特別支援教育の在り方に関する特別委員会 第13回 議事録 2011/11/042012-05-20

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/1321025.htm

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第13回) 議事録
1.日 時 平成23年11月4日(金曜日)14時30分~17時30分
2.場 所 三田共用会議所3F大会議室
3.議題
  交流及び共同学習(副次的な学籍を含む)、特別支援教室構想について
  合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループにおける審議状況について
  教職員の確保及び専門性の向上について
  その他
4.議事録
【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。
 特別支援教室構想についてちょっとお話をさせていただきます。特別支援教室
構想ですが、もとをたどりますと平成15年3月の今後の特別支援教育の在り方に
ついてで提言されておりまして、既に8年ぐらいたっています。委員の皆様の中
にも特別支援教室構想についてイメージがちょっとばらばらなところがあるかも
しれませんので、お手元に基礎資料の11番、当時の提言のイメージだけ合わせて
おければ議論が進むかと思うのですが、基礎資料の中の11番の15ページのところ
です。ここにいらっしゃる委員の中にも何人か、その当時の中教審に御参加いた
だいた先生方がおられて、そこの議論の中身も、多くの先生方が1型とか2型とか
おっしゃるので、15ページのところから特別支援教室の構想について後半述べら
れておりまして、16ページを開けていただきますと、一番上から4行目あたりか
ら特別支援教室の1、2、3というのが出ているかと思います。お分かりになりま
すか。
 さっき髙橋委員の方から特別支援教室ができると特別支援学級はなくなるのか
とおっしゃったのですが、なくならないという案がここに出ています。ここでは
特別支援教室について三つの型で示されています。1型はほぼ特別支援学級に近
い形を運営する。2型は通級に近い形です。先ほど大南委員がおっしゃっていた
35時限以下というか、週に1時間以下とか2時間以下とか、そういうような方につ
いては3型という、あるいは先生が巡回する形です。実は、これはこの報告書が
出た前の年ぐらいに、大南委員が座長をされた東京都の検討会でA、B、C型とし
て提言されていた方式をまねた時に文科省で1、2、3に名前だけを変えたのです
が、ほぼ同じような提言です。
 この特別支援教室構想は、理想と言っているのは、例えば今回で言うインクル
ーシブ教育について、論点整理の中で、委員長提案の中では、連続性のある制度
にするとありましたが、現在ある通常の学級の中の支援、それから通級における
支援、それから特別支援学級の支援という三つについて見ますと、時間数で見て
も非常に落差があります。制度的にも落差があります。ここのところを連続性の
ある、柔軟性のある対応にする、個々に応じた対応にするということで、時間的
にも柔軟に対応できるような制度ということで提言されたのがこの特別支援教室
構想です。その中で1、2、3型というような類型をつくって、できれば学校の中
に1、2、3型が全部あれば良いのですが、その学校の規模によってできないかも
しれませんが、組み合わせによってやっていくというのが提言だったと思います。
まさにこれは、論点整理の中で出ている、連続性のある制度、インクルーシブ教
育の中で求められている個々のニーズに応じた支援、に応えられる制度だと私は
思っています。
 もう一つ、この特別支援教室構想は、理想的ではあるが実施するのは難しいと
いう指摘があります。おそらく、今の学校教育法や、それから教員免許のあり方、
教員配置とか標準法の考え方、あるいは学習指導要領というものがあって、一つ
一つの法律や制度の対応を考えていくと難しいです。例えば中教審でも、いろい
ろな部会で細切れになって検討して、一個一個検討していると、おそらくこの話
は実現できないのではないかと思います。この特別支援教室構想は、最初に提言
されてからもう8年たっていますから、是非実現できるように検討いただきたい
と思っています。これを実現していくためには、難しい点がたくさんありますが、
我々が目指しているインクルーシブ教育システムの方向に行く一つの象徴的なも
のになると思っていますので、ここを是非進めていただきたいと思っています。

宮﨑委員長】 ありがとうございました。様々に御意見を頂戴したのですが、今
日は3点あるものですから、私がいただいている予定時間を最初申し上げればよ
かったのですが、ここで既に30分も超過をしています。すみません。たくさんの
御意見を頂戴しているのですが、これをどんなふうに整理をしていくかというこ
とはなかなか難しくて、課題だらけだと思っていますが、先ほど山岡委員が基礎
資料集の11ページで特別支援教室構想のことはお話をいただいたので、ありがと
うございました。御本人は、これについてはさらに具体的なお話をしていただけ
ると思って期待していたのですが、そこは御遠慮なさったということでしょうか。

【山岡委員】 それでは、別の機会にお話しさせていただきます。

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。
 私の方は6番の特別支援教育支援員と8番の学校外の専門家、親の会、NPO、学
校支援ボランティア等の連携というところで、今まで意見が出ていなかったとこ
ろなので申し上げます。
 特別支援教育支援員、大南委員にも言っていただいたのですが、岩手県の例で
現在の主な業務が載っていますが、特別支援教育支援員には、介助のみを担当し
ている方と、それから、学習面まで指導している方と大きく2種類あります。私
どもは親の会として、保護者として、学習面まで指導していただく場合には少な
くとも教員免許は必要だろうと思っています。私ども全国LD親の会の方で、この
特別支援教育支援員の資質でありますとか、研修でありますとかについて調査を
したことがあります。岩手県では研修が結構行われていると書いてありますが、
全く行っていないケースとか、ほんの1時間だけ等いろいろなケースがありまし
た。
 中村委員もおっしゃったのですが、特別支援教育支援員というのは、現状は担
任の指示のもとで、支援をするとなっています。ところが、アンケートをとると、
例えば、それをやるためには守秘義務であるとか個人情報の扱いでありますとか、
あるいは公務員としての心得でありますとか、倫理みたいなこととか、少なくと
も学校の仕組み、それから担任との連携をどうしたら良いかとかについて、研修
が必要だと思うのですが、そういったものも一切行われていないという実態があ
ります。
 実は、全国LD親の会で、文部科学省からの委託を頂戴しまして、平成21年から
特別支援教育支援員について、研修ではどんなことを学べば良いかの体系化とか、
どんな科目内容・項目が必要かということの研究を3年間やっております。今の
ところ、こんなものが必要ではないかという二十数科目の科目の体系とシラバス
というのもつくっていて、試行的に養成講座をやっているのですが、是非こうい
う研究を生かしていただいて、少なくともこういったような科目については研修
が必要だとか、あるいは、もう少し、半年ぐらいたったときにフォローアップの
研修が必要だということを徹底してほしいと思います。
 実は、笑い話みたいなことなので、さっき中村委員がおっしゃったことにもつ
ながるのですが、こういうふうに実は担任の教員のもとで支援員の方が置かれま
すが、支援員の方の中には、退職された教員の方とか、実力のある方が結構おら
れます。そうすると、担任の方がもっと研修を受けないと、支援員を使いこなせ
ないという状態が結構あります。実力的には教員免許を持っていらっしゃるよう
な支援員の方の場合、担任の指示のもとで仕事をすることにすごくフラストレー
ションを抱えながらやっていらっしゃる例もあるということです。是非、この支
援員は非常に良い制度なので充実させていただくとともに、その支援員の資質
でありますとか、研修とかいうものを高めるようなことに是非取り組んでいただ
きたいと思っています。
 それから、学校外の専門家、親の会、NPO、学校支援ボランティアとの連携の
ところですが、これ、実は、私も参加させていただいたのですが、特別支援教育
の推進に関する調査研究協力者会議というのがありまして、平成22年3月に、途
中で政権交代があったりしまして、審議経過報告という、ちょっと妙な名前のつ
いた報告が出て、終わっています。その報告書の最後のところにまさにこの親の
会等との連携の部分をうたっていただきまして、当時、親の会として参加してい
ましたので、大変、ありがたく思っていたところです。
 一つは、前段の学校外の専門家というところです。例えば心理職でありますと
か、OTとかPTとかSTとかいったことの活用ですが、おそらく特別支援教育の中で
多様なお子さん方の多様なニーズにきちんと応えていくためには、教員の方だけ
では対応できないだろうということです。現在、OTとかPTとかSTとか心理職の方
が学校に入るときに、必ずしも処遇面が良くないので、必ずしもすばらしい質の
方が来ているわけではないということもあるかもしれませんが、学校の先生方か
らの評判は必ずしも良くありません。実は全国LDの会で別の研究を行ったときに、
OTの先生が指導に入って、お子さんで姿勢が悪いとか字が書けないとか集中力が
ないというときに、教員の方は「しっかりしなさい」「集中しなさい」とか「ち
ゃんとしましょう」とか「姿勢を正しましょう」とかおっしゃる場合が多いので
すが、そこにある、姿勢の保持に関わる筋力だとか、あるいは力の入れ方とかい
うことの指導をすることによって、見違えるように良くなった例があります。こ
れは非常に特異な例かもしれませんが、こういった専門家をきちんと使うことに
よって、特別支援教育で求められているような子どもたちへの支援ができるので
はないかと思いますので、ここは是非活用いただきたいと思っています。
 それから、親の会とかNPOとか学校支援ボランティアですが、一つは、そうい
う親の会とかNPOの中に、確かに地域ですばらしい活動をしているところがあっ
て、それらと連携することが良いと思っています。そういう親の会とかNPOがた
くさん出てくれば良いのですが、なかなかそんなに数多くあるわけではないとい
うのも実態だと思います。それと、NPOとか親の会は、組織が脆弱なところがあ
って、永続的にずっとやっていくことが難しいところもあると思います。そうい
う意味でいくと、NPOとか親の会を使っていくこと、あるいは学校支援ボランテ
ィアを使っていくことがなぜ大切かというと、一つは、国の財政事情とかを考え
ていくと、そういった民間の力をある程度活用していかないと、これからの特別
支援教育は維持できないのではないかと思っています。そのためには、先行投資
になるのかもしれませんが、そういった親の会とかNPOとかの、組織が脆弱なと
ころもありますので、支援や育成をしながら生かして使っていくということが国
とか自治体において必要だと思います。

【石川委員長代理】 すみません、石川です。
 1点だけ手短に意見を述べさせていただきます。私たちは特別支援教育の専門
性についてずっと議論しています。これは非常に重要なことであるわけですが、
意識が特別支援教育の専門性に集中するとどういうことが起きる可能性があるか
についても考える必要があるように思います。例えば、特に中等教育ではそうで
すが、専門教科の専門性、教科の専門性が今度は弱くなってしまう心配がありま
す。既にそういう現象は現状の教育学部の教育課程では出てきているのではない
かという感じもしています。どういうふうにすると採用されやすいのかとか、採
用後の異動ですね、どういうふうに異動するのかということをやはり見越した上
で、障害種別フルセットで勉強しておかないといけないということになると、専
門教科を教えるための訓練を受ける時間というのが、その分だけ削られてしまう
という面があるので、品川委員もおっしゃいましたし、久松委員もおっしゃいま
したけれど、軽々には言えませんけれど、6年制とか、いろいろ考えないと、時
間が限られている中で何とか詰め込もうとすると、何かを重視すると何かが弱く
なるということがあるので、そういう点についても議論としてはやはり必要なの
ではないかと思います。以上です。