障がい者制度改革推進会議(第2回)議事録(抜粋) 2010/02/022010-02-02

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_2/gijiroku.html

○藤井議長代理 ここも非常に多くの点で共通点があります。それはもうおわか
りのように、権利条約というベースがあったからです。
 議論としましては、もし、この共通点以外で、特に今日のこのコーナーでは、
12名の意見が出ております。
 それ以外でもしあればというのと、是非意識すべきは、このメンバーには団体
で入っていませんけれども、発達障害あるいは難病による障害、そして、高次脳
機能障害、ユニークフェイス、こういった谷間と言われている障害の方たちもた
くさんいるということも意識をしながら議論していきましょう。
 いかがでしょうか。
 佐藤構成員、どうぞ。

○佐藤委員 先ほどから基本法が個別法に対してもっと力を持つべきだと、拘束
力を強めるべきだという議論が出されておりますので、それをこの定義のところ
に当てはめて考えると、私は6ページのところに改正案を提案しているわけです
けれども、これに付け加えて次のような表現をこの定義条項の中に入れることが
望まれるのかなというふうに思っております。
 それは「障害者とは」ということで、これこれという定義をした後に、障害者
のための各分野の法律の制定に当たっては、その法律による支援を必要とする障
害者が、漏れなく含まれるよう定義することとするというような表現を入れる必
要があるのかなと思っております。
 以上です。

○藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。
 門川構成員。

○門川委員 門川です。具体的に発達障害とか、高次脳機能障害とか、難病など
のお話がありましたけれども、我々盲ろう者からも、今回添付資料として出させ
ていただいておりますが、厚労省に対して出した要望書があります。この要望書
の中に、盲ろうという障害を独自の障害として法的に盛り込んでほしいというよ
うなことが書いてあります。
 盲ろうというのも、障害の定義の中に入れてはどうかという考えなんですが、
盲ろうというのは、国の調査によっても、人口としては非常に少ないですが、実
際に盲ろう者もこの世の中にいるわけですから、盲ろう者も障害の一種として定
義に入れるべきかどうかという議論が出てくるかなと思うんですが。以上です。

○藤井議長代理 大変大事な議論なんですが、門川さんに確認しますが、今度の
定義の中に盲ろう者あるいは盲ろうという固有名詞を入れた方がいいという意見
ですか。

○門川委員 門川です。はい。

○藤井議長代理 そういう御意見だそうですが、全体を通していかがでしょうか。
今の御意見に絡んでもいいし、別の見解でも結構です。
 尾上さん、どうぞ。

○尾上委員 尾上です。5ページに書いていることにちょっと補足をいたします
と、障害者基本法が1993年に成立し、その後、2004年に改正されたわけですが、
やはりその中でも附帯決議等で、やはり制度の谷間の問題の解決がいわれていた
のにいまだに残されています。そういう意味では、発達障害や高次脳機能障害、
難病等を含めまして、その谷間をなくすというのは、やはり今回の基本法の抜本
改正と言われるものの中の1丁1番地の課題だろうと思うんです。
この問題については待ったなしであるということを強調したいというのがまず1
点でございます。
 その上でなんですが、やはりこの間の障害者基本法の成立と改正、さらに、そ
の前進である旧心身障害者対策基本法から含めていいますと、制限列挙的にいろ
いろ挙げるというよりは、いかに包括的な規定をしていくのかという方向が基本
的な方向かなと考えます。それが1つです。
 その上で、佐藤委員の方から出されているものと、私の方から出させていただ
いたものというのは、ほぼ相互作用や、あるいは社会モデルということで共通し
ているんですが、あえてちょっと申し上げますと、佐藤委員の方の身体障害、知
的障害または精神障害で括弧の中に発達障害や高次脳機能及び慢性疾患に伴う症
状を含むということで括弧で入っているので、これで漏れなくということにはな
るんですが、ともすれば、日本の今までの法律体系の中で身体障害というのは何
々法にいう身体障害であるみたいな形の、やはりそういう規定が先に走ってしま
うので、より包括的なものだということで、私どもの提案としては身体的障害、
知的障害、精神的、知的精神、それぞれ的が入っているという形にしています。
身体的障害というふうにすれば、よりそういう意味での包括性ということが示さ
れるのではないかということが1点です。
 もう一点が、この基本法の性格の中に、権利規定、そのための行政の責務とい
うことに加えて、差別禁止ということも入れるとするならば、やはりその中にみ
なしや過去の履歴ということも含まれるべきではないかということを申し上げた
いと思います。

○藤井議長代理 大変大事な論点が、今、出ましたけれども、ほかにいかがでし
ょうか。
 竹下さん。

○竹下委員 今の尾上さんの意見にあえて付け加えれば、若干それは混乱した議
論を持ち込まれていると思います。
 といいますのは、障害の定義の中に、目的との関連づけで障害の定義をすると
なったときに、そこは整理する必要があるという結論です。
 といいますのは、アメリカのADAという法律の下で、三菱重工の出先企業だ
ったと思うんですが、アメリカの女性が片腕の手首かひじ関節か忘れましたが、
障害が若干ある方の配置を巡るADAの訴訟において、当該女性はADAの対象
外であるという裁判例があります。
 それは、何を意味するかというと、目的によって規定される障害というのと、
それから、広く障害者とは何かということを議論するときとは、おのずとずれが
出るということだろうと思います。
 したがって、障害者基本法で障害の定義を考えようとするならば、何を目的と
するかということを決めることが前提ということになるのであれば、禁止法との
関係をどこで整理するかということになるし、そうではなくて先ほど理念とか、
そういう話がありました。あるいは権利法典という話がありましたが、その点に
主眼があるならば、目的からくる部分に限定されることのない定義という整理が
必要になるんだろうと理解しています。
 以上です。

○藤井議長代理 竹下構成員は、参考までにどっちの方だと思っているんですか。

○竹下委員 私は基本法で言うときには、やはり権利法や理念法でいくべきだか
ら、目的から限定をしない方がいいと思っています。

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○佐藤委員 当事者団体の参加、参画ということに関して補足をしたいと思いま
すけれども、障害者基本法の25条の2004年の改正だったと思いますけれども、多
様な種類の障害者の意見が反映されるよう、中央障害者施策推進協議会の構成を
考えなければいけないという規定ができて、中障協の30名のうち15名くらいは障
害当事者、家族が委員になるというふうになって、この推進会議でも24名中14名
が障害当事者という、そういう時代に中央レベルではなってきたと思います。
 ただ、難病と発達障害と高次脳機能障害の委員が、この推進会議の中にいない
のはなぜなのかというのは、ちょっと疑問な点でもありますけれども、しかし、
いずれにしろ、そういう時代になってきたと。しかし、地方はどうだろうかとい
うと、身体障害のある人たちが参加するということは当たり前になってきたけれ
ども、まだまだ知的障害、精神障害は市町村のいろんな計画の策定委員会の中に、
ほとんど入っていないというのは現状だと思います。
 内閣府がよく調査をしてくれているので、内閣府の障害者施策のホームページ
を見るとわかるんですけれども、約1,800ある市町村の中で、策定委員会、障害
福祉計画だとか、市町村の障害者計画などの策定に際して、策定委員会を設けて
いるところが約700くらいで、大体平均すると、1つの委員会の中で、2人の障
害者が参加していると。
 1人は、恐らく、肢体不自由で、もう一人は、視覚障害か聴覚障害という感じ
で、700の中で50人の知的障害者、約50の精神障害者が参加しているというのが
現状です。
 ということで、これをもっと本格的に多様な障害者が市町村レベルで参加でき
るようにするということを法律で促す努力義務あるいは強制的な義務をかけると
いうようなことをすることによって、住民の理解なんかも広がっていくというこ
とにつながっていくのではないかという感じがします。
 もう一点は、ヨーロッパなんかでは一般的なことなんですけれども、国にして
も地方にしても障害者団体の活動に税金が投入されているんです。障害者団体が
活発にその調査をして、政策提言をすることは、いい政策、いい計画をつくる上
で非常に重要だということが社会的に認識されていて、そのためにお金を出して
います。国際比較をしたり、調査研究をしたりするようなこともできる力がほし
い。足腰を強くした障害者団体を育成することが大事だと、そういうことでやっ
ています。勿論、どの団体に幾らお金を出すのかというようなことで、非常に難
しい問題もあるようですけれども、そういうことを本格的に日本で実現できるよ
うにしてほしいと思います。
 障害者団体が生き生きと活発に活動するということによって、みんなが暮らし
やすい社会になるんだと、そのために税金を投入することは必要なことなんだと
いう理解を、そういう市民教育的な効果もあるんだろうと思います。
 それだけに、障害者団体も気を引き締めて、信頼を勝ち取るようにしなければ
いけないということでもあるわけですけれども、そういうことをそろそろ日本で
も考えていいのではないかと、国連のいろんな決議、宣言などでも、そういうこ
とは、ずっと前から指摘していることなので、日本政府も賛成して決めたもので
あるので、是非、実現をそろそろしてもいいのではないかと思います。

○藤井議長代理 今の件は、基本的な施策ではなくて、基本的人権の確認の中で
触れるべきという御意見ですか。

○佐藤委員 基本的な人権というのは、すべての人に保障される権利なので、団
体が国・自治体の計画、決定に参加するというのが基本的人権なのかどうなのか、
法律的によくわからないんですけれども、いずれにしろ、障害者の政策、法律、
計画をつくっていく上で、非常に重要な当事者参加の保障の理念と制度、財政も
含めたその仕組みをどうするか。
 いい制度は一時的にはできると思うんですけれども、財政が苦しくなったから
我慢してもらおうということで、後退したりなんかすることがあると思うんです。
しかし、紙に書いたものは変わってしまう可能性があるけれども、障害者団体が
地域に根を張って、非常に力を持っていれば、一時的に困難があっても、それを
変えていくことができるので、紙に書いた法律よりももっと確かな障害者施策の
改善の保障なのではないかと思いますので、是非、検討をいただければと思いま
す。

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○堂本委員 藤井さんが、とても大事なことをいわれたと思うんです。「地域で
どれだけ福祉サービスを具体的に受けられるかが問題」と。障害当事者は地域の
ことを問題にするが、普通は余り地域のことを言わない、とおっしゃいました。
まさにそうなんです。
 なぜ地域が問題になるかというと、それぞれの制度が分断されていて、高齢者
と障害者とか、あるいは精神障害と身体障害、発達障害や高次機能障害など、い
ろいろありますけれども、そういった障害種別や年齢によって法律が分断されて
いるのです。そのために都道府県よりもむしろ市町村だと思いますが、地域で実
際に施策を総合的、あるいは横断的に実施しようとしても、縦割りが「壁」にな
って実施できない。「壁」との闘いと言っても過言ではない。ですから、そこの
ところをつき破っていかない限り、今、言われた、なぜ障害者の場合は地域が問
題なのか。地域でやろうとしても、法律上できない、それでは地域で勝手にやれ
ばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、補助金の制度も全部縦割りにな
っている以上、財政的な措置ができないわけです。障害者施策は様々な行政分野
にわたりますが、これまで省庁や制度の縦割りが「壁」となり、地域で真に当事
者のニーズに応える施策が実現できないことも多かった。省庁や制度の都合に、
当事者の方が合わせることを強いられてきた。
 それが、今度は、総合福祉法になれば、そういう「壁」がなくなるかもしれま
せん。本会議が内閣府に設置され、私たちの提言を受け止める「障がい者制度改
革推進本部」が全閣僚で構成されていることの意味は大きいと思います。一人ひ
とりの障害者に対して、生涯にわたって一元的なサービスが受けられるシステム
をつくるべきです。
 ですから、構造的な問題を全体としてきちんと整えていくことがとても大事だ
と思います。ありがとうございました。

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