閣議決定に沿った障害者基本法の抜本的改正を求める 日弁連会長声明2011-02-18

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110218.html

  閣議決定に沿った障害者基本法の抜本的改正を求める
  日本弁護士連合会 会長声明

 政府は、障がいのある人の権利条約の批准とこれに対応する国内法整備に向け、
2010年6月29日、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」
を閣議決定し、これを受けて内閣府の障がい者制度改革推進会議は、障害者基本
法の抜本改正のための「障害者制度改革推進のための第二次意見」(以下「第二
次意見」という。)を同年12月17日に取りまとめた。当連合会は、こうした
障害者基本法の抜本的改正の方向を基本的に評価し、同日付けで「障がいのある
人の権利と施策に関する基本法改正要綱案の提言」を公表している。

 ところが、本年2月14日に、内閣府から障がい者制度改革推進会議に提出さ
れた「障害者基本法の改正について(案)」は、障がいのある人の権利条約はも
とより、上記閣議決定及び第二次意見に沿って忠実に立法化を図ったものとは認
められず、到底権利条約が提示する人権の国際水準に到達したものとは言えない。

 とりわけ、以下の4点については、障害者基本法の改正内容として明記するこ
とが必要不可欠である。

1 障がいのある人を福祉施策の対象(客体)として位置付けるのではなく、権
利の主体であることを明確にし、障がいのある人が必要な支援を受けた自己決定
に基づく社会参加の権利と自ら選択する地域社会で生活する権利を有することを
確認すること。

2 障がいのある子とない子が同じ場で共に学ぶ教育を原則とし、本人ないし保
護者による統合教育と分離教育の自由な選択を保障すること。

3 精神障がいのある人の不必要な長期入院を解消し、地域生活への移行を推進
するとともに、医療における適正手続を制度化すること。

4 施策の推進を徹底させるため、内閣府に設置される障がい者政策委員会及び
都道府県等に設置される審議会等の機関に加え、市町村にも同様の機関の設置を
義務付けるとともに、これらの機関はその過半数を障がい者団体の代表やその関
係者が構成すべきとすること。

 当連合会は、障害者基本法の改正にあたり、以上の諸点を含め、上記閣議決定
及び第二次意見を踏まえ、かつ当連合会の提言の趣旨に沿った抜本的な改正を強
く求めるものである。

                       2011年(平成23年)2月18日

                           日本弁護士連合会
                           会長 宇都宮 健児

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