差別禁止法各則に関する日本障害フォーラム意見書障害者差別禁止法案2012-09-14

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/promotion/sk2/2_s9.html

第2回 障害者政策委員会 差別禁止部会
平成24年8月17日(金)13:00~17:00
中央合同庁舎第4号館共用220会議室

差別禁止法各則に関するJDF意見書
 各則に関しまして、以下の考え方をJDFとして意見書の形でまとめて提出致
します。
【労働・雇用】
○対象範囲
事業所規模に関わらずすべての使用者を対象とする。
採用から退職までにおけるすべての労働条件
○差別と正当化事由
使用者は労働者の募集、採用、昇進、福利厚生、教育・訓練、解雇、及びあらゆ
る労働条件における障害に基づく差別をしてはならない。
障害に基づく差別であるとして裁判上又は裁判外の救済手続を申し立てたこと及
びこれに協力したことに基づいて、事業者が行う解雇その他の不利益な取り扱い
については、これを行ってはならない。
労働組合は、労働者の加入を、障害を理由として拒否してはならない。
合理的配慮が提供された上で行われる労働能力の評価については差別に当たらな

○合理的配慮の例示
 個々の障害者である労働者の個別ニーズに応じた環境の整備
建物・用具等の物的環境(休息スペースの確保等を含む)
人的支援(介助者、ジョブコーチなどを含む)
意思疎通手段
労働条件の調整(医療やリハビリのための時間調整などを含む)
【政治参加】
 政策決定過程のあらゆる段階に、障害者の参加の権利を妨げられることがない
という基本的視点に立つ
○対象範囲
すべての障害者が他の市民と同等に情報を入手したり提供したりする権利を享受
し、かつ選挙権及び被選挙権の剥奪もしくは制限を受けたりすることがないよう
に、公職の選挙権及び被選挙権(公職選挙法)を対象とする。
同じく上記の理由に基づいて、最高裁判所裁判官の国民審査、一の地方公共団体
のみに適用される特別法の制定のための投票、日本国憲法改正の国民の承認に係
る投票、地方公共団体の住民による各種の直接請求に基づく投票等も対象とする。
同じく上記の理由に基づいて、国会及び地方公共団体の議会への請願等も対象と
する。
同じく上記の理由に基づいて、国会及び地方公共団体の議会の傍聴等も対象とす
る。
その規模に関わらず、政治活動を行っているすべての政党。特に公職選挙法等で
認められている「政党」を対象とする。
障害者政策に関する提言を行う国や地方公共団体の委員会や機関など。
国会や地方公共団体の議会そのものも対象とする(言語障害をもつ議員の発言権
や議決への参加の仕方について、あるいは議場の構造の問題など)。
政治的意思表明を行う一定規模の集会やデモの主催者
上記に関わる情報の提供(入手)
○差別と正当化事由
国及び地方公共団体、政党等は、政治参加に関して、障害に基づく差別をしては
ならない。
○合理的配慮の例示
 個々の障害者である者の個別ニーズに応じた環境の整備
建物・用具等の物的環境(投票所、議場等へのアクセス、など)
人的支援(投票所、議場等における支援、など)
意思疎通手段(投票手段、選挙公報、政見放送および投票に関する情報等の提供、
議会審議の手段、など)
【医療】
○対象範囲
事業規模に関わらずすべての医療機関を対象とする
医療機関が提供するすべての医療行為及び医療に関連する行為
○差別と正当化事由
障害を理由とした診療拒否、治療の放棄、その他一般的医療水準に満たない医療
を提供してはならない
一般に提供されるインフォームド・コンセントを行わないで、本人の望まない治
療行為を行ってはならない
○合理的配慮義務の例示
障害者が自らの意思と選択に基づいた医療を受けられるような適切な情報提供
障害に関わる検査・治療や、妊娠及び出産に関する検査・治療の内容と対応の方
法について、障害を持ちながら十分な日常生活や社会生活を送ることができるよ
うな支援策等について情報を提供し、連携を図ること
(解説)
 医療の場面では、機能障害・構造障害を予防し、治療し、障害者でない人に近
づけることのみに主眼におかれがちです。機能障害・構造障害があること自体が
良くないこと、克服すべきことではありません。
 機能障害・構造障害は、ある部分までしか改善できなくとも、社会の中でより
生活しやすい支援のひとつが医療やリハビリテーションです。障害者の生活が医
療やリハビリテーション中心というのは、一時的なものであり、長期に必要であ
るとしても、同世代の障害者でない人の生活とかけ離れた生活を強いられてはな
りません。
 精神医療の現場は、特に人としての尊厳を傷つける行為が多く行なわれてきま
した。地域で暮らしていくための支援との連携が必要です。
 また、障害者が二次障害や、他の病気をもつことが増えています。もともとの
障害に理解がなく適切な医療を受けられないことも多くあります。
 さらに、脳死移植、尊厳死、出生前検査、遺伝子検査等々医療に関連した問題
も多く出てきています。障害に基づく差別につながらないことを考えていく必要
があります。
【情報】
〇対象範囲
公的機関及び公共性をもつ団体や事業所
〇差別と正当化事由
本人の必要とする方法での情報の提供や発信を拒否すること
情報の提供や発信に当たり、不当な条件を課すこと
※(例)手話通訳者の立ち位置を制限するなど(裁判所など)
情報の提供や発信に要する費用を、それを必要とする障害者にのみ請求すること。
〇合理的配慮の例示
印刷物は点字印刷や拡大文字、音訳での利用を可能とすること
音声によるものは要約筆記を含む文字への変換や手話、触手話、指点字等への翻
訳を行うこと
映像や画像によるものは文字や音声等での認識を可能とすること
文章によるものは平易な用語や文体、記号や絵等を用いた版を作成することなど
【司法手続き】
1.対象範囲
 裁判所における司法手続(民事、刑事)及び検察庁並びに警察署における刑事
司法手続、刑事施設等(刑事施設、少年院又は少年鑑別所)における処遇又はこ
れらに関連する行為(以下「司法手続等」という)に関与する者
2.差別と正当化事由
(1) 司法手続き等に関与する者は司法手続等において障害を理由として差別をし
てはならない
(2) 合理的配慮義務に違反すること。
3.合理的配慮の例示
(1) 障害者が司法手続等の内容を理解することを容易にするための適切な情報伝
達方法の使用
(2) 適切な情報伝達方法を使用しても、障害者が司法手続等の意味又は内容を十
分に理解することができない場合における適切な補助者の付与
(3) 司法手続等の提供に関する運用、方針、手続における不利益除去対策
(4) 障害者に対する、その障害の種類・程度に応じた処遇
(5) その他、障害者の適正な司法手続及び処遇を受ける権利を実質的に保障する
ために必要な合理的配慮を行うこと。
4.準用
2および3は、裁判外紛争解決機関、検察審査会、保護観察所の行う保護観察に、
その性質に反しない限り準用するものとする。

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