東京都福祉保健局に対する要望書への回答説明会記録 2011/11/302012-04-01

http://tokyold.web.fc2.com/pdf/20111130a.pdf

日時: 平成23年11月30日(水) 10:00~11:00
場所: 東京都庁第一本庁舎 25階 112会議室

要望書回答 【福祉・保健関係要望項目】

1.発達障害者への東京都の制度整備等について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
いわゆる自立支援法のつなぎ法により、障害者自立支援法のサービスを、より受
けやすくする観点から、発達障害が障害者自立支援法の対象となることが明確化
されました。東京都としては、これまでも取組んできている途上ではありますが、
ライフステージを通じた切れ目のない支援を目指し、区市町村の発達障害者に対
する取組みを支援すると共に、支援機関に従事する専門的人材の育成等の取組み
を行っているところです。
法改正により、発達障害に対する認知度が増し、支援ニーズがいっそう高まるこ
とが見込まれます。このような支援ニーズに応えられる様、引続き発達障害者へ
の支援の向上につながるよう普及啓発や人材育成などに取り組んでいきたいと考
えています。

2.障害者手帳の更新期間について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
昨年も同様の要望をいただいていた記憶があり、お気持ちとして理解するところ
ではありますが、LD等発達障害者の方についての更新期間を療育手帳と同様にす
ることについては、精神保健福祉手帳上、難しいものと考えています。国への働
きかけを行うことは、現在のところ予定しておりません。

3.障害基礎年金について
回答:(障害者施策推進部 計画課)
手当てや年金制度等の所得保障については、基本的には国の役割と考えておりま
す。都は障害者の自立生活の基盤が確保できる様、年金手当制度のよりいっそう
の充実を、他の自治体と共に国に要望しております。

4.巡回支援専門員配置事業、発達障害者支援開発事業について
回答:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
東京都では、国の発達障害者支援開発事業を活用しつつ、平成19年度から21年度
にかけて、支援手法の開発を目的に、都内5区市においてモデル事業を実施しま
した。
また、この成果を踏まえ翌22年度から、障害者施策推進区市町村包括補助事業に
より、早期発見 / 早期支援のためのシステム構築の取組みに対し、区市町村へ
の補助事業を開始しました。本事業では、区市町村が、地域における専門相談を
実施するなどの取組を行う発達障害者支援拠点の設置以外に、保育所・幼稚園等
への支援として巡回指導等を行う場合にも対応している等、国で今年度から開始
した巡回支援専門員整備事業よりも、より幅広い支援内容に対して財政支援を行
う内容となっており、今後も本事業の展開を進めていく予定です。

【質疑応答】

Q:(けやき) 項目4について
都内区5市でのモデル事業について、実施場所の具体名を教えてください。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
モデル事業は、平成19年度から21年度の3ヵ年ということで実施し、世田谷区・
豊島区・足立区・多摩市・立川市の5区市です。
Q:(けやき) 項目3について
親としては、地域での格差が気になります。他の自治体との調整をされていると
いうことであれば、内容をお聞かせ下さい。
A:(障害者施策推進部 計画課)
回答説明の中では、格差についての調整をしていると申し上げたのではなく、他
の自治体と共に年金、手当制度の充実について国に要望していると回答しました。
年金事務は、国が行っており、東京都が他の自治体と調整しているという事はあ
りません。
Q:(けやき)
情報として他県の様子など把握することはありますか。
A:(障害者施策推進部 計画課)
年金事務に関しては、東京都として行っていませんので、情報収集等もしており
ません。
Q:(にんじん村)
年金支給決定の判断はどこでしているのでしょうか。
A:(障害者施策推進部 計画課)
事務については年金事務所です。判定等の具体的な事務は日本年金機構にお問合
わせ下さい。
A:(総務部 企画計理課)
実際の受付窓口が、区市町村に一部と年金事務所にあります。都道府県では年金
事務についてはタッチしていません。手帳関係は都道府県で判定を行っています
が、年金については国の方でほとんどの事務を吸上げ、年金事務所で一括して行
っています。
Q:(にんじん村)
国での判定作業であれば、居住の地域格差がでないという事でいいのでしょうか。
A:(総務部 企画経理課)
想像ではありますが、同じ事例でも差がでたという場合があったのかも知れませ
ん。しかし国が一律に事務を行うという事は、どこに住んでも同じ様に事務処理
がなされるというためのものですから、本来なら差がないはずです。真相は分か
りませんが、たまたま事務所ごとに判断が異なったということかも知れませんが、
基準は、同じ基準で行っているはずだと思います。
Q:(にんじん村) 項目1について
この法律の中に発達障害を明記してもらえたことを、非常に歓迎しています。さ
らに障害者基本法の改正も行われ、そちらにも発達障害が入ったことで、すぐに
でも取り上げていただきたい項目ですが、支援者の育成ということが、都の方で
具体的にどのようなことが行われているのかが、先程のご回答では今一つ見えて
こないと感じましたので、再度お願いいたします。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
支援者育成についての取組みになりますが、都では、特に平成17年度に発達障害
者支援法が施行されて以後、発達障害という領域に対する取組みを進めてまいり
ました。
これまでの取組みでは、従前より東京都発達障害者支援センターの運営の一環で、
支援者育成講座を、(年度によっては実施回数に若干違いはありますが、)年4
~5回、幅広く幼稚園・保育園・教諭から医療従事者・教育関係の方々に、その
都度テーマを決めて実施してきたということが一つあります。
最近の取組みとしては、昨年度(平成22年度)から専門人材育成のための研修事
業を別途立ち上げ、発達障害者相談支援研修と医療従事者向け講習会を実施して
いるところです。22年度には、それぞれ8日間ずつ研修を実施しました。相談支
援研修と医療従事者向けとして、それぞれ行っていますが、その職種に限らず、
地域でお子さんに関わる保育園・幼稚園・小学校等の先生方等、様々な方に幅広
く参加いただいています。今年度も継続して行っており、やはり同じ位の回数の
実施を予定しています。
昨年度は、のべ900名以上の方に受講していただきました。
発達障害に対する認識は、社会的にまだまだというところもある一方、広がりつ
つある様にも感じています。研修内容は、「発達障害とは」といった障害への理
解を深める話から、法制度的な話、制度上のサービス・現行支援上の話等、更に
それぞれのライフステージごとに、子どもの時の支援の話、成人期になってから
の就労支援と現状・課題等の話、現に就労支援等に携わっている施設の方による
現場での生の「障害とは」から課題等の話等、多岐多様にわたっています。
Q:(にんじん村)
支援拡充についていろいろ研修されているという回答でしたが、親の会でも親の
支援に関して注目しているところです。国では、厚生労働省でペアレントメンタ
ーという施策を進めると言っていますが、家族支援という事で親や家族の研修と
いうものも必要かと思っています。こういった計画はありますか。また、親を取
込んだ相談、親が相談者となったりピアカウンセリングを行うような施策の計画
はありますか。
A:(障害者施策推進部 精神保健・医療課)
広く発達障害者支援という事では、お子さんにとっては親御さんですが、一番身
近に接する、また支援に関わる方々を含めての支援それ自体が重要です。身近な
ご両親が疲れ果てて、二次的に困難を深めるということは色々な場面で耳にして
おり、憂慮しています。親を取り込んだ支援という事では、当事者同士の支援と
いうところでピアカウンセリングがあり、それが重要であると認識してきていま
す。実際に都の施策としての具体的な計画は、現時点でそれ自体に特化してのも
のはありません。しかし普及啓発の中で、その取組みも含めて重要であるという
事を支援従事者の方々へ働きかけていきたいと思います。
都としては包括補助事業として、各区市町村に対する補助事業を実施しており、
各区市町村における発達障害者支援の取組みに対して補助を行っています。先駆
的に新たな支援の取組み方があるのではないかといった区市町村独自の取組みに
対しても、できるかぎり柔軟に、都としては補助していくというスタンスで対応
しています。
Q:(にんじん村)
要望書項目の一番について、提出させていただいた理由として、発達障害者支援
法が施行されてから数年以上も経っておりますが、具体的な支援が始まらないこ
とが難しいところで、例えば早期発見で発見されても、その後の療育等に繋がら
ない事などがあります。最近親の会会員で外出支援を受けた方がありますが、そ
の方が初めての例です。本当に具体的な支援に繋がる様に、これから研修するだ
けでなく、研修が具体的な支援に繋がるようにしていただきたいと希望していま
す。今後法的にも福祉的な部分が変わっていくのだと思いますが、発達障害者は
どんな支援が受けられるのかが不明瞭(ぼんやりして)で良く見えないという事
があります。そこを明確に文章化したものがほしいと思っているところです。
質問ではありませんが、希望としての意見を申し述べさせていただきました。
実施されている研修の内容(プログラム)の一覧がありましたら、後でコピーさ
せて下さい。
どうもありがとうございました。

                                 以 上

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