知的障害発達障害精神障害のある方に有効な施設整備に関する意見募集2009-05-01

http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000004.html

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 平成18年に施行されたバリアフリー新法では、身体障害者のみならず、知的障
害者、発達障害者、精神障害者を含む、すべての障害者が対象となることが明確
化されましたが、これまでの公共交通機関、建築物、道路、公園などの施設の整
備基準等は、車いす対応としての段差解消や、視覚障害者誘導用ブロックなど、
身体障害者に対応するものが中心でした。
 しかし、このような身体障害者への対応を中心に規定された整備基準等の中に
も、知的障害、発達障害、精神障害のある人にとっても有効なものが含まれてい
ると考えられます。
 「知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集
(案)」では、まず、これらの既存の整備基準等について、知的障害、発達障害、
精神障害のある人にとっても有効なものを抽出し、安全性、利便性、快適性の向
上の面でどのように有効なのかというポイント(新たな意味づけ)を整理してい
ます。
 また、併せて、知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって有効と考えら
れる具体例(グッドプラクティス)を紹介しています。
 今後、関係事業者に幅広く周知していく予定ですが周知に先立ち、さらなる改
善のため、下記のとおり幅広く国民の皆様のご意見を募集することといたします。

意見提出方法
住所、氏名、職業(会社名又は所属団体名)及び電話番号を明記の上、次のいず
れかの方法でご意見を送付してください。

(1)電子メールの場合
 電子メールアドレス barihuri@mlit.go.jp

(2)郵送又はFAXの場合
 〒100-8918
 東京都千代田区霞が関2-1-3
 国土交通省総合政策局安心生活政策課 知的・精神・発達障害対策担当あて
 FAX03-5253-1552

募集期限 平成21年5月1日

注意事項
*ご意見を正確に把握する必要があるため、できる限りメール、郵便、FAXで
 お願いします。
*いただいたご意見の内容につきましては、個人が特定される情報を除き、公開
 される可能性があることをご承知おきください。

お問い合わせ先
国土交通省総合政策局安心生活政策課
TEL:03-5253-8111(内線25-506) 直通 03-5253-8305
FAX:03-5253-1571

知的障害、発達障害、精神障害のある方に対応したバリアフリー化施策2009-05-01

http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000005.html

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 平成18年12月に施行されたバリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円
滑化の促進に関する法律)では、高齢者と身体障害者に加え、新たに、知的障害、
発達障害、精神障害のある方も含む、すべての障害者が対象となることが明確化
されました。
 これを受け、国土交通省では、知的障害、発達障害、精神障害のある方が安心
して移動や施設利用ができる方策を当事者団体、学識者、関係事業者等からなる
委員会で検討し、公共交通機関、商業施設、公共施設等の職員向けの「応対ハン
ドブック」と「施設整備のポイント集」を作成しました。

○応対ハンドブック
「知的障害、発達障害、精神障害のある方とのコミュニケーションハンドブック」
 http://www.mlit.go.jp/common/000037271.pdf

○施設整備のポイント集
「知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集(案)」
 http://www.mlit.go.jp/common/000037293.pdf
◇知的障害、発達障害、精神障害、のある方に有効な施設整備のポイントや優良
 事例をまとめたものです。
 今後、関係事業者に幅広く周知していく予定です。周知に先立ち、さらなる改
 善のため、幅広くご意見を募集します。
  →意見提出はコチラ
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000004.html

○参考
 平成19年度報告書
 http://www.mlit.go.jp/common/000036116.pdf
 平成20年度調査研究検討委員会 委員名簿
 http://www.mlit.go.jp/common/000035887.pdf
○関係団体等リンク
 ◇世界自閉症啓発デー http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/
 ◇障害者団体
  ・社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会
    http://www.ikuseikai-japan.jp/
  ・社団法人 日本自閉症協会
    http://www.autism.or.jp/
  ・特定非営利活動法人 全国精神障害者団体連合会
    http://www18.ocn.ne.jp/~zenseirn/
  ・JDDネット(日本発達障害者ネットワーク)
    http://jddnet.jp/
  ・特定非営利活動法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議
    http://www.dpi-japan.org/index.html
  ・全国自立生活センター協議会
    http://www.j-il.jp/index.html
 ◇障害者関連情報
  ・発達障害情報センター
    http://jddnet.jp/
  ・発達障害教育情報センター
    http://icedd.nise.go.jp/blog/index.html
  ・障害者情報ネットワーク
    http://www.normanet.ne.jp/index.html
  ・独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所
    http://www.nise.go.jp/
 ◇行政
  ・内閣府バリアフリー・ユニバーサルデザイン
    http://www8.cao.go.jp/souki/barrier-free/bf-index.html
  ・厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/index.html
  ・文部科学省 http://www.mext.go.jp/

平成20年度 DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業報告書2009-05-03

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/daisy/seminar20090211/index.html

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 平成20年度DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業報告書
 「DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業」成果報告会
  ~DAISY教科書提供体制の確立を目指して~

日 時 : 2009年2月11日(水・祝)13時から17時まで
会 場 : 戸山サンライズ 大研修室
主 催 : 財団法人日本障害者リハビリテーション協会
助 成 : 独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」

目次はじめに
開催趣旨
プログラム
講師プロフィール/講演要旨
報告会講演内容

開会挨拶

片石修三(財団法人日本障害者リハビリテーション協会 常務理事)
セッション1「ディスレクシア当事者のニーズと求められる支援」

神山忠(岐阜県立関特別支援学校 教諭)
藤堂栄子(NPO法人EDGE 会長)
品川裕香(ジャーナリスト)
ワークショップ報告及びビデオ上映
「はじめてのDAISY -自分たちのDAISY をつくってみよう-

川本雅子(武蔵野美術大学非常勤講師)
ワークショップ活動実録/記録
セッション2「マルチメディアDAISY 教科書の製作・提供」

中村芬(NPO デジタル編集協議会ひなぎく 理事長)
濱田滋子(NPO 法人奈良DAISY の会 代表)/資料
野村美佐子(財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長)
パネルディスカッション「DAISY 教科書提供体制の確立を目指して」

モデレータ: 河村宏(DAISY コンソーシアム 会長)
井上芳郎(NPO 法人全国LD 親の会)
山内薫(墨田区立あずま図書館)
寺島彰(浦和大学総合福祉学部 学部長・教授)
山中香奈(兵庫県LD 親の会たつの子 副代表)
まとめ
閉会挨拶
野村美佐子(財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長)

【資料編】
DAISYとは
平成20年度DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業概要
平成20年度DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業委員会名簿
マルチメディアDAISY教材の作成
マルチメディアDAISY教科書提供内訳
情報収集・啓発活動
スウェーデンの事例:リーディングエー市の学校でマルチメディアDAISY図書を試用
過去に開催したDAISYおよびディスレクシアに関するセミナー/報告書
「ディスレクシアの子どもたちへの読みの支援-DAISYを使ってみよう」
関連法律/報告書(抜粋)へのリンク

友だちが・・・欲しい~アスペルガー少年の闘い~ 2009年5月5日放送2009-05-05

http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/

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 友だちが・・・欲しい~アスペルガー少年の闘い~ 2009年5月4日放送~
                2009年 5月 5日(火曜日) 02:40-03:10

 彼にとって学校は戦場だった。他人との関わりが持てず友だちができない。勉
強してもテストまで記憶が持続しない。
 地元の学校に限界を感じた健太君は、福井県にある山間の私立小学校に転校す
る。親元を離れ、寮生活をしながら自立しようと踏ん張る健太君だが・・・
 アスペルガー障害の子どもの姿を通して、わかりづらい障害特有の辛さや苦悩、
整備されていない公教育の現実を訴える。

制作:朝日放送

衆議院文部科学委員会議事録 (著作権法改正法律案) 2009/05/082009-05-08

http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-11c0.html
転載について
http://fr-toen.cocolog-nifty.com/about.html

--------------- ※公式の議事録ではありません。

○高井美穂委員(民主党・無所属クラブ・四国ブロック)おはようございます。
民主党の高井美穂です。今日は著作権法の一部を改正する法律案ということで、
お時間を頂きましてありがとうございました。ええと、インターネットという手
段ができて、著作権が一部の業界人だけが注目していたものが、国民全てがこれ
に関わるようになったという時代になりまして、まさに誰にどのような著作権を
付与するかということは、国民の合意によって決めて行くものだと私は考えてお
ります、つまり国民の合意によって決めるということは、この国会で議論して決
めると、つまり、著作権法というのは、権利者と利用者のそのどちらもが利害や
思想が異なる、どちらの立場を認めて行くかということを国民全てが、国民がか
かわる中で、ルールを作るということだと思っておりまして、どちらの立場に立
つのが正しいとか、善とか悪とか言う問題ではないと思っております。そうした
中で、どういう著作権を付与するのかしないのかを決めて行くのは、産業政策や、
人々がどうしたらより利用し易いのか幸福になれるのかという観点から、法律を
作る訳だと思いますが、これからさらなる技術の発展や新たなビジネスモデルに
対応できるように、不断の改善の努力が必要だという風に考えております。今回
の法律改正においては一定の前進だという認識を持っておりまして、とりわけ今
日質問させて頂きます、障害者の著作物利用の円滑化という点においては大変な
前進だと思いまして、この点から質問を申し上げたいという風に思っております。
今回の法改正の中で、国連の障害者の権利条約の第30条3にうたわれている、
締約国は、国際法に従い、知的財産権を保護する法律が、障害者が文化的な作品
を享受する機会を妨げる不当な又は差別的な障壁とならないことを確保するため
のすべての適当な措置をとるという風な精神に則りまして、またこの文化審議会
の著作権の分科会の中でも議論がありました、この障害等によって著作物の利用
が困難な者を、可能な限り、権利制限の対象に含めるとともに、複製主体、方式
も拡大する方向で速やかに措置を講じることが適当という風な、検討結果に沿っ
て今回の法改正がなされようとしている訳で、障害者のために権利者に無許諾で
行える範囲を拡大するということは、大変この先ほど申し上げたこの権利条約の
主旨にも則ったものとして評価を致しますが、具体的に、この障害者の皆さんや
障害児の通う学校や図書館等、また、大きな障害を持つ方々の支えとなっておら
れるボランティアの方々や様々な活動団体にとってどのようなメリットがあると
お考えになっておられるか、大臣からまずご答弁をお願いしたいと思います。

○塩谷立文部科学大臣 著作権につきましては、今高井委員がおっしゃったよう
に、インターネット等の情報通信が発達する中で、国民全般に関わることとして
これから状況に応じてしっかりと対応して行かなかければならないということで
ございまして、今回特に、障害者についての37条3項の改正の意味ということ
でございますが、これについては、健常者と障害者の情報格差の拡大、さらには
障害者の著作権の利用法の多様化、障害者の権利の条約を巡る状況を踏まえてで
すね、障害者のために権利者の許諾を得ずに著作物を利用できる範囲の抜本的な
見直しということで、障害者の情報格差を解消しようとするものでございます。
特に具体的にですね。一つは、弱視者、発達障害者なども含めて、視覚による表
現の認識に障害のある者が対象となること、二つ目には、録音図書に限らず、拡
大写本、デイジー図書の作成など、それぞれの障害者が必要とする方式で複製等
が可能となること、また三つ目として、図書館など障害者施設以外の施設でもそ
れらの作成が可能となること等の改善が図られる訳でございます。こういった措
置を通じて、障害者のために著作物の提供が一層、円滑になるようになり、障害
者による著作物の利用機会の拡大が図られることとなるものと考えております。

○高井委員 この第37条の3項、今回改正になりますが、障害者福祉に関する
事業を行う者を政令で定めることとしております。これまで、弱視の子供たちの
ための拡大教科書など全国各地のボランティアの皆さんが、一冊一冊手作りで作
業を進めて来られて、本来国や教科書会社がきちんとするべき教科書作りを支え
て来て頂いた訳です。昨年、教科書バリアフリー法が議員立法で作られ、私もこ
れに関して何度か質問にも立たせて頂きましたけれども、義務教育段階でかなり
普及が進んだことは感謝を申し上げますし、評価致しますが、今度は、ボランテ
ィア団体の皆さんも副教材作りについて力を入れて行こうということで、意欲を
新たに前向きに頑張っているところでございます。しかし、今回の改正の運用面
などの点で、不明確な点がありますので、ちょっと確認させて頂きたいと思うん
ですが、これからもボランティアで行おうとする教科書以外の拡大写本の作成は、
著作権者の許諾を得なければならないのか。そうしなければ違法行為になるので
はないか。権利許諾の複雑な手続きが必要になって来るのではないかという風に
心配する向きもあがっています。この拡大写本の作成等をしているボランティア
等を、例えば事業者として、今回の法律で、この法律の中の政令として組み込む
ことが難しいのか、定めることが難しくなければ、政令で定めるということにな
りますと、かなりいろんな団体等を含めなくてはいけない、それ以外の政令で出
てこない団体が違法になってしまうのではないかという懸念があるのですけれど
も、引き続き自発的に行ってる団体等が、権利者の許諾を得なくて済むのかどう
かちょっと確認をさせて頂きたいと思います。

○高塩至文化庁次長 先生お訊ねの今回の法律案の改正法の37条3項の複製が
認められる主体として政令で定めるものにつきましては、今後、関係者の意見も
聞きまして検討を行うこととしております。現時点では、利用者確認の体制整備
状況などに応じまして公共の図書館や民間の法人などを対象として行くことを考
えているところでございます。このため先生ご質問のございました、拡大図書の
作成を行いますボランティア団体が、法人格を得て、組織的に事業の実施ができ、
障害者の確認ができる体制が整えられている場合には、政令指定の対象とするこ
とも可能と考えられるところでございます。ただ、個人や少数のグループなどに
より活動を規定するは政令としては難しいのではないかと考えます。ただ、政令
指定の対象となります公共図書館等の活動に協力するという形態を取ることなど
によりまして、これまで同様ですね、ボランティアの方々が拡大写本の作成等を
行うことは可能でありますし、そういうことを促進して参りたいと思っておりま
す。

○高井委員 今のご答弁からしますと、まあ、政令等にボランティア等を書き込
むのは難しいと、ボランティア等の皆さんにNPOなどの法人格を取れば、書き込
みやすいということになるのかも知れませんけれども、なかなか個人でやってい
る方々、いろんなご事情もありますし、そういう風にNPOの資格を取りにくかっ
たりすると思います。でき得る限り、ボランティアの方々がすることについて、
違法とならない権利をわざわざ、著作権の利用許諾を得なければならないという
ことが無いように、少なくとも、改正になった後にも皆さんにも広く周知徹底し
て頂きたいと思います。今のご答弁だと、今まで通りこれからもそういうことで
なくて良いと思いますので、ボランティアの皆さんが萎縮しないようにくれぐれ
も関係者団体の皆さんに対してご支援をお願い申し上げたいという風に思ってい
ます。拡大教科書などの電子データが提供されてる場合、今回追加されたこの3
7条3項のただし書きによってボランティアなどがそれ以上複製できなくなると
いうことは無いと思いますけれども、このただし書きの当該方式の定義の詳細に
問題についてお伺いをしたいと思います。音声という媒体についてですけれども、
例えば出版社が音読カセットを販売している場合、これを図書館が、視覚障害者
のために、デイジー方式といいまして、利用し易い情報システムに、この学習障
害とか、障害を持たれている方、高齢や様々な発達障害などにより文章を読むの
に困難を有する方々のための、読書の支援のシステムの方式でございますけれど
も、この音訳図書に複製するということを、図書館がやっても良いということに
なりますでしょうか。もしくは、そのカセットがある場合、カセットを利用せず
に、図書館内で既にカセットがあるものに対して、図書館内でもっと読みやすい
デイジー方式、もっと違う形の方式を取る場合、独自で作成したりということは
できるのでしょうか。

○高塩次長 先生ご質問の改正案37条第3項のただし書きによりまして、権利
者等によりまして障害者に対応した形で著作物の提供が行われている場合には、
権利制限を適用しないということをしている訳です。これは、そういう権利者が
障害者のための物を作成しているということにつきましてはですね、障害者のた
めの条約でも、それを促進することを求めるということでございまして、このよ
うな規定を置いた訳でございます。ただ、このただし書きの適用の有無につきま
しては、先生からお話のございました、音声カセットが販売されている場合に、
デイジー方式の録音図書を複製できるかという問題でございますけれども、これ
は対象となる障害者が音声のみではその著作物を認識できないと、やはり文字と
音声の両方で見聞きする、デイジー方式のみしか、障害上の理由からそういうも
のが是非必要だと認められる場合には、認められた図書館などで複製が可能だと
考えております。ただ、単にテープよりデイジーの方が容量が大きいとか、物理
的な理由では無くですね、真に障害者の方がそういうもので無ければ、そのよう
な図書を認識できないという理由が認められれば、音声カセットが販売されてお
りましても、このデイジー方式のものを複製ということは可能だという風に考え
ております。--略

○石井郁子(日本共産党・近畿ブロック)日本共産党の石井郁子です。今回の法
案は、障害者が多様な情報に接する機会を確保するために公共図書館での障害者
サービスを充実するために必要な改正が行われております。またインターネット
の情報検索サービスなど現行法上課題となる行為についても対応しておりまして、
インターネットの発展にともなった改正となっていることから賛成できるもので
ございます。--略

第171回国会 衆議院文部科学委員会 会議録(抜粋) 2009/05/082009-05-08

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009617120090508009.htm

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○高井委員 おはようございます。民主党の高井美穂です。

 きょうは、著作権法の一部を改正する法律案ということでお時間をいただきま
して、ありがとうございました。

 インターネットという手段ができて、著作権が、一部の業界人だけが注目して
いたものが国民すべてがこれにかかわるようになったという時代になりまして、
まさにだれにどのような著作権を付与するかということは、やはり国民の合意に
よって決めていくものだと私は考えております。つまり、国民の合意によって決
めるということは、この国会で議論をして決める。つまり著作権というのは、権
利者と利用者、そのどちらもが利害や思想が異なる、そのどちらの立場を認めて
いくかということを国民すべてがかかわる中でルールをつくるということだと思
っておりまして、どっちの立場に立つのが正しいとか、善とか悪とかいう問題で
はないというふうに考えております。

 そうした中で、どういう著作権を付与するのかしないのかを決めていくのは、
やはり産業政策や、どうすれば人々がより利用しやすいか、幸福になれるのかと
いう観点から法律をつくるわけだと思いますが、これからさらなる技術の発展や
新しいビジネスモデルに対応できるように、不断の改善の努力が必要だというふ
うに考えております。

 今回の法律改正においては私は一定の前進だという認識を持っておりまして、
とりわけ、きょう質問をさせていただきます障害者のための著作物利用の円滑化
についてという点においては大変な前進だと思いまして、この点からまず質問を
申し上げたいというふうに思っております。

 今回の法改正の中で、国連の障害者の権利条約の第三十条三にうたわれている、
「締約国は、国際法に従い、知的財産権を保護する法律が、障害者が文化的な作
品を享受する機会を妨げる不当な又は差別的な障壁とならないことを確保するた
めのすべての適当な措置をとる。」というふうな精神にのっとりまして、また、
文化審議会の著作権分科会の中でも議論がありました、障害等によって著作物の
利用が困難な者を可能な限り権利制限の対象に含めるとともに、複製主体、方式
も拡大する方向で速やかに措置を講ずることが適当というふうなこういう検討結
果に沿って今回の改正がなされようとしておるわけで、障害者のために権利者に
無許諾で行える範囲を拡大するということは、先ほど申し上げた権利条約の趣旨
にものっとったものとして大変評価をいたしますが、具体的に、障害者の皆さん
や障害児の通う学校や図書館等、また、障害を持つ方々の大きな支えとなってお
られるボランティアの方々やさまざまな活動団体にとってどのようなメリットが
あるとお考えになっておられるか、大臣からまずは御答弁をお願いしたいと思い
ます。

○塩谷国務大臣 著作権につきましては、今高井委員がおっしゃったように、イ
ンターネット等の情報通信が発達する中で、国民全般にかかわることとしてこれ
から状況に応じてしっかりと対応していかなければならないということでござい
まして、今回、特に障害者についての三十七条三項の改正の意味ということでご
ざいますが、これについては、健常者と障害者の情報格差の拡大、さらには障害
者の著作権利用法の多様化、障害者の権利に関する条約をめぐる状況を踏まえて、
障害者のために権利者の許諾を得ずに著作物を利用できる範囲の抜本的な見直し
ということで、障害者の情報格差を解消しようとするものでございます。

 特に具体的に、一つは、弱視や発達障害者なども含めて、視覚による表現の認
識に障害のある者が対象となること、二つ目には、録音図書に限らず、拡大写本、
DAISY図書の作成など、それぞれの障害者が必要とする方式で複製等が可能
になること、また三つ目として、図書館など、障害者福祉を目的とする施設以外
でもそれらの作成が可能となること等の改善が図られるわけでございます。

 こういった措置を通じて障害者のために著作物の提供が一層円滑になるように
なり、障害者による著作物の利用機会の拡大が図られることとなるものと考えて
おります。

○高井委員 この第三十七条の三項、今回改正になりますが、障害者福祉に関す
る事業を行う者を政令で定めることとしております。

 これまで、弱視の子供たちのための拡大教科書等を全国各地のほとんどボラン
ティアの皆さんが一冊一冊手づくりで作業を進めてこられて、本来、国や教科書
会社がきちんとすべき教科書づくりを支えてきていただいたわけであります。昨
年、教科書バリアフリー法が議員立法でつくられ、私もこれに関係して何度か質
問に立たせていただきましたけれども、義務教育段階においてかなり普及が進ん
だことは感謝を申し上げたいと思いますし、評価をしたいと思いますが、今度は
ボランティア団体の皆さんも副教材づくりに力を入れていこうということで、意
欲を新たに前向きに頑張っておられるところであります。

 しかし、今回の改正で運用面などの点で不明確な部分がありますので、ちょっ
と確認をさせていただきたいと思うんです。

 これからも、ボランティアで行おうとする教科書以外の教材の拡大写本は著作
権者の許諾を得なければならないのか。そうしなければ違法行為になるのではな
いか。また、権利承諾の複雑な手続が必要になってくるのではないかというふう
に心配をする向きも上がっています。

 拡大写本等のボランティアをしている皆さんを、例えば事業者として今回のこ
の法律の中に組み込むことが難しいのか。定めることが難しくなければ、政令で
定めるということになりますと、かなりいろいろな団体等を含めなきゃいけない。
それ以外の、政令で出てこない団体がみんな違法になってしまうのではないかと
いうふうな懸念があるんですけれども、引き続き、自発的に行っている団体等が
権利者の許諾を得なくて済むのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと
思います。

○高塩政府参考人 先生お尋ねの、今回の法律案の改正法の三十七条三項の複製
が認められる主体として政令で定めるものにつきましては、今後、関係者の意見
も聞きまして検討を行うこととしております。現時点では、利用者確認の体制の
整備状況などに応じまして、公共の図書館や民間の法人などを対象としていくこ
とを考えているところでございます。

 このため、先生御質問ございました拡大図書の作成などを行いますボランティ
ア団体が、法人格を得て組織的に事業を実施でき、また、障害者の確認体制が整
えられている場合には、第三十七条三項の複製主体として政令指定の対象とする
ことも可能と考えられるところでございます。ただ、個人や少数のグループなど
による活動を規定することは、政令としてはなかなか困難な面があるのではない
かと考えております。

 ただ、政令指定の対象となります公共図書館等の活動に協力するという形態を
とることなどによりまして、これまで同様、ボランティアの方々が拡大図書の作
成を行うことは可能でございますし、そういうことを促進してまいりたいという
ふうに思っております。

○高井委員 今の御答弁からしますと、政令等にボランティア等を書き込むこと
は難しい、また、そのボランティア等の皆さんに、例えばNPO等の法人格を取
れば書き込みやすいということにもなるのかもしれませんけれども、なかなか個
人でやっている方々、また、いろいろな御事情もありますし、そういうふうにN
POの資格などは取りにくかったりするというふうに思います。でき得る限り、
ボランティアの皆さんがやることに対して、違法とならない、わざわざ著作権の
利用許諾を得なければならないということのないように、少なくとも、改正にな
った後に皆さんにも広く周知徹底をしていただきたいと思います。

 今の御答弁だと、今までどおり、これからもそういうことではなくていいとい
うことだと思いますので、ボランティアの皆さんが萎縮しないように、くれぐれ
も関係諸団体の皆さんに対して御支援をお願い申し上げたいというふうに思って
います。

 拡大教科書などの電子データが提供されている場合、今回追加されたこの三十
七条の三項のただし書きによって、ボランティアがそれ以上複製できなくなると
いうことはないというふうに思いますけれども、このただし書きの「当該方式」
の定義の詳細についてお伺いをしたいと思います。

 音声という媒体についてですけれども、例えば出版社が音読カセットを販売し
ている場合、これを図書館が視覚障害者のために、DAISY方式といいまして、
利用しやすい情報システムに、学習障害とか障害を持たれている方、高齢やさま
ざまな発達障害などにより文章を読むのに困難を有する方々への読書の支援のシ
ステムの方式でございますけれども、音訳図書に複製するということを図書館が
やってもいいということになりますでしょうか。もしくは、そのカセットがある
場合、例えば、カセットを利用せずに、既にカセットがあるものに対して、もっ
と読みやすいDAISY方式、もっと違う形の方式をとる場合、図書館内で独自
で作成したりということはできるんでしょうか。

○高塩政府参考人 先生が御質問の改正案の三十七条第三項のただし書きにより
まして、権利者等によりまして障害者に対応した形で著作物の提供が行われてい
る場合には権利制限を適用しないということをしているわけでございます。これ
は、そういう権利者が障害者のためのものを作成しているということにつきまし
ては、障害者のための条約でもそれを促進することを求めているところでござい
まして、このような規定を置いたわけでございます。

 ただ、このただし書きの適用の有無につきましては、先生からお話しのござい
ました、音声カセットが販売されている場合にDAISY方式の録音図書を複製
できるかという問題でございますけれども、これは、音声カセットが発売されて
いますので、対象となる障害者がその音声のみではその著作物を認識ができない、
やはり、文字と音声両方で見聞きするDAISY方式によってのみしか、障害上
の理由でそういうものがぜひ必要だということが認められる場合には、認められ
た図書館などで複製が可能だというふうに考えております。

 単に、テープよりDAISYの方が容量が大きいとかそういった物理的な理由
ではなくて、真に障害者の方がそういうものでなければ図書などを認識ができな
いという理由が認められれば、音声カセットが発売されておりましても、このD
AISY方式のものを複製ということは可能だというふうに考えております。

○高井委員 最近のデジタル技術の発展とか情報通信技術の革新は大変目覚まし
いものですから、DAISY技術についてもかなりいろいろな機能が上がってき
ているのではないかと思いますし、先ほど冒頭申し上げた、障害者の権利条約上
の観点からも、障害者の皆さんが利用しやすいような形を許していく、許諾して
いくということをでき得る限り運用上やっていただきたいというふうに思ってい
ます。

 この音声ということに加えて、電子データにおいても同じような問題が生じる
と思います。例えば、講談社なんかにしても、ドットブックといった形式で電子
図書というものをインターネット上で販売、配信をしています。それを、例えば
図書館が同じように別のファイル方式に転換をして障害者に貸し出すということ
が技術上は大いに可能だと思いますし、それができるというふうに解釈をしてい
きたいと思うんですけれども、スキャナーとかで読み取ってテキストファイル化
していくとかいうことは、先ほどの御答弁からすると、同じように、障害者のた
めに限定されたものであればできるということでよろしゅうございますか。

○高塩政府参考人 今、先生から、ドットブック方式で電子図書がインターネッ
ト配信されている場合に、別のファイルに変換する複製はできるのかというよう
なお話でございますけれども、これは、そのドットブック形式が音声読み上げソ
フトに対応しておらず、これが可能となりますファイル形式に変換する必要があ
る場合など、障害上の理由でこのドットブック方式以外のものが必要であるとい
う場合には、先ほどと同じ考え方で、複製は可能であるというふうに考えており
ます。

○高井委員 今、すべての電子データも音声の読み取り方式にすぐにできるとい
うことはないと思いますけれども、それを図書館とかが、例えば工夫をしながら
ファイル形式を転換してDAISY方式で対応するようなものに変えていくとい
うことは、一回複製が生じますので、著作権法上問題が生じないかということを
確認させていただいたわけですが、限定されたものであり、また、それが障害者
のために必ず資する、必要であるということであれば、問題が生じないというこ
とでできるというふうに理解をいたしました。

 同条項は、同じく、障害者が利用するために必要な方式による公衆への提供等
がされている場合は、権利者に無許諾で、許可なく複製ができないというふうに
規定をされていますが、読み上げソフト等が逆に組み込まれていたりすると、こ
れはだめだということになるんでしょうか。

○高塩政府参考人 先生から再三御質問のございますただし書きの趣旨というの
は、権利者がみずから障害者に対応した形で著作物の提供が行われている場合に
は権利制限を適用しないこととするというものでございますけれども、こうした
趣旨に照らせば、必要な方式の複製物が形式的に存在するといたしましても、そ
の著作物を実質的に障害者が入手できないような場合にまでただし書きの適用が
あるというふうには考えておりませんので、そういう考え方に立ちまして、ケー
ス・バイ・ケースでございますけれども、考えてまいりたいというふうに思って
おります。

○高井委員 ありがとうございます。

 先ほど御答弁していただいたとおり、例えば、どうしても入手できない、絶版
になっている、どうしても高くて買えないだの、買いに行けないとかいういろい
ろなケースが障害者の皆さんにはあるかと思いますけれども、そういう場合は、
できるだけしんしゃくをしながら広く適用していただけるようによろしくお願い
を申し上げたいと思います。

 例えば、図書館が独自に作成をして、それをボランティアの方が音読をする、
それを例えばテープにとるとか、そういう個々一つ一つやっている場合も図書館
によってはあると思います。そういう場合への制約はかからないということで対
応をよろしくお願いしたいと思っています。

 次に、今回、国立国会図書館のバリアフリー化という条項が入りまして、この
点についての質問に移らせていただきたいと思います。

 本日は、図書館長の長尾館長みずからお越しいただきまして、ありがとうござ
いました。かなり積極的に御発言をされているようですので、ぜひこの場でも意
見開陳をお願いしたいというふうに思っています。

 今回、バリアフリー化ということで条項が入りまして、電子図書館のアーカイ
ブの電子図書が活字を画像として表示されておりますので、視覚障害者等が使う
音声読み上げソフトには対応していないと伺っております。ですから、スクリー
ンリーダーなどの音声読み上げソフトを利用する視覚障害者にとってみると、独
力で内容を知ることができないという状態になっておりますが、社会福祉法人の
盲人福祉委員会などからは、私の方へも、ぜひこの電子図書館アーカイブの電子
図書も文字として認識できる形式で提供していただいて、私たち視覚障害者でも、
拡大文字で読書したり合成音声で聞くことができるようなホームページにしてい
ただきたいという御要望もあるんですけれども、この点はいかがでございますか。

○長尾国立国会図書館長 国立国会図書館がインターネットで提供いたしますサ
ービスのうちで、ホームページによる各種の情報提供と書誌情報の検索サービス
につきましては、文字データである部分については、原則として音声読み上げソ
フトに対応できるようになっております。

 しかし、電子図書館アーカイブにある本文情報の提供は、現状は画像情報によ
るものでありまして、対応するテキスト情報は作成していないわけでございます。

 その理由は、これまでの対象が明治、大正時代の古い資料が中心でありまして、
旧仮名、旧字体資料のテキスト化には多大の費用と労力が必要だからであります。

 また、刊行年代の新しい資料のテキスト化につきましては、出版関係者等から、
商業活動に影響を与える可能性があるとして強い反対意見が出されております。

 国立国会図書館としましては、昨年度の出版関係者、著作権者等との数回の関
係者協議の場を通じまして、利用、提供の範囲、条件につきまして合意形成を図
る努力を重ねてまいりましたんですけれども、テキスト化につきましてはなかな
か抵抗が強くて、音声読み上げソフトに対応することは当面難しい状況だという
ことでございます。残念なことではございます。

○高井委員 確かに、私もきのう通告の段階でいろいろお聞きをしまして、昔の
大正や明治等の資料と旧字体等の資料等もなかなか難しいというふうにお聞きを
しましたし、これから電子図書にしていくのに関してかなりお金も手間暇も時間
もかかっていくものだと思いますが、ただ、デジタル技術がここまで進んでいる
時代において、私は最近の図書でもどんどん新しく、早くできていくものかなと
思っていたんです。やはり人手も時間もかかっていくということではありますが、
これからぜひ前向きに進めて検討していっていただきたいと思っています。

 障害者の権利条約も採択されて、二〇一〇年の国民読書年に向けて読書のバリ
アフリー化を目指した運動も全国で始まっておりますので、子供たちの読書活動
や、また、障害者の皆さんも本当に分け隔てなく情報が手に入るように、技術的
にはこれからできていくんだと思いますので、我々も含めて努力をしていきたい
と思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 申すまでもなく、教育基本法にも、障害のある者がその状況に応じて十分な教
育を受けられるよう、教育上の必要な支援を講じなければならないというふうに
規定されておりますので、予算もかかることですが、この点においてこそぜひ進
めていっていただきたい。国会の方の意思として予算もつけて進めていきたいと
いうふうに思って、私どもの党は少なくとも思っておりますので、よろしくお願
いをしたいと思います。

 そして、今回の改正で、図書館において以後すべての所蔵資料について電子化
を進めていくというふうな御予定だと思いますが、アーカイブ形式が促進される
ということにおいてどのようなペースでこれから進めていかれるのか、また、電
子保存されたアーカイブ資料は国民の皆さんにどのように活用していただく御予
定があるのか、教えていただきたいと思います。

○長尾国立国会図書館長 現在、国立国会図書館の所蔵する明治、大正期の刊行
図書を電子化してインターネット公開する事業を行っておりまして、これは、十
四万八千冊を画像情報の形で提供中でございます。

 それから、国立国会図書館におきましては、資料電子化の基本計画を策定して
おりますけれども、平成二十一年度補正予算案では計画を加速いたしまして、図
書等の大規模なデジタル画像化を進めるために、関係経費百二十七億円余を要求
しております。これにより、デジタル化すべき図書約四百万冊につきましては、
その四分の一が画像形態での電子化がされるという見込みでございます。全部や
るためにはこの四倍の予算が必要でございますし、さらに、雑誌の電子化につき
ましても同程度の資金が必要であると考えております。

 それで、作成いたしました電子情報の利用につきましては、原資料の保存の観
点から、来館利用者に対して館内提供をするということとともに、今後、出版関
係者、著作権者等との協議を通じまして、さらに利便性の高い利用の仕方を実現
すべく努力していきたいというふうに思っているところでございます。

○高井委員 長尾館長、今模範答弁をされましたけれども、館長自身はいろいろ
と電子図書館構想等も御検討されているということを報道等で聞きかじりました。
もし可能ならばそれを開陳していただきたいと思いますし、私が新聞報道等で読
んだのは、例えば、出版社から有料で本やデジタルを購入して、それを外部利用
者が利用したい場合には利用料をいただき、それを中継役として単に利用料を出
版社の方に渡す。だから、営利目的のものはできないので、単にアーカイブを持
っている中継役として、外部利用者に対してお金を払ってもらって出版社に払う、
そうした構想もお持ちだというふうにお伺いしましたけれども、これが可能であ
るならばぜひ前向きに検討していただきたいと思いますし、少なくとも、出版社
であったり図書館の側であったり、利用者の側が協議をして、現状の枠組みの中
でもできるというふうにはお聞きをしているんですけれども、今どのようなお考
えで検討中にあるのか、教えていただければと思います。

○長尾国立国会図書館長 図書館の資料をデジタル化しまして、日本じゅうの人
たちに遠いところからでもインターネットを通じて利用していただくということ
は理想のところでございますけれども、これを無料でやりますと、出版社あるい
は著者が成立しないというところに追い込まれる危険性がございます。日本の文
化というのは、やはり著者、出版社がしっかりと進んでいく、そして図書館と協
調していくということがなければいけないわけでございますので、そういうある
種のビジネスモデルをつくっていく必要があるんじゃないかということを提案し
ております。

 これは大ざっぱに申しますと、音楽のダウンロードで皆さんがイヤホンで聞い
ておられる、そのときお金を適当に払うというようなモデルでございますが、図
書館はあくまでも無料ですべての情報を提供するというのが基本でございますの
で、お金につきましては、これは、ダウンロードするわずかな金額を集めて、こ
れを出版社あるいは著者に還元するような第三のセンターみたいなものを設けま
して、これをうまく活用して、すべての人にデジタルな著作物の提供をするとい
うことをしてはどうかということを提案しております。

 図書館としましては、無料でデジタル情報を外部のセンターなんかにお渡しし
まして、そしてそこから要求のある読者に渡す、こういうモデルを考えておるわ
けでございますが、こういうことにつきましては、著者、出版社あるいは利害関
係者と今後よく議論をして、両者が納得する形でつくっていければというふうに
思っておりまして、今後努力をしたいと思っております。

○高井委員 これから、出版社等、また利用者の利便に資するためにも、すごく
前向きな新たなビジネスモデルを提案される館長の姿勢というのは私はすばらし
いと思っておりまして、ぜひ関係者の皆さんと議論を進めながら、また、より前
向きに検討を進めていっていただきたいと思います。

 館長がおっしゃったとおり、私も徳島でありますけれども、父もちょっと病気
をいたしまして遠くまで外出できません。でも、地方にいても高齢者であっても、
どこからも最新の情報を手に入れられる、そこからお金を払って手に入れられる
ということは、技術の発展によりそれができるようになったというのは、本当に
私はすばらしいことだと思っておりますので、ぜひそうしたビジネスモデルを前
向きに検討していっていただきたいと思います。

 また、今回の改正の中で、聴覚障害者のために映画や放送番組への字幕とか手
話の付与を可能とするということも盛り込まれておりますけれども、レンタルの
DVD映画等にも字幕の義務づけをしていただきたいというふうに運動してきた
「バベル」字幕の願いをつなぐ市民の会、きょうもお見えになられていますけれ
ども、そうした方々からもさまざまな期待を持たれております。邦画ビデオの字
幕の採用等には、かなりこれまでは著作権者と映画会社の事業者のコスト負担が
ネックになっているところもありまして、これはむしろ産業政策の方かもしれま
せんけれども、でき得る限りいろんな形で後押しをしていけるように、多くの関
係者と協力をしながら進めていきたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、本改正の趣旨を広く国民に周知徹底をしてい
っていただかなくてはならないと思いますし、最近大学のレポートなんかでも、
コピペという、何かウィキペディアからとってそのまま張りつけしたりとかする
ようなことがふえているというふうに報道でも聞きますし、新聞とか週刊誌とい
うプロの世界ですら、この著作権法違反ということがしばしば問題になります。

 こういう現状を見るにつけ、また、冒頭申し上げた、インターネットという手
段を通じて国民みんなが著作権の利害関係者となる、利用者となるという立場の
中で、著作権に関する教育というものに対して必要性が、もしくは高校生レベル
からでも必要ではないかというふうに感じておりますが、大臣はいかがお考えで
しょうか。

○塩谷国務大臣 御指摘のとおり、情報化の急速な発展によって、国民に広く著
作権に関する知識を周知することが必要だと思っておりまして、文部科学省とし
ましても、国民向けの普及啓発事業として、著作権に関するさまざまな質問にイ
ンターネットを通じて答えるシステムの開発を現在しておりまして、これを運用
していきたいと思っております。

 また、図書館職員、教員や一般の方々を対象としての各種講習会の実施に取り
組んでいるところでございます。

 また、生徒や教員を対象とした多様な教材等の作成、配付やホームページでの
提供などを実施してきたところでございますが、特に、平成二十一年三月、こと
し三月でございますが、高等学校の学習指導要領の改訂において著作権にかかわ
る記述を充実しまして、従来の情報に加え、音楽や美術等においても著作権につ
いて指導することとしたところでございます。

 著作権に関する普及啓発や教育については、一層の充実を図ってまいりたいと
考えております。

○岩屋委員長 高井君、時間が来ております。

○高井委員 ありがとうございました。

著作権法の一部を改正する法律案(障害者の情報利用の機会の確保を図るための措置を含む) 衆議院文部科学委員会で全会一致で採択 2009/05/082009-05-08

2009年5月8日 (金) 衆議院 文部科学委員会において、著作権法の一部を改正す
る法律案(障害者の情報利用の機会の確保を図るための措置を含む)が総員賛成
をもって採択され、衆議院本会議にかけられることとなりました。
以下の、衆議院TVサイトで録画されたものを視聴できます。近日中に議事録も公
開される予定です。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=39814&media_type=rn

 2009年5月8日 (金) 衆議院 文部科学委員会

案件(議題順):
著作権法改正法案(171国会閣54)
独立行政法人日本学術振興会法改正法案(171国会閣66)

発言者一覧
説明・質疑者等(発言順):    開始時間 所要時間
 岩屋毅(文部科学委員長)      9時 00分  01分
 高井美穂(民主党・無所属クラブ)  9時 01分  31分
 松野頼久(民主党・無所属クラブ)  9時 32分  30分
 川内博史(民主党・無所属クラブ) 10時 02分  28分
 和田隆志(民主党・無所属クラブ) 10時 30分  31分
 石井郁子(日本共産党)      11時 01分  21分
 日森文尋(社会民主党・市民連合) 11時 22分  27分
 和田隆志(民主党・無所属クラブ) 11時 49分  04分
 塩谷立(文部科学大臣)      11時 53分  04分

答弁者等
大臣等(建制順)
 宮崎礼壹(内閣法制局長官)
 竹島一彦(公正取引委員会委員長)
 長尾真(国立国会図書館長)

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また、質問に立った高井議員のサイトにも記事があります。
http://www.takaimiho.com/katudoujoukyou2009.html

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http://www.shugiin.go.jp/itdb_rchome.nsf/html/rchome/News/monka17120090508009_f.htm

衆議院文部科学委員会ニュース
平成21.5.8 第171回国会第9号

5月8日(金) 、第9回の委員会が開かれました。

1 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第 54号)
・塩谷文部科学大臣、宮﨑内閣法制局長官、竹島公正取引委員会委員長、政府参考人及び長尾国立国会図書館長に対し質疑を行い、質疑を終局しました。
・採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
(賛成-自民、民主、公明、共産、社民)
・馳浩君外4名(自民、民主、公明、共産、社民)から提出された附帯決議案について、和田隆志君(民主)から趣旨説明を聴取しました。
・採決を行った結果、全会一致をもってこれを付することに決しました。
(賛成-自民、民主、公明、共産、社民)

(質疑者及び主な質疑内容)

高井美穂君(民主)
・障害者の情報利用に資するため、著作権者に無許諾で行える範囲を拡大することを内容とする今回の法改正により、具体的に障害者や障害を持つ子どもが通う学校、図書館、ボランティアの活動にどのようなメリットがあるのか、大臣の見解を伺いたい。
・弱視の子どもが使用するため、ボランティアが作成している副教材の拡大写本については、法改正後も著作権者の許諾が必要なのか。改正案では障害者福祉に関する事業を行う者は政令で定めるとされているが、拡大写本のボランティア団体を事業者として政令で定めることは可能なのか。
・国立国会図書館の電子図書について、視覚障害者が利用しやすい形で提供されるよう求める要望が出ているが、どのように考えているか。また、同図書館が検討しているとされる電子図書館構想について国立国会図書館長の見解を伺いたい。
・インターネット社会において、国民全てが著作権と関わりを持つ状況になっており、著作権教育の重要性を感じるが、大臣の見解を伺いたい。

松野頼久君(民主)
・公正取引委員会が社団法人日本音楽著作権協会に対して本年2月 27 日に出した排除措置命令について、同協会が私的独占や不当な取引制限をした事実があるのか、公正取引委員長の見解を伺いたい。また、海外においては楽曲利用許諾に関して包括契約が一般的であることや新規参入の著作権等管理事業者が管理する楽曲の利用状況等にかんがみても、同協会が独占禁止法第3条(私的独占の禁止)に抵触する行為を行っていたとは考えられないが、同協会に対してどのような対応を求めているのか、公正取引委員長の見解を伺いたい。

川内博史君(民主)
・第 30 条の違法配信からの私的録音録画に係る権利制限規定の改正に当たっての立法事実及びインターネット利用者の立場に配慮して損害賠償請求を行う場合の事前の警告等の必要性等について権利者側の業界に対しどのように指導するのか伺いたい。
・第 47 条の8の電子計算機における著作物の利用に伴う複製の改正についての具体的内容及び「電子計算機」に携帯電話機が含まれるのか伺いたい。
・レーベルモバイル株式会社等の提供による着うたフルの1曲の価格が高いことについての大臣の見解を伺いたい。また、レコード事業者等4社が、レーベルモバイル株式会社以外の着うた提供事業者に対する利用許諾を拒絶していることが、独占禁止法違反被疑事実となっている件についての公正取引委員会の認識を伺いたい。
・日本版フェアユース規定の導入についての知的財産戦略本部、文化庁、大臣の見解をそれぞれ伺いたい。

和田隆志君(民主)
・違法配信からの私的録音録画に係る権利制限規定の改正を行うに当たって、適法配信に係る楽曲等が適正な価格で販売されるよう、業界に対する指導を行う必要があると考えるが、大臣の見解を伺いたい。
・米国グーグル社のブックサーチをめぐる集団訴訟について、同社の和解案に関する情報を日本の著作権者が認知しないうちに和解期限が到来してしまう危険性について、大臣の見解を伺いたい。
・若者に対する著作権教育の在り方について、大臣の見解を伺いたい。

石井郁子君(共産)
・私的録音録画補償金制度の今日的な意義について、文化庁の見解を伺いたい。また、同制度の見直しについて、関係者の合意が得られない状況にあると承知しているが、その原因について伺いたい。
・ある家電メーカーが特定のデジタル録画機器に関して、私的録画補償金の徴収に協力しない旨を補償金管理団体に通知した。そこで、私的録音録画補償金制度について規定した現行著作権法第 30 条第2項の内容について、文化庁の見解を伺いたい。また、補償金徴収への協力を拒否するメーカーに対して、是正を求めていく必要があると考えるが、大臣の見解を伺いたい。

日森文尋君(社民)
・米国グーグル社のブックサーチをめぐる集団訴訟の経緯と概要について伺いたい。また、同集団訴訟においては、我が国の著作権者もその和解プロセスに含まれるとのことであるが、その法的根拠及び政府の今後の対応策について伺いたい。
・日本版フェアユースについて、その概要及びアメリカにおけるフェアユースとの相違点について伺いたい。また、知的財産戦略本部において実施されたパブリック・コメントにおいては、日本版フェアユースの導入について慎重な意見も寄せられているが、その導入についての文化庁の見解を伺いたい。

2 独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案(内閣提出第 66号)
・塩谷文部科学大臣から提案理由の説明を聴取しました。

本委員会ニュースは、速報性を重視した概要版として事務局において作成しているものです。質疑の正確かつ詳細な内容については会議録を御参照ください。

著作権法改正法案に関する衆議院文部科学委員会附帯決議 2009/05/082009-05-08

2009年5月8日 (金) 衆議院 文部科学委員会において、著作権法の一部を改正す
る法律案(障害者の情報利用の機会の確保を図るための措置を含む)が総員賛成
をもって採択されたが、この際に衆議院文部科学委員会名で附帯決議が提案され、
これも総員の賛成をもって承認された。

主な内容として、「拡大教科書や授業用副教材の拡大写本等の製作に携わってき
たボランティア活動の、これまで果たしてきた役割に鑑み、法改正後も支障なく、
いっそう推進されるよう配慮すること」「国立国会図書館で作製の電子化された
資料の有効活用を図ること」などが、盛り込まれている。

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著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
http://www.shugiin.go.jp/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/monka7C67B3E98A3FA93B492575B00030142E.htm

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

一 違法なインターネット配信等による音楽・映像を違法と知りながら録音又は録画することを私的使用目的でも権利侵害とする第三十条第一項第三号の運用に当たっては、違法なインターネット配信等による音楽・映像と知らずに録音又は録画した著作物の利用者に不利益が生じないよう留意すること。

また、本改正に便乗した不正な料金請求等による被害を防止するため、改正内容の趣旨の周知徹底に努めるとともに、レコード会社等との契約により配信される場合に表示される「識別マーク」の普及を促進すること。

二 インターネット配信等による音楽・映像については、今後見込まれる違法配信からの私的録音録画の減少の状況を踏まえ、適正な価格形成に反映させるよう努めること。

三 障害者のための著作物利用の円滑化に当たっては、教科用拡大図書や授業で使われる副教材の拡大写本等の作成を行うボランティア活動がこれまでに果たしてきた役割にかんがみ、その活動が支障なく一層促進されるよう努めること。

四 著作権者不明等の場合の裁定制度及び著作権等の登録制度については、著作物等の適切な保護と円滑な流通を促進する観点から、手続の簡素化等制度の改善について検討すること。

五 近年のデジタル化・ネットワーク化の進展に伴う著作物等の利用形態の多様化及び著作権制度に係る動向等にかんがみ、著作権の保護を適切に行うため、著作権法の適切な見直しを進めること。

特に、私的録音録画補償金制度及び著作権保護期間の見直しなど、著作権に係る重要課題については、国際的動向や関係団体等の意見も十分に考慮し、早期に適切な結論を得ること。

六 国立国会図書館において電子化された資料については、図書館の果たす役割にかんがみ、その有効な活用を図ること。

七 文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、学校等における著作権教育の充実や国民に対する普及啓発活動に努めること。

伊勢湾台風物語バリフリ上映会/大阪府私学教育文化会館 2009/05/092009-05-09

転載歓迎とのことです。

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伊勢湾台風物語バリアフリー上映モニター会

今年は最大の被害をもたらした台風、伊勢湾台風被災50周年にあたります。災
害時要援護者に関わる方々と手を携えて20年前のアニメ映画「伊勢湾台風物語」
のバリアフリー上映をすすめております。

目の見えにくい方や耳の聞こえにくい方にもこの映画を鑑賞していただきたいと
音声ガイドと字幕の制作を日本ライトハウスさんのご協力で取り組んでまいりま
したが、ようやく(ほぼ)完成し、90分全編のモニター上映を開くこととなり
ました。すでに何度も原稿内容は推敲を重ねておりますが、視覚障害や聴覚障害
のある方々に最終チェックをしていただきます。

障害のある方はもちろん、この映画の上映にご協力いただける方々にできるだけ
多くおいでいただきたいと思います。(60名定員ですが)どうぞみなさまお誘
い合わせのうえ、奮ってご来場ください。もちろん無料です。モニター会後に上
映実行委員会も開きます。

日 時:2009/5月9日(土)13:30~15:30

場 所:大阪府私学教育文化会館
    http://www.osaka-shigaku.gr.jp/kaikan/access/index.html

また、愛知県立名古屋盲学校での上映も決まりました。文化庁の「子どもの映画
鑑賞普及事業」としてです。日時等詳細は決まり次第、順次お知らせしてまいり
ます。

伊勢湾台風物語バリアフリー上映実行委員会
http://isewantyphoon.della-nagoya.jp/
〒451-0044 名古屋市西区菊井1丁目10‐10
カトレア・サービス内・TEL050-3357-8821
赤崎 倫夫  m-akasaki@2949n.com

東京コーディネーター研究会講演会/文京区本駒込交流館 2009/05/102009-05-10

http://www7a.biglobe.ne.jp/~tc-kenkyu/zissen0810.html

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 春の陽射しの中、新学期がスタートしました。お忙しい毎日をお過ごしのこと
と存じます。
 19年度の特別支援教育の本格化以来、校内委員会や支援会議の設置、個別の
支援計画や個別指導計画の活用など、各学校での取り組みが少しずつ進んでいる
ことと思います。動き始めている今だからこそ、原点に戻って、特別支援教育と
は何かを見つめ直すことも大切なことではないかと考えております。
 今回の講演会では、北海道大学大学院教授の田中康雄先生に、ご講演をいただ
きます。また、質疑応答をもとに、フロアとの交流を深めていきたいと考えてい
ます。とても貴重な機会かと思います。ぜひ、お誘い合わせの上、ご参加下さい
ますようお願い申しあげます。
               会長  野村 東助(東京学芸大学名誉教授)

 日 時:2009/5月10日(日) 9:35開会
 会 場:文京区本駒込交流館
     http://www7a.biglobe.ne.jp/~tc-kenkyu/kouryuukanmap.htm

◆講演 「特別支援教育で大切にしたいこと~生き生きとした子どもたち~」
    北海道大学大学院教授  田中康雄先生

 私達が、日々の実践において、大切にしたいことについてお話いただくととも
に、全国の実践現場を飛び回っている先生から、具体的な実践例についてもご紹
介いただけます。北海道大学での教鞭に限らず、数々の著書や講演、TVなど幅
広くご活躍中の、大変お忙しい先生ですが、ご縁あってお招きすることができま
した。貴重な機会かと思います。ぜひ、周囲の方々に声をかけ、お集まりくださ
い。

◆フロアとの交流 田中康雄先生への質疑応答をもとに、会場の参加者との交流
を深め、明日からの実践に生かしていく場にしたいと考えています。
12:00  閉会

会員以外の方も大歓迎です。ぜひ、お誘い合わせの上ご参加下さい。

会 長  野村 東助(東京学芸大学名誉教授)
副会長  森 秀一郎(文京区立林町小学校長)
副会長  小川 深雪(葛飾区立東水元小学校長)
事務局長 黒川 君江(文京区立小日向台町小学校)
連絡先  TEL・FAX  03(3944)6531
参加費  会員:無料   会員以外の方:500円(資料代として)