) 項目1について
この法律の中に発達障害を明記してもらえたことを、非常に歓迎しています。さ
らに障害者基本法の改正も行われ、そちらにも発達障害が入ったことで、すぐに
でも取り上げていただきたい項目ですが、支援者の育成ということが、都の方で
具体的にどのようなことが行われているのかが、先程のご回答では今一つ見えて
こないと感じましたので、再度お願いいたします。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
支援者育成についての取組みになりますが、都では、特に平成17年度に発達障害
者支援法が施行されて以後、発達障害という領域に対する取組みを進めてまいり
ました。
これまでの取組みでは、従前より東京都発達障害者支援センターの運営の一環で、
支援者育成講座を、(年度によっては実施回数に若干違いはありますが、)年4
~5回、幅広く幼稚園・保育園・教諭から医療従事者・教育関係の方々に、その
都度テーマを決めて実施してきたということが一つあります。
最近の取組みとしては、昨年度(平成22年度)から専門人材育成のための研修事
業を別途立ち上げ、発達障害者相談支援研修と医療従事者向け講習会を実施して
いるところです。22年度には、それぞれ8日間ずつ研修を実施しました。相談支
援研修と医療従事者向けとして、それぞれ行っていますが、その職種に限らず、
地域でお子さんに関わる保育園・幼稚園・小学校等の先生方等、様々な方に幅広
く参加いただいています。今年度も継続して行っており、やはり同じ位の回数の
実施を予定しています。
昨年度は、のべ900名以上の方に受講していただきました。
発達障害に対する認識は、社会的にまだまだというところもある一方、広がりつ
つある様にも感じています。研修内容は、「発達障害とは」といった障害への理
解を深める話から、法制度的な話、制度上のサービス・現行支援上の話等、更に
それぞれのライフステージごとに、子どもの時の支援の話、成人期になってから
の就労支援と現状・課題等の話、現に就労支援等に携わっている施設の方による
現場での生の「障害とは」から課題等の話等、多岐多様にわたっています。
Q:(にんじん村)
支援拡充についていろいろ研修されているという回答でしたが、親の会でも親の
支援に関して注目しているところです。国では、厚生労働省でペアレントメンタ
ーという施策を進めると言っていますが、家族支援という事で親や家族の研修と
いうものも必要かと思っています。こういった計画はありますか。また、親を取
込んだ相談、親が相談者となったりピアカウンセリングを行うような施策の計画
はありますか。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
広く発達障害者支援という事では、お子さんにとっては親御さんですが、一番身
近に接する、また支援に関わる方々を含めての支援それ自体が重要です。身近な
ご両親が疲れ果てて、二次的に困難を深めるということは色々な場面で耳にして
おり、憂慮しています。親を取り込んだ支援という事では、当事者同士の支援と
いうところでピアカウンセリングがあり、それが重要であると認識してきていま
す。実際に都の施策としての具体的な計画は、現時点でそれ自体に特化してのも
のはありません。しかし普及啓発の中で、その取組みも含めて重要であるという
事を支援従事者の方々へ働きかけていきたいと思います。
都としては包括補助事業として、各区市町村に対する補助事業を実施しており、
各区市町村における発達障害者支援の取組みに対して補助を行っています。先駆
的に新たな支援の取組み方があるのではないかといった区市町村独自の取組みに
対しても、できるかぎり柔軟に、都としては補助していくというスタンスで対応
しています。
Q:(にんじん村)
要望書項目の一番について、提出させていただいた理由として、発達障害者支援
法が施行されてから数年以上も経っておりますが、具体的な支援が始まらないこ
とが難しいところで、例えば早期発見で発見されても、その後の療育等に繋がら
ない事などがあります。最近親の会会員で外出支援を受けた方がありますが、そ
の方が初めての例です。本当に具体的な支援に繋がる様に、これから研修するだ
けでなく、研修が具体的な支援に繋がるようにしていただきたいと希望していま
す。今後法的にも福祉的な部分が変わっていくのだと思いますが、発達障害者は
どんな支援が受けられるのかが不明瞭(ぼんやりして)で良く見えないという事
があります。そこを明確に文章化したものがほしいと思っているところです。
質問ではありませんが、希望としての意見を申し述べさせていただきました。
実施されている研修の内容(プログラム)の一覧がありましたら、後でコピーさ
せて下さい。
どうもありがとうございました。

                                 以 上

東京都産業労働局に対する要望書への回答説明会記録 2011/11/302012-04-01

http://tokyold.web.fc2.com/pdf/20111130c.pdf

東京都産業労働局に対する要望書への回答説明会記録

日時: 平成23年11月30日(水) 13:30~14:30

要望書回答 【就労・雇用関係要望項目】

1.職業教育の充実と求職活動への準備段階における支援
回答:(就業推進課)
中等部や高等部が設置されている特別支援学校へは「障害者雇用促進ハンドブッ
ク」を配布し、高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施している職業リハビリテ
ーションに関する事業について情報の提供をしております。また、教育庁を通じ
都立高校へも配布しております。今年度も昨年度同様、ハンドブックを25,000部
作成し、配布しております。

2.相談体制の整備と多様かつ効果的な職業訓練、職場実習制度の充実
(1)多様なニーズに対応した委託訓練の充実
回答:(能力開発課)
現在、LD等の方を対象とした訓練は単独では行っていませんが、発達障害者を対
象としてIT等の訓練を実施しています。22年度の受講状況を見ると、知的障害
者や精神障害者など他の種類の障害者に混ざって訓練を受けている方が多いです。
内容としては、基礎的なOA機器の操作、事務補助作業、調理補助、オフィスの清
掃その他作業があります。今後とも、様々な障害者の皆様に対応できる職業訓練
を目指して取り組んでいきます。
回答:(就業推進課)
職業訓練に加えて、(公財)東京しごと財団では、職場体験実習先を開拓し、そ
の紹介を行っています。また、障害者就業・生活支援センターでは、登録者に対
して個々の実情に応じ職業準備教育や就労支援などを実施しております。

(2)障害者委託訓練コーディネーターへの研修の充実
回答:(能力開発課)
障害者就業支援課委託訓練推進班において、月2回の割合で打合わせ会議を行い、
会議の中で情報を共有化しているほか、月1回の割合でカウンセラー(臨床心理
士)による専門的見地からの助言・指導を受けています。
現在、各コーディネーターが、障害者訓練に対して熱意を持ってマッチングを行
っています。新たなコーディネーターについては、様々な障害者を対象とした職
業訓練に理解のある方の配置を考えています。

(3)総合コーディネート事業の充実
回答:(就業推進課)
東京しごと財団の行っている総合コーディネート事業の各セミナーは、企業や就
労支援機関等を対象に実施し、セミナーの開催時に「障害者雇用促進ハンドブッ
ク」を配布して、障害特性についての周知を図っております。
また、就活セミナーや企業合同説明会、障害者職場体験実習面談会の参加対象者
は、「愛の手帳」または「精神障害者保健福祉手帳」所持者としており、一部に
は発達障害の方も参加しています。今後関係機関とも連携しながら、(公財)東
京しごと財団での発達障害者への就労支援のあり方を検討したいと考えておりま
す。

(4)東京都障害者職業能力開発校においてLD等発達障害者の訓練コースの設
置と能力開発を行って下さい。
回答:(能力開発課)
現在、国立吉備高原職業リハビリテーションセンターで職域開発課3コースに年
間10名程度を募集、国立リハビリテーションセンターで年間20名程度の定員で訓
練が行われています。東京都ではその成果を踏まえ、今後も検討を進めてまいり
たいと考えています。

3.障害者就業・生活支援センターの拡充と支援の充実
(1)障害者就業 ・生活支援センターの拡充計画
回答:(就業推進課)
障害者就業・生活支援センターについては、東京都障害福祉計画で平成23年度ま
でに合計で6センターの設置を目標としており、平成23年7月に福生市に6センタ
ー目の指定を行ったところです。

(2)LD等発達障害者の職場定着
回答:(就業推進課)
障害者就業・生活支援センターでは、東京都発達障害者支援センターや地域の医
療機関、就労支援機関等と連携し、発達障害者の支援を強化するべく、研修会を
行う等、職員個々のレベルアップ及びセンターそのものの支援のレベルアップを
図っているところです。

4.施設職員や事業所に対する理解と啓発の充実
(1)療育手帳や精神保健福祉手帳を持った人が通所する施設等の指導員に対し
ても、LD等発達障害についての研修会を開催して下さい。
回答:(就業推進課)
都(福祉保健局)では、発達障害者の支援に従事する専門的人材の育成を行うた
め、発達障害の専門家を講師に招いた研修会を行っております。今年度は区市町
村等の相談支援員や就労継続支援事業者等を対象とした定員120名の相談支援研
修を8回、医療機関や保健センター等の医療従事者などを対象とした定員120名の
研修会を8回開催することとしています。

(2)事業所に対する理解と啓発
回答:(就業推進課)
毎年、ハローワークを通じて「障害者雇用促進ハンドブック」を配布しており、
併せて、業界団体や商工会議所等の地域の関係団体についても産業労働局から直
接配布し、普及啓発を図っています。また、平成22年度には、精神障害や発達障
害などの企業における取組事例集を作成・配布して障害者雇用についての理解促
進を図ったところです。今後も、ハンドブック等を有効活用し、普及啓発を進め
ていきたいと考えております。

5.公的支援の実施(助成金)
回答:(就業推進課)
発達障害者雇用開発助成金は国の助成制度ですが、確認したところ平成22年度の
実績は0件とのことです。

6.公的機関における雇用の促進とチャレンジ雇用
(1)雇用の促進
回答:(就業推進課)
産業労働局では、平成14年度より東京障害者職業能力開発校実務作業科より知的
障害者をオフィス体験実習と称して局内で受入れを開始し、平成18年度からは地
域の就労支援機関からも受入れを図り、さらに平成19年度からは精神障害者を実
習の対象に含めて、毎年実施をしております。
なお、産業労働局以外の機関等における職場実習については、各機関が所管する
ことになります。

(2)チャレンジ雇用の実績
回答:(就業推進課)
平成22年度のチャレンジ雇用については、知的障害者2名と精神障害者2名を臨時
職員として6ヵ月ずつ雇用をいたしました。そのうち3名は、雇用終了後に一般就
労され、1名の方は引続き、一般就労に向け地域就労支援機関のバックアップを
受け、一般就労を目指している状況です。

7.職業教育の充実と求職活動への支援について 
(1)職業教育の充実と求職活動への支援
回答:(就業推進課)
特別支援学校以外の都立高等学校へは、「障害者雇用促進ハンドブック」を送付
して、情報提供を行っているところです。また、個々の教育機関とは、各ハロー
ワークがチーム支援として福祉施設や特別支援学校等関係機関と密に連携をし、
求職活動の支援を行っている状況です。
※午前中の教育庁回答の際、回答いただきました。

回答:(教育庁指導部高等学校教育指導課)
生徒一人一人の進路希望の実現に向けて入学時から計画的に適性検査、企業にお
ける就業体験、面接指導を行う等、きめ細かい指導を行っています。
※午前中の教育庁回答の際、回答いただきました。

回答:(教育庁指導部義務教育特別支援教育指導課)
特別支援教育の担当から今後の事という事で回答させていただきます。発達障害
の生徒が職場に定着する上で、職種や職場等の適応が重要でありキャリアガイダ
ンスを充実させることが必要と考えています。このために当教育員会では今年度
から都立特別支援学校の進路指導に関するノウハウや最新の情報収集、活用等を
行う体制整備について研究を行っており、それを高校の進路指導等へ生かしてい
くべく現在検討しているところです。

(2)企業向け普及啓発セミナーの実施
回答:(就業推進課 )
平成20年度より、教育庁、福祉保健局と連携し、障害者雇用の普及啓発セミナー
を協力して開催しております。平成22年度は、教育庁が主催のセミナーを7月に
開催し、132名の参加がありました。また、10月には福祉保健局主催でセミナー
を開催し、225名の参加がありました。さらに、2月には産業労働局主催でセミナ
ーを開催し、75名の参加がありました。

(3)東京ジョブコーチ支援事業の進捗状況
回答:(就業推進課)
平成20年度より、東京都では「東京ジョブコーチ支援事業」を実施しているとこ
ろですが、特別支援学校とも連携して、卒業生等に対しても職場定着のための支
援を実施しております。
なお、平成22年度の東京ジョブコーチ事業による支援516件のうち35件が特別支
援学校からの依頼となっております。

(4)障害者雇用の実績について
回答:(就業推進課)
平成22年度の東京都内の民間企業の実雇用率は1.63%と、前年の1.56%から上昇
しております。企業規模別の雇用率は、1000人以上で1.87%、500人から999人で
1.57%、300人から499人で1.36%、100人から299人で1.01%、56人から99人で
0.67%となっており、100人以上の企業では各区分とも上昇しています。

8.国または国に準ずる機関等への働きかけ
回答:(就業推進課)
ご要望の主旨は国へ伝えてまいります。

【質疑応答】
Q:(けやき) 項目2-(3)について
東京しごと財団において就労支援をしているということでしたが、それと同時に
サポートステーションの方の現状はいかがでしょうか。ひきこもり対策の一つの
居場所とともに、そこから就労を目指すという場所と理解しています。発達障害
のある人達もひきこもりが多い、逆に言うと、ひきこもりの人たちの中に発達障
害のある人も多く含まれるという事で、その対策としてサポートステーションを
利用しているという東京都の取組みと思います。
A:(就業推進課)
実績については、把握しておりません。
Q:(けやき) 項目3~4について
ハンドブックを作成するとのことでしたが、時期をお聞かせ下さい。
A:(就業推進課)
毎年作成している「障害者雇用促進ハンドブック」は、本年度については10月に
作成しました。順次、関係機関に発送しています。
例年、ハンドブックについての要望に手帳の話がありましたので、今年度からは
「発達障害を持つ方の中には、障害者手帳の対象になる方もいます。」という形
で記入しました。
Q:(けやき)
ハンドブックの事では、毎年要望やこういった話し合いの席で加えていただいて
います。
精神障害者保健福祉手帳を取得する方が増えていると思いますが、精神障害者保
健福祉手帳を持っている人は精神障害の方だとみなして、短時間の労働からさせ
ていると言われることが非常に多くあります。発達障害の人も精神障害者保健福
祉手帳を利用しているという事が周知されていないように思いますが、いかがで
しょうか。企業もハンドブックには非常に注目していて、これを見て判断してい
ると言われることがありますので、今後検討お願いします。
A:(就業推進課)
その辺の書き方については、今後も検討していきたいと考えていますので、また
具体的な要望等がありましたら、お寄せ下さい。
Q:(けやき)
大阪の方では「精神障害者保健福祉手帳を取る人の中に発達障害者もおります。」
と言うような内容を、しおり(別冊のハンドブック)に載せている様です。本誌
の方に明記しにくいというのであれば、しおり(小さなパンフレット)の様なも
のを作っていただけると有難いと思っています。
A:(就業推進課)
専用のパンフレットを作成するというのは少々難しいかと思いますので、なるべ
く実効性の上がるような形で考えたいと思います。
Q:(けやき) 項目5について
助成金についての回答が0件となっていますが、その原因として、おそらく雇用
率に反映されていないから、そのため企業の方も手を挙げないのではと想像して
います。また、周知もされていない様に思います。国の方に、雇用率に反映でき
る事も検討してほしいとお伝え下さい。
A:(就業推進課)
雇用率算定は国の制度となっていますが、障害者基本法の中にもかっこ書きでは
ありますが、発達障害についても明記されています。今後はこれに伴う法改正も
あるかと考えられますので、要望の件については国へ伝えていきます。
Q:(けやき) 項目7-(3)について
東京ジョブコーチ利用者について教えて下さい。また、ジョブコーチの人数も教
えて下さい。
A:(就業推進課)
回答した35件という数字は、ジョブコーチ支援室にジョブコーチの支援をしてほ
しいと申込んで来た機関で、特別支援学校からが35件だったという報告です。要
請が多いのは、地域の就労支援機関や、障害者が働いている企業からで、かなり
の部分を占めています。そういった方々の中にも、特別支援学校等を卒業された
方も含まれていると思います。
平成20年度より開始し、平成22年度まで毎年20名ずつの増員、現在定員60名で活
動しています。
Q:(けやき) 項目2-(4)について
検討されている内容に、何か進展がありましたら教えて下さい。
A:(能力開発課)
要望に沿った形で回答できていないかと思いますが、現状では目立った進展はあ
りません。
Q:(けやき) 項目6-(2)について
チャレンジ雇用では、次の就労に繋がらない人も出ていて、企業との連携を取る
等考えられる工夫をお願いします。また、都庁内から雇用率が未達成のところが
でない様、ご指導をお願いします。
A:(就業推進課)
他局を指導する立場ではありませんが、全体としては総務局で取扱っていると思
います。他のさまざまな団体から、未達成部署への強い要望が出ていますので、
こちらからも要望については伝えていきます。
チャレンジ雇用については、産業労働局の他に福祉保健局と教育庁でやっている
と聞いています。チャレンジ雇用の方を企業と連携して就労に繋げるというのも、
難しいと考えています。
(公財)東京しごと財団でも、「職場体験実習開拓事業」で企業開拓をして、面
談会等で企業との実習のマッチングをしていますので、こういった所で企業との
繋がりを深めて、就労に繋げていけたらと考えています。
Q:(にんじん村) 項目2-(2)について
コーディネーターの人数を教えて下さい。また、発達障害に特化していますか。
A:(能力開発課)
手元に正確な数字を持ち合わせていませんが、10名弱です。発達障害に特化して
いるというのではなく、訓練規模に対して人数を配置しています。
Q:(にんじん村)
就労できない若者たちの中に発達障害のある人が多いという事も聞きますが、そ
のことについて都としてはどのように考え、仕事に結び付けたいと思っているか
お聞かせ下さい。
A:(就業推進課)
発達障害を含めたさまざまな障害のある方がいて、それぞれに障害特性を持って
いるという事、その方々をどういった形で受入れていくのがいいのかという事等
を含めて、企業に周知・啓発をしていく事が第一と考えています。まず知ってい
ただくことが一番だと思い、ハンドブックやセミナー等を通じて企業の方に情報
提供していきたいと考えています。

(けやき)質問は以上です。ありがとうございました。

                                  以上

東京都教育庁に対する要望書への回答説明会記録 2011/11/302012-04-01

http://tokyold.web.fc2.com/pdf/20111130b.pdf

東京都教育庁に対する要望書への回答説明会記録

日時: 平成23年11月30日(水) 11:00~12:00
場所: 東京都庁第一本庁舎 25階 112会議室

要望書回答 【教育関係要望項目】

1.就学前の支援について
(1)幼稚園、保育園等で発達障害が疑われた園児をもつ保護者への、就学前の
療育等への案内の徹底と、保護者の不安を少なくするための対策を講じて下さい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
区市町村教育委員会は関係部局と連携し、リーフレット等を活用しながら就学前
の保護者等へ療育機関等の情報提供を行っています。また、就学に関する説明会
や就学相談に於いても学校見学会や体験入学を実施し、保護者へ特別支援教育に
関する情報提供を行っています。これからも、就学前の保護者が必要とする情報
をより効果的に提供できる様、区市町村教育委員会とも連携し、進めてまいりま
す。

(2)就学支援シートの活用状況についてお聞かせ下さい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
現在就学支援シートは、都内46区市町村で活用されています。就学支援シートは
保護者の参画のもと、就学前期間における成長・発達の様子や就学後に必要な支
援の内容について記入し作成する物です。関係者が連携しながら子どもの学校生
活への円滑な移行を図るとともに、個別指導計画や個別の教育支援計画の内容の
充実に繋げていきます。今後は、就学支援シートの趣旨や活用の在り方について、
区市町村教育委員会や関係機関等への理解啓発をよりいっそう推進し、特別な教
育的支援を必要とする子どもたちの豊かな学校生活を支援するツールとして活用
していきます。

2.小学校・中学校における児童・生徒への支援
(1)通常学級における支援について
○1通常学級における学習支援員の人数と時間数を増やし、希望者が全員、支援
を受けられる体制を構築して下さい。また、学校間(大規模校 対 小規模校等)
における格差が生じない様、制度の見直しをお願いします。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
特別支援教育支援員の配置については、区市町村教育委員会が実施主体となって、
それぞれの実情に応じて配置しています。発達障害の児童生徒に対する支援につ
いて、東京都教育委員会としては、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画
(以降、第三次実施計画)において、すべての小中学校に特別支援教室を設置し、
在籍校における支援体制を整備していく事を計画しています。また引続き、特別
支援学校の教員による巡回相談等の地域支援に努めていきます。
○2小学校のひらがな指導について、1年生入学後のひらがな指導が充分に行わ
れていないという情報があります。書字につまずきやすい児童もおりますので、
丁寧な指導をお願いします。小学校の初期からの未学習や誤学習が、その後の学
習困難に繋がることもあります。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
東京都教育委員会では、平成19年度から基礎的・基本的な事項に関する調査を実
施して児童生徒の実態を把握し、学習のつまずきの傾向や原因を分析しました。
その分析の結果や学習指導要領の目標・内容を踏まえて、「児童生徒の学習のつ
まずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」を作成し公表しました。学習指導要領
に基づいて適切に指導していくと共に、必要に応じて個別指導計画を作成し、個
に応じた指導を推進していきたいと思っています。
東京ミニマムは教育委員会のHPにもアップしておりますので、どなたでもダウ
ンロードすることができます。

(2)通級指導学級での支援について
○1通級指導学級を希望しても入級できない実態があります。通級指導学級の数
を増やすとともに、行動面に問題のある児童だけでなく、教室で忘れ去られがち
なLD等学習に困難を持つおとなしい児童も通級できるようにして下さい。その
ためにも、通級判定委員会にLD等の知識のある方を配置していただくことをお
願いします。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
小中学校の通級指導学級(以降、通級)の設置は、小中学校の設置者である区市
町村教育委員会が地域の実情に応じて行っています。通級における指導の開始時
の判断も、区市町村教育委員会が行います。東京都教育委員会では平成21年3月
に、通級での指導の開始・終了判定システムの構築に関するガイドラインを発表
し、区市町村教育委員会に周知しました。その中で通級における指導の開始等の
判断に至っては、教育・医学・心理学等の専門家で構成される就学支援委員会、
またはそれに準ずる通級判定委員会を設置し検討する様、周知しているところで
す。
○2通級学級に、入級申請を考えている保護者や本人に指導内容の例等を示し、
また、クラスの様子を随時見学できるようにして下さい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
くり返しになりますが、小中学校の通級の設置は、小中学校の設置者である区市
町村教育委員会が地域の実情に応じて行っています。通級に関する様々な情報提
供や相談も、区市町村教育委員会の判断、責任において行っています。東京都教
育委員会では、東京都特別支援教育推進室で毎年発行している「就学相談の手引
き」等を通じて、保護者へ就学等に関する十分な情報提供の機会を設ける様、区
市町村教育委員会へ周知しているところです。

(3)特別支援学級での支援について
○1LD等発達障害を持つ児童・生徒が各人の特性・能力に適した学習指導等を
受ける事ができる様、LD等発達障害に最適な教育システムの構築をお願いしま
す。
○2児童・生徒各人の状況によっては通常学級での学習指導も活用できる様、柔
軟に対応できる教育システムの構築をお願いします。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
第三次実施計画においては、すべての小中学校に特別支援教室を設置することに
よって、在籍校における支援体制を整備し、発達障害の児童・生徒に対する指導
内容・方法の充実を図る事としています。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
指導部の方からも回答いたします。第三次実施計画に基づいて、今年度より指導
部では、個別の支援計画充実事業、自閉症・情緒障害学級教育課程研究開発事業、
情緒障害等通級指導学級研究開発事業、等の事業を立上げ、指導の充実を図るよ
う検討しているところです。これらの事業を推進して、LD等発達障害のある児
童・生徒に対する学習指導等の充実を図っていきたいと思っています。
○3中学卒業後の進路については、特別支援学級から普通高校等への選択肢の増
加をお願いします。普通高校への進学を希望する生徒には、内申書を作成してい
ただけるのでしょうか。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
現在、中学校特別支援学級から普通高校へ進学する例はいくつもあります。当然
のことですがその際、内申書を作成して高校に提出して入試を受けるのですから、
内申書の作成はできます。

(4)特別支援教育コーディネーターについて
特別支援教育コーディネーターが校内の他の役割も兼務していることが多く、機
能しにくい状況が見受けられます。コーディネーターの業務に専念できる時間を
週に何時間か確保できるように体制を組んで下さい。
回答:(人事部人事企画課 代読)
小中学校における特別支援教育コーディネーターについては、国も専任として位
置付けておらず、都独自に教員配置を行うことは困難です。なお平成19年度から
特別支援学校の教員が計画的に地域の小中学校を訪問できる様、支援体制の整備
を図っています。
また、普通学級から特別支援学級へ転級した場合でも、同じ校内の生徒なので、
特別支援教育コーディネーターの支援を受ける事ができる様にして下さい。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
通常学級であっても特別支援学級であっても、特別な支援を必要とする児童・生
徒に対して特別支援教育コーディネーターが中心となって必要な支援を行うとい
う事なので、学級による差という事はありません。

(5)特別支援教育支援員(学習支援員)の配置と研修
特別支援教育支援員の平成22年度の配置実績がどうであったか、お聞かせ下さい。
また、LD等発達障害をもつ児童・生徒への専門性のある指導を望みますが、研
修はどのように行われているかお聞かせ下さい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
東京都の公立小中学校における特別支援教育支援員の活用状況は、平成22年5月1
日時点において3,508名となっています。うち、学習支援員については1,945名で
す。特別支援教育支援員の配置は、区市町村教育委員会が実施主体となって、そ
れぞれの実情に応じて配置しています。研修は区市町村教育委員会の判断と責任
において行うものです。東京都教育委員会としては、特別支援学校のセンター的
機能により区市町村教育委員会や学校からの要請に応じ、研修講師の派遣等の支
援に努めています。

(6)スクールカウンセラー事業の充実
LD等発達障害に対応できるスクールカウンセラーの配置を望むと共に、教員と
同様に発達障害に関する研修を実施して下さい。
回答:(指導部指導企画課 代読)
東京都におけるスクールカウンセラー活用事業については、国の補助を受けて実
施しており、公立の小学校、中学校、高等学校および中等教育学校でのいじめ、
暴力行為、不登校等、児童・生徒の問題行動等に対して心理面からのケアを行う
ことを目的として実施しており、臨床心理士を配置しています。発達障害へ対応
する人材の配置ではない、という事をご理解下さい。

(7)スクールソーシャルワーカーの配置
最近の厳しい社会状況の中で、虐待、貧困、大震災の被災等の影響が発達障害児
をもつ家庭の中でも目立つようになりました。福祉と教育の間をつなぐスクール
ソーシャルワーカーの配置が必要です。配置の予定をお聞かせ下さい。
回答:(指導部指導企画課 代読)
スクールソーシャルワーカーは児童虐待をはじめ、いじめや不登校など、児童・
生徒の問題行動等へ対応するために、教育分野に関する知識に加え、社会福祉等
の専門的な知識や技術を用いて、児童・生徒が置かれた様々な環境へ働きかけを
行うとともに、関係機関とネットワークを活用し、支援を行う専門家です。現在
東京都では、国が定めたスクールソーシャルワーカー活用事業の趣旨を踏まえて、
平成23年度については小中学校を対象として29の区市町村で取組んでいるところ
です。

(8)保護者・児童・生徒への啓発
○1発達障害のある児童・生徒への間違った偏見等を無くすために、学校内での
児童・生徒・保護者への発達障害についての啓発活動を行う様、指導して下さい。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
東京都教育委員会では、人権教育プログラムを都内全公立学校の教員に配布し、
障害に対する偏見等を無くす様に指導をしています。今後も特別支援教育担当指
導主事連絡会などを通じて、各区市町村教育委員会にこの様なご要望があった事
を伝えていくつもりです。
○2一般都民対象の特別支援教育推進事業のイベントでは発達障害も取上げられ
ていますが、プログラムには発達障害の啓発等が見当たりません。次回から発達
障害についても啓発をお願いします。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
どういう事業・イベントを指しているのか確認する必要があるのですが、東京都
教育委員会では、各学校経営支援センターが今年度中心となって理解啓発行事の
実施を図っております。その行事の中で発達障害に関する理解啓発資料を掲示す
る等して、理解啓発を図っております。今後もその事業を充実させていく予定で
すので、検討を重ねていきたいと思っています。

3.高校における配慮
(1)普通高校における就労移行教育について
発達障害をもつ若者達が社会に出る前に立ち竦む事の無い様、単に職業体験をす
るだけでなく、「働いて生活すること」が大切だとわかる様な職業準備教育、キ
ャリア教育を行って下さい。
回答:(指導部高等学校教育指導課)
発達障害のある生徒に対しては、必要に応じて個別の指導計画を作成しています。
その指導計画に基づいて、キャリア教育についてもきめ細かく対応しています。
(2)特別支援学校高等部の個別支援計画と卒業後のアフターケアについて
特別支援学校での個別支援計画が、就労支援施設や就職する会社のニーズに沿い
実際に役立つ様、移行計画を作成して下さい。また、実際の職場等で機能してい
るか、追跡調査を実施し、その結果を公表して下さい。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
個別の教育支援計画については、平成17年度から導入して6年間経過したという
事で、東京都教育委員会では今年度検討委員会を立上げ、作成・活用の現状と課
題を把握整理するとともに、連携あるいは移行支援ツールとして充分に機能する
様、検証と研究を行っています。

4.特別支援教育推進計画第三次実施計画について
(1)特別支援教育推進計画第三次実施計画の現在までの進捗状況をお知らせく
ださい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
第三次実施計画に基づく特別支援教室モデル事業について、現在特別支援教室モ
デル事業の実施に関する検討委員会に於いて、モデル事業における検証課題や検
証方法に関する検討を行っています。また、12月中旬までモデル地区の募集を行
い、1月中旬に決定をします。

(2)特別支援教室における支援について
生徒一人ひとりのつまずいている部分に支援が届く様、校内でのアセスメントを
行い、個別教育指導計画を作成して指導して下さい。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
全ての公立学校において特別な支援を必要とする児童・生徒には個別指導計画を
作成し、個に応じた指導を行う事としています。
また特別支援教室には、必ず教師が一人以上常駐する体制を確立して下さい。
回答:(都立学校教育部特別支援教育課)
特別支援教室における指導体制等については、特別支援教室モデル事業を実施す
る中で検討していきます。

(3)教員支援の体制整備
LD等発達障害のある児童・生徒への対応向上に向け、教員全員が研修を受けら
れる様、研修を推進して下さい。また、生徒の特性にあわせた支援ツール、デジ
タル教科書等の利用や板書の工夫についても積極的に研修に取り入れていただけ
るようお願いします。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
LD等発達障害のある児童・生徒について全ての公立学校の教員が理解を深めて
いく事は大変に重要な事と考えています。東京都教育委員会では小中高等学校、
特別支援学校等の教員を対象に発達障害への理解と支援に関する講習会、個別の
教育支援計画講習会を開催しているところです。また毎年、発達障害等の理解推
進や、特別支援教育に関わるリーフレットを作成し、公立学校の全教員に配布し
ています。今後ともLD等発達障害のある児童・生徒について正しい理解が深ま
る様に教員の研修を充実させていきたいと考えています。

(4)巡回指導を行う通級指導学級の教員を増員して下さい。
回答:(人事部人事企画課 代読)
教職員定数を取り巻く状況が厳しい中、これ以上の増員は困難です。
要望書回答 【就労・雇用関係要望項目】
7.職業教育の充実と求職活動への支援について 
(1)職業教育の充実と求職活動への支援
特別支援学校以外の中学校、高等学校に在籍するLD等発達障害に対する職業教
育の充実と求職活動への支援をして下さい。
回答:(指導部高等学校教育指導課)
生徒一人一人の進路希望の実現に向けて入学時から計画的に適性検査、企業にお
ける就業体験、面接指導を行う等、きめ細かい指導を行っています。
回答:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
特別支援教育の担当から今後の事という事で回答させていただきます。発達障害
の生徒が職場に定着する上で、職種や職場等の適応が重要でありキャリアガイダ
ンスを充実させることが必要と考えています。このために当教育員会では今年度
から都立特別支援学校の進路指導に関するノウハウや最新の情報収集、活用等を
行う体制整備について研究を行っており、それを高校の進路指導等へ生かしてい
くべく現在検討しているところです。

【質疑応答】
Q:(にんじん村) 2(3)○1○2ですが、特別支援教室の実施のために3
つ事業を立上げたと言われたのですが、具体的に内容を教えて下さい。
A:(指導部義務教育特別支援教育指導課)
・個別の教育支援計画充実事業は、今年検討委員会を立上げました。個別の教育
支援計画のさらなる整備充実を図るという事で、就学前から卒業後までの連続し
たツールとして、学識経験者5名を加えて書式とか引継ぎの在り方の検証を行っ
ています。まだ研究段階ですが、小学部入学卒業、中学部入学卒業と節目ごとに
教育支援計画を閉じ込む様な支援ファイイルの作成・開発を現在行っているとこ
ろです。
・自閉症・情緒障害学級教育課程研究開発事業は、各区市町村における重層的な
支援体制の整備に向けて、それぞれの固定学級の計画的な配置が円滑に進む様、
教育課程の研究・開発を行っています。これからモデル校の事例等を含んだ指導
書等を作り、各区市町村に伝えていこうと考えています。
・情緒障害等通級指導学級研究開発事業は、特別支援教室の実施に向けては、通
級の機能の明確化と教育内容の方法の充実が求められると考えています。現在の
通級では発達障害の児童・生徒のソーシャルスキルの習得に向けた指導の研究開
発が行われているのですが、読み書きに障害のある児童・生徒に対する指導の内
容・方法とか、まだまだ研究の途上であると考えており、そちらの方の研究開発
を現在進めています。今後指導書を作り、各区市町村に明示していきたいと思っ
ています。

Q:(にんじん村) 各学校に設置される事になる特別支援教室と通級の役割分
担や違いはどのようになるのでしょうか?
A:(指導部義務教育特別支援教育指導課) 第三次実施計画では重層的な形で
固定級、通級、教室の役割を示していますが、指導部としては研究開発を続けて
役割分担やそれぞれに求められている物を踏まえて、これから整備していこうと
いう事です。
A:(都立学校教育部特別支援教育課)特別支援教室と通級の役割分担ですが、
特別支援教室は平成28年度以降、すべての小中学校に設置するという事で計画し
ています。在籍校における支援体制の整備という事で、それぞれの学校で特別な
支援が必要な児童・生徒に個別指導等を実施する事にしています。それに対して
通級では、通級の設置校に通って小集団での指導を受けていただく様計画してい
ます。
Q:(にんじん村) 特別支援教室は「個別」という事が基本なのですか?
A:(都立学校教育部特別支援教育課) 状況によって集団指導が可能であれば
その状況に応じて実施する事も可能と考えますが、基本的には在籍学級・学校へ
の支援を中心にして、専門性の高い教員が巡回により個別指導を行うことを計画
しています。
Q:(にんじん村) 特別支援教室は教科中心となると考えてよいのでしょうか?
A:(都立学校教育部特別支援教育課) それぞれの児童・生徒の個別指導計画
に基づいて必要な指導を、在籍学級学校と連携をとりながら行っていく様考えて
います。
A:(指導部義務教育特別支援教育指導課) 基本的にはそのような事で、第三
次実施計画で示しているのですが、先程の指導部でやっている研究であるとか、
そういったものに基づいて、どういった教室で指導していくのか等細かな点につ
いては、今後検討していきたいと思っています。
Q:(にんじん村) 検討内容や検討の過程は公表されるのですか?
A:(指導部義務教育特別支援教育指導課) 平成25年度に公表する予定です。

Q:(くじら) 小中学校の通級では、希望通りの時間数通えない現状があるの
ですが、希望した時間数通えるようお願いします。また、時間数を決めるのは区
市町村の教育委員会なのでしょうか? 都の方で決めて下ろすのでしょうか?
A:(都立学校教育部特別支援教育課) 区市町村の教育委員会が通級に関する
委員会を設け、その中で通級を行うのが適切かどうかという事も含めて検討し、
通級を行うのが適切な場合、それぞれの児童・生徒の個別指導計画に基づいて必
要な時間数や指導内容決めています。
Q:(けやき) 今の回答に関連してのお願いですが、各区市町村で差が出ない
様に、そして通級入級に関しての判定の場にはLD等の知識のある方を入れる、
またできる限り入級を希望したら入れる様にする等、都の方から区市町村に働き
かけて下さい。
Q:(くじら) 就学前の支援についてですが、体験入学ができるという事の保
護者への周知の仕方や、通常級や通級等どの学級で体験入学ができるのかについ
てお聞かせください。
A:(都立学校教育部特別支援教育課) 就学前の事は区市町村教育委員会が対
応していますが、リーフレットを活用しながら、就学前の施設等、対象となる保
護者等への周知を図っています。学校見学・体験等については各学校での対応に
なりますので、区市町村教育委員会を通じて相談して下さい。
Q:(にんじん村) 二つ質問があります。一点目は、私どもにんじん村では外
部相談を行っているのですが、今年度4件くらい、「ひらがな」についての相談
がありました。具体的には、中学年・高学年になってもあやふやで書けない、促
音跫音などがきちんと入っていない、コミュニケーションなどは普通なのに…、
という事で、よく聞いてみると、小学校1年に入った時のひらがな指導が一字一
字の指導ではなく、あっという間に終わってしまい、学習を十分にしないうちに
次の段階、もっと内容を読むとかの段階に入ってしまったとの事でした。子ども
の発達によって文字の覚えられる時期というのに差があると思うのですが、幼稚
園・保育園でひらがなを指導してしまう傾向が今あり、周りの子ができてしまう
ので先生もどんどん進めてしまうのではないかと懸念しています。ひらがなのあ
やふやの子どもには、特に診断名とかつかなくても、取出しで個別に指導すると
かしていただきたい。東京ミニマムを拝見しますとあまり書字に関して書かれて
いない様な感じがしたのですが、ひらがな指導の記述はないのでしょうか?
二点目は、通級に通っている子どもが在籍校での授業において学習指導員をつけ
て欲しいとお願いしたところ、だぶって支援はできないと断られたという事を聞
きました。今後特別支援教室ができたり、通級、学習支援という様ないくつもの
支援がある中で、だぶって受けられる様になるのかをご回答下さい。
A:(指導部義務教育特別支援教育指導課) 一点目のひらがな指導については、
東京ミニマムを改定する計画は現在ありません。ですが、ご指摘いただいた点は
次回の区市町村と行う特別支援教育担当の指導主事連絡会等で、「LD親の会か
らこの様なご要望があり、今後そういった事の無い様に教育委員会から指導をお
願いします」、と伝えることはできます。そういった対応をしていこうかと考え
ているところです。
A:(都立学校教育部特別支援教育課) 二点目の質問についてですが、特別支
援教室が実施されるようになると、巡回指導等で特別な指導が行われることにな
りますが、学習支援員など既存の区市町村教育委員会で行っている支援について
も柔軟に活用していただくように特別支援教室モデル事業を実施する中で検証し
ていきたいと思います。
Q:(にんじん村) だぶって大丈夫という事になるのでしょうか?
Q:(都立学校教育部特別支援教育課) だぶるという事は、どういうことでし
ょうか?
Q:(にんじん村) 週に一回通級を受けているから、あなたには学習支援員が
つけられないと言われたという話がありました。通級しているからと言われても、
在籍校で過ごす時間の方がずっと長いのです。今後幾筋もの支援計画がされてい
く中で、在籍校での支援はどうなるのかというのが心配です。
A:(都立学校教育部特別支援教育課) これは私どもの方で答える事ではなく
人事の方の担当になるのですが、先程説明した様に予算の中でやっている部分、
区市町村の方での支援体制にもなっていきますので、区市町村の方と相談をして
いただく形になるかと思います。
Q:(にんじん村) 特に決まりがあるわけではないのでしょうか?たとえば予
算があったり、余裕があればOKとか?
A:(都立学校教育部特別支援教育課) それは私の方ではお答えできませんが、
予算内での配置になるかと思いますが。
Q:(にんじん村) これは親としての希望とお願いなのですが、特別支援教室
を作る際に、「特別」という部分を取って、ただ「支援教室」という名前にする
ことはできないのでしょうか? 「特別」とつくと、やっぱり変な子!みたいな
感じになってしまいがちに思います。また、特別支援教育もただ、「支援教育」
ではだめなのでしょうか? なぜ、「特別」をつけるのか前から疑問に思ってい
たのですが。
A:(都立学校教育部特別支援教育課) それにつきましては、心身障害児教育
から特別支援教育への転換を図る中で、特別支援という言葉が使われるようにな
りました。特別支援教室という名称にしたのも、その様な流れからです。保護者
の方、地域の方に分かり易くという事もあります。

                                 以 上