NPO 星槎教育研究所セミナー 地域で笑顔で暮らすために 2012/05/032012-05-03

「地域で、笑顔で、暮らすために~自立と共生の社会実現に向けて」

講 師:明石洋子先生(川崎市自閉症協会会長)

  地域で学び、育ち、働いて暮らしていくことができる社会、「自立と共生」
  の実現をめざして地域で何ができるか、みんなで考えていきましょう
  くわしくは こちらをご覧ください。

http://www.seisa.ed.jp/npo/support/img/LSA120503.pdf

〇日時:平成24年5月3日(木・祝)13:00~15:20 (12:30開演)
〇場所:川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
    JR南武線 武蔵中原駅下車徒歩1分 

〇受講料:1,000円
〇お申込は こちら http://www.seisa.ac.jp/seminar/2012nposeminar0503.html

大阪維新の会のエセ科学的家庭教育支援条例(案)逐条批判 2012/05/032012-05-05

http://blogos.com/article/38257/

前文の第一パート。初っ端から「かつて子育ての文化は」という伝統偽装の文面
が踊る。昔はよかった、という黄金時代回想論の多くは、具体的な時期を明記し
ない。もしくはごく限られた時代のみを「これまでずっとそうだった」と述べる。

 しかし、理想的な子育ての時代は本当にあったのか。戦前までは間引きもあっ
た。伝統的な子育て文化としては乳母も見過ごせない。

 子育て文化を担うのが親だけでなく地域社会なども含まれる、というのはその
とおりである。この点、「親だけに子育ての責任を負わせる」という自民党の主
張とは正反対である──かのように見えるが、実はこの維新案も同じである。い
や、子育ての全責任を「親の親心の喪失と親の保護能力の衰退」に押しつけてい
るという点で、この前文の言葉とは完全に矛盾しているのである。-中略-

第1章 (総則)

(目的)
第1条
1項 親およびこれから親になる人への「学習の機会及び情報の提供等」の必要
な施策を定めること
2項 保育、家庭教育の観点から、発達障害、虐待等の予防・防止に向けた施策
を定めること
3項 前2項の目的を達成するため、家庭教育支援推進計画を定めること

第一条1項はまあいいだろう。問題はその学習・情報の内容である。

第2項。ここが大変なところである。発達障害は、決して親の責任ではない。ま
ずこの科学的前提を踏まえる必要がある。発達障害の「予防・防止」など、現在
の日本にはそれを可能とする理論も技術も存在しない(実効性のないトンデモ私
論を除く)。「保育、家庭教育の観点から」といって発達障害と虐待を同列に扱
っている時点で、この条例案は非科学的な妄想でしかないと言い切ってよい。

なお、発達障害の原因として虐待が関係するかどうかについては、たとえば中根
成寿「障害は虐待のリスクか?~児童虐待と発達障害の関係について~」(京都
府立大学福祉社会研究 8, 39-49, 2007)を参照してみよう。この論文自体は
「子供に発達障害があると親は虐待しやすくなるのか否か」ということを考察し
ており、今知りたいこととは逆のアプローチといえる。ただ、その中で、「田中
(2003、2005)は児童の障害(発達障害含む)と児童虐待は本来直接の因果関係
や関連が証明されているわけではなく、障害をもつ子どもの多くが虐待されてい
るわけでもない、と指摘している」という。(ここで参照されている論文は、田
中康雄(2003)「発達障害と児童虐待(maltreatment)」『臨床精神医学』3(2):
153-159、同(2005)「発達障害と児童虐待(maltreatment)」『子どもの虐待と
ネグレクト』7(3):304-312)

また、中根氏の論考のまとめでは以下のようにも記されている。

「虐待のハイリスクグループ、つまりすでに虐待が起こった家族においては児童
の障害は当該家族にとって数多くある虐待要因の一つであることが先行研究から
確認された。だが、児童の障害があっても虐待とは無縁な層も数多く存在してお
り、なぜその家族にとって児童の障害が虐待へとつながらないのかという補償要
因の調査は、現実的に実現が難しい。
 また本稿では虐待と児童の障害の種類において、行動障害や自閉傾向を示す児
童により高いリスクがみられることから発達障害に注目したが、児童虐待の二次
的被害と発達障害の症状とは、実際の臨床場面では判別不可能に近いという指摘
もあり、どちらが原因であるかが明らかにならない「微妙な関係」(田中 2006
:193)である。」(※参照論文は、田中康夫(2006)「軽度発達障害と児童虐待
の微妙な位置関係」『現代のエスプリ─スペクトラムとしての軽度発達障害I』
474:187-194)

「児童の障害は児童虐待のリスク要因ではあるが単一の発生要因ではない。児童
の障害に加えて、貧困や社会的孤立、親自身の健康状態や障害という他のリスク
要因が加わって初めてリスクが顕在化する。山野(2006)が言うように児童虐待
の増加は児童の障害や子育てのストレス、母親の孤立よりも、生活保護世帯の増
加や失業率の増加との相関も高い。」(※参照論文は、山野良一(2006)「児童虐
待はこころの問題か」上野加代子編『児童虐待のポリティクス─「こころ」の問
題から「社会」の問題へ』明石書店:53-99)

 この条例案が目の仇にしているのは、ネグレクトすなわち育児放棄であろう。
ネグレクトは立派な「児童虐待」の一つである(肉体的な暴力を振るわないタイ
プの虐待である)。ところが、その児童虐待と発達障害の因果関係については、
「明らかにならない」とされている。子供に障害があるから虐待した、という親
は確かに存在するが、そうでない層もある。つまり、虐待と無縁なのに発達障害
という子供は、例外どころか普通に見られるのだ。

 つまり、「発達障害」を「予防・防止」するために「親」をなんとか教育しよ
う、というのは、まったくもって見当外れのエセ科学的方策としか言いようがな
いのである。

阪維新の会 大阪市会議員団平成24年5月 家庭教育支援条例(案)2012-05-05

 「大阪維新の会」大阪市議会議員団が提案を予定している条例案です。弁護士
大前治が入手した原文を転記して当資料を作成しました。
原文の文言や用語法(中途で終わっている条文など)に不自然な点がありますが、
入手した原文に忠実に転記しました。内容は、2012年5月2日現在です。
新たな情報は、ホームページ
http://osakanet.web.fc2.com/kateikyoiku.html )に掲載します。

http://osakanet.web.fc2.com/kateisien.pdf

 第1章 総則
 第2章 保護者への支援
 第3章 親になるための学びの支援
 第4章 発達障害、虐待等の予防・防止
 第5章 親の学び・親育ち支援体制の整備


(前文)
 かつて子育ての文化は、自然に受け継がれ、父母のみならず、祖父母、兄弟、
地域社会などの温かく、時には厳しい眼差しによって支えられてきた。
 しかし、戦後の高度成長に伴う核家族化の進展や地域社会の弱体化などによっ
て、子育ての環境は大きく変化し、これまで保持してきた子育ての知恵や知識が
伝承されず、親になる心の準備のないまま、いざ子供に接して途方に暮れる父母
が増えている。
 近年急増している児童虐待の背景にはさまざまな要因があるが、テレビや携帯
電話を見ながら授乳している「ながら授乳」が8割を占めるなど、親心の喪失と
親の保護能力の衰退という根本的問題があると思われる。
 さらに、近年、軽度発達障害と似た症状の「気になる子」が増加し、「新型学
級崩壊」が全国に広がっている。ひきこもりは70万人、その予備軍は155万
人に及び、ひきこもりや不登校、虐待、非行等と発達障害との関係も指摘されて
いる。
 このような中で、平成18年に教育基本法が改正され、家庭教育の独立規定
(第10条)が盛り込まれ、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義
的責任を有する」と親の自覚を促すとともに、「国及び地方公共団体は、家庭教
育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家
庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と明記
した。
 これまでの保護者支援策は、ともすれば親の利便性に偏るきらいがあったが、
子供の「育ち」が著しく損なわれている今日、子供の健全な成長と発達を保障す
るという観点に立脚した、親の学び・親育ちを支援する施策が必要とされている。
それは、経済の物差しから幸福の物差しへの転換でもある。
 このような時代背景にあって、本県の未来を託す子供たちの健やかな成長のた
めに、私たち親自身の成長を期して、本条例を定めるものである。

第1章 (総則)

(目的)
第1条
1項 親およびこれから親になる人への「学習の機会及び情報の提供等」の必要
な施策を定めること
2項 保育、家庭教育の観点から、発達障害、虐待等の予防・防止に向けた施策
を定めること
3項 前2項の目的を達成するため、家庭教育支援推進計画を定めること

(基本理念)
第2条
家庭教育の支援は、次に掲げる条項を基本理念として、推進されなければならな
い。
(1) 親は子の教育について第一義的責任を有すること
(2) 親と子がともに育つこと
(3) 発達段階に応じたかかわり方についての科学的知見を共有し、子供の発達を
保障すること

(社会総がかりの取組)
第3条
前2条の目的および基本理念にもとづき、家庭教育の支援は、官民の区別なく、
家庭、保育所、学校、企業、地域社会、行政が連携して、社会総がかりで取り組
まれなければならない

第2章 (保護者への支援)

(保護者への支援の緊急性)
第4条
現に子育て中であるか、またはまもなく親になる人への支援は、緊急を要するた
め、以下に掲げる施策が、遅滞なく開始されなくてはならない

(母子手帳)
第5条
母子手帳交付時からの親の学びの手引き書の配付など啓発活動の実施、ならびに
継続的学習機会の提供および学習記録の母子手帳への記載措置の実施

(乳幼児検診時)
第6条
3ヶ月、6ヶ月、1歳半、3歳児検診時等での講習の実施ならびに母子手帳への
学習記録の記載措置の実施

(保育園、幼稚園等での学習の場の提供)
第7条
すべての保育園、幼稚園等で、年間に1度以上、保護者会等での「親の学び」カ
リキュラムの導入

(一日保育士、幼稚園教諭体験)
第8条
すべての保育園、幼稚園で、保護者を対象とした一日保育士体験、一日幼稚園教
諭体験の実施の義務化

(学習の場への支援)
第9条
保育園、幼稚園、児童館、民間事業所等での「親の学び」等の開催支援


第3章 (親になるための学びの支援)

(親になるための学びの支援の基本)
第10条
これまで「親になるための学び」はほとんど顧みられることがなく、親になる自
覚のないまま親になる場合も多く、様々な問題を惹起していることに鑑み、これ
から親になる人に対して次に掲げる事項を基本として、学びの機会を提供しなけ
ればならない。
(1) いのちのつながり
(2) 親になることの喜びと責任
(3) 子供の発達過程における家族と家庭の重要性

(学校等での学習機会の導入)
第11条
小学校から大学まで、発達段階に応じた学習機会を導入する

(学校用家庭科副読本および道徳副読本への導入)
第12条
小学校から高等学校まで、発達段階に応じて、次に掲げる事項を基本とした家庭
科副読本および道徳副読本を作成し活用する
(1) 家族、家庭、愛着形成の重要性
(2) 父性的関わり、母性的関わりの重要性
(3) 結婚、子育ての意義

(家庭用道徳副読本の導入)
第13条
前12条の内容に準じて、保護者対象の家庭用道徳副読本を作成し、高校生以下
の子供のいる全ての家庭に配付する

(乳幼児との触れ合い体験学習の推進)
第14条
中学生から大学生までに対して、保育園、幼稚園で乳幼児の生活に触れる体験学
習を義務化する

第4章 (発達障害、虐待等の予防・防止)

(発達障害、虐待等の予防・防止の基本)
第15条
乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大き
な要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深
く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる

(保護者、保育関係者等への情報提供、啓発)
第16条
予防、早期発見、早期支援の重要性について、保護者、保育関係者およびこれか
ら親になる人にあらゆる機会を通じて情報提供し、啓発する

(発達障害課の創設)
第17条
1項 発達障害の予防、改善のための施策は、保育・教育・福祉・医療等の部局
間の垣根を廃して推進されなければならない
2項 前1項の目的達成のために、「発達障害課」を創設し、各部局が連携した
「発達支援プロジェクト」を立ち上げる

(伝統的子育ての推進)
第18条
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうし
た子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する

(学際的プロジェクトの推進)
第19条
保育・教育・福祉・医療等にわたる、発達障害を予防、防止する学際的研究を支
援するとともに、各現場での実践的な取り組みを支援し、また、その結果を公表
することによって、いっそう有効な予防、防止策の確立を期す

第5章 (親の学び・親育ち支援体制の整備)

(民間の、親の学び・親育ち支援ネットワークの構築推進)
第20条
親としての学び、親になるための学びの推進には社会総がかりの取り組みが必要
なため、民間の、親の学び・親育ち支援ネットワークの構築を支援し、推進する

(民間有資格者の育成に対する支援)
第21条
親としての学び、親になるための学びを支援、指導する「親学アドバイザー」な
ど、民間有資格者等の育成を支援する

(「親守詩」実行委員会の設立による意識啓発)
第22条
親と子がともに育つ実践の場として、また、家族の絆を深める場として、親守詩
実行委員会を設立して発表会等の催しの開催を支援し、意識啓発をおこなう

(家庭教育推進本部の設置と推進計画等の策定)
第23条
1項 首長直轄の部局として「家庭教育推進本部」を設置し、親としての学び、
親になるための学び、発達障害の予防、防止に関する「家庭教育推進計画」を策
定する
2項 「家庭教育推進計画」の実施、進捗状況については検証と公表をおこなう

大阪維新の会による「家庭教育支援条例案」を巡るツイート議論まとめ2012-05-05

http://togetter.com/li/297397

大阪維新の会による「家庭教育支援条例案」に、発達障害についての無理解・偏
見が含まれていることを指摘、訂正するツイートを収録。

まとめ人自身も理解の浅い領域で、目に入った範囲でのまとめです。不備がある
ことと思いますので、追加すべき情報や適切でない投稿の収録について御教示い
ただければ幸いです。

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http://togetter.com/li/297826

家庭教育支援条例(案):橋下市長「発達障害の原因は愛情欠如ではない」
→乙武洋匡さん「ホッとしました」茂木さんと宮台さんもコメント!

橋下徹大阪市長 https://twitter.com/#!/t_ishin のツイートをまとめました。
『五体不満足』著者の乙武洋匡さんと脳科学者の茂木健一郎さんも応答していま
す。社会学者の宮台真司さんもコメントを発表しています。(5/3)

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http://togetter.com/li/297783

発達障害を巡る話題。全国LD親の会やJDDネットはどのようなアクションを取る
のだろうか。

2012年3月25日(日)東京の中野サンプラザにおいて、翔和学園創立10
周年記念「発達障害支援フォーラム」が開催されたそうだ。予定されていた講師
の顔ぶれは以下の通りである。

【講師】(あいうえお順/敬称略)
・石井京子/テスコ・プレミアムサーチ
・市川宏伸/JDDネット
・伊藤寛晃/翔和学園
・川端秀仁/かわばた眼科
・阪本浩明/プルデンシャル生命
・重徳和彦/くにおこし@愛知
・高橋史朗/明星大学
・田島良昭/コロニー雲仙
・谷和樹 /玉川大学
・辻井正次/アスペ・エルデの会
・中村朋彦/翔和学園
・宮尾益知/国立成育医療研究センター
・向山洋一/TOSS

中でも目を引くのが、市川宏伸/JDDネット理事長。辻井正次/アスペ・エルデ
の会・JDDネット政策委員長。高橋史朗/明星大学。感性・脳科学教育研究会会
長。向山洋一/TOSS(教育技術法則化運動)代表。らである。

翔和学園の案内(http://www.showa-gakuen.net/seminar/)によると、厚生労働
省、文部科学省、JDDネットワーク、発達障害の支援を考える議員連、株式会社
チャレンジドジャパン、NPO法人東京都自閉症協会、プルデンシャル生命、NP
O法人ふれあい囲碁ネットワーク神奈川などが、後援をしている。

さて、高橋史朗(感性・脳科学教育研究会会長)氏は、健全な男女共同参画社会
をめざす会「なでしこ通信第41号(平成23年9月1日)」
http://www.mezasukai.com/pdf/nadesiko-41.pdf)において下記のように述べ
ています(この件については高橋史朗氏に対して別途問い合わせ中)。

「私の教え子が1年間で3人も小学校教員をやめました。このうちの1人に話を聞
くと、「担任をしている35人の子供のうち、7人が発達障害の子供だった」と言
うのです。LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、自閉症などの子供
が2割いたわけです。1人を注意していたら、他の子供が動き始めてしまうのです。
昭和40年ごろは発達障害の子供は1万人に1人、つまり0.01%でしたが、現在では
小学校で2割近くいるわけです。この40年間で大きな変化が起きています。」

また向山洋一(TOSS・教育技術法則化運動代表)氏の進める「教育技術法則化運
動」については、例えば下記のような批判があります。私は以前、TOSS関係者に
質問したことがありますが明確な回答はもらえませんでした。どうなのでしょう


ニセ科学?道徳教育「水からの伝言」を斬るTOSS=向山洋一教育技術法則化運動
を問う http://www.kyo-sin.net/nisekagaku.htm

阪大サイバーメディア 菊池誠
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/JPSmeeting_kikuchi.pdf
「水からの伝言」と初等教育
「水の結晶」が小学校の道徳教材にTOSS(教育技術法則化運動)のウェブサ
イトを通じて、全国に広まるTOSSではすでに止めつつあるが、TOSS以外
に広まっている
 研究授業や教師の研修会などでとりあげられる
 権威付けられて、広まる 参観授業にも使われる 自信作

辻井正次/アスペ・エルデの会・JDDネット政策委員長については、「批判対象
を明確に特定できないままで政策提言」したことですでに批判。
http://koukaishitsumon.web.fc2.com/jddnet.html

JDDネットが後援しているということは、内容に問題なし、むしろ内容は推奨で
きるものと判断したと考えるがどうなのだろうか?NPO法人東京都自閉症協会の
名前も後援団体に見られるが、こちらへも近日中に質問をしてみたいと思う。

社団法人日本自閉症協会 大阪市会大阪維新の会宛要望書 2012/05/062012-05-06

http://www.autism.or.jp/report05/youbousyo/20120506.pdf

平成24年5月6日 大阪市会大阪維新の会幹事団 坂井 良和 団長殿
                 社団法人日本自閉症協会 会長 山崎晃資
               要望書

拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、報道によりますと、貴議員団が「家庭教育支援条例」(案)を大阪市議会
に提出されるとあります。しかしながら、同条例案の発達障害に関する部分は、
前提に明確な誤りがあり、内容に疑義があるばかりか、自閉症の人々およびその
家族に対する偏見を助長するのではないかという大きな懸念があります。従いま
して、全文にわたり、発達障害についての項目には再考が必要と考えますが、と
くに第15条と第18条については、大幅な修正を要望いたします。
前提条件の誤りといたしましては、まず、発達障害は脳の機能的な障害であり、
予防という概念が当てはまりません。第15条では、「乳幼児期の愛着形成の不足
が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因であると指摘され、
また、虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その
予防・防止をはかる」とあります。しかし、乳幼児期の愛着形成は子育てには重
要なものと考えますが、その不足が自閉症を含む発達障害の原因でないことは医
学的に確立されております。
また、発達障害の人々が虐待されたり、排斥されやすいことは事実ですが、それ
は、発達障害に問題があるのではなく、発達障害への無理解や支援のなさなどの
社会の側の問題として捉えるべきです。従いまして、虐待などの防止は、障害理
解の促進および支援の充実によって図られるべきであり、発達障害を防止すると
いう発想に立つべきではありません。発達障害は悪いものであるので予防や改善
をしないといけないという発想は、共生社会の実現に逆行するものです。
次に、第18条に、「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる
ものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる
人に提供する」とあります。繰り返しますが発達障害は脳の機能的な障害である
ため、わが国の伝統的子育てなどによって予防、防止できるものでも、病気のよ
うに治癒するものでもありません。この障害に対する正しい認識にもとづく療育
や支援と周囲の理解により社会的困難性を軽減することができます。
貴議員団の条例案のような発達障害に対する偏見や無理解により、当事者やその
家族は長年苦しめられてきました。先人達の努力により少しずつ理解が広まって
きておりますが、本条例により、その努力が水泡に帰し、偏見や無理解が助長さ
れることを危惧いたします。国連は2007年12月に毎年4月2日を自閉症啓発デーと
することとし、障害がある人もそうでない人も共に生きる社会の実現のために、
障害を持つ人々の権利と福祉を守るという決意を再確認しています。貴議員団の
発達障害に対する認識と政策案は科学的根拠を欠き、日本や世界のこの問題に対
する取り組みに逆行するものです。第15条および第18条の大幅な修正を含む全文
の修正を要望します。
最後に発達障害の正しい理解が進むことを切望するとともに、貴議員団のますま
すのご活躍をお祈りいたします。 敬具

家庭教育支援条例案に対する緊急声明 親学推進協会理事長 高橋史朗 平成24年5月8日2012-05-08

http://oyagaku.org/userfiles/files/rinnji20120508.pdf

 家庭教育支援条例案に対する緊急声明  親学推進協会理事長高橋史朗

大阪維新の会の大阪市議団が議員提案を予定していた「家庭教育支援条例案」に
対して、「大阪自閉症協会」など大阪府内を中心に活動する13団体が、「学術的
根拠のない論理に基づいている」として、条例案の撤回と勉強会の開催を求め、
市議団は5月市議会での提案を見送ったと報じられています。
5月6日に大阪維新の会は、「本条例は、維新案ではありません。ある県で提出さ
れた条例案を議員団総会にて所属議員に『たたき台のたたき台』として配布した
ものであり、今後の議論の材料として提出したもの」であることを明らかにして
います。
そのことは同条例案の前文に「本県の」と書かれていることからも明らかであり、
ある県の極めて粗雑な非公式な私案が一体なぜマスコミに流れたのか理解に苦し
みますが、私に対する不当な批判も散見されますので、見解を明らかにしておき
たいと思います。同条例案に「乳児期の愛着形成の不足が軽度の発達障害やそれ
に似た症状を誘発する大きな要因」「伝統的子育てによって(発達障害は)予防
できる」と書かれていることに対して、「親の育て方が原因であるような表現は
医学的根拠がない」というのが、批判の最大のポイントになっています。この批
判の箇所については、私の見解とは異なる点があります。
発達障害の原因は先天的な基礎障害(impairment)ですから予防はできませんが、
斎藤万比古総編集『発達障害とその周辺の問題』(中山書店)によれば、乳幼児
期の早期に出現するとされる能力障害(disability)、さらに、学童期から思春
期にかけて出現するとされる二次障害は「個体と環境の相互作用の結果の産物」
として理解する必要があり、一つの側面として「発達障害は関係障害である」と
も指摘されています。
したがって、子供たちに大きな影響を与える環境を整えることは、症状の予防や
改善につながると考えることができます。
また、文部科学省の脳科学に関する報告書も「遺伝要因と環境要因が複雑に絡み
合って発症する」と述べ、世界保健機関(WHO)は11年前に障害分類を改定し、
個人の障害を環境との関係性の中で捉え、個人因子と環境因子の相互作用を重視
する視点に転換しました。
さらに、浜松医科大学の杉山登志郎教授は、高齢出産やたばこの影響、多胎、未
熟児、生後から1歳までの環境要因の積み重ねが発達障害の要因になりうると、
指摘しています。このように子供の発達にみられる後天的、二次的障害にウェイ
トを置いて発達障害に言及する科学的知見も見られます。家庭教育は子供の発達
の支援であるという立場に立てば、このような科学的知見は、特にこれから親に
なる人たちに一刻も早く提供する必要があるのではないでしょうか。より早期の
対応が有効ともいわれています発達障害の予防と早期発見、早期支援に全力をあ
げる「未来への投資」こそが求められているのです。
勿論、「乳幼児期の愛着形成不足」が先天的な基礎障害の「大きな要因」ではあ
りません。その点では条例案は不適切です。しかし、二次障害に環境要因が関係
していることは明らかですから、二次障害については、早期発見、早期支援、療
育などによって症状を予防、改善できる可能性が高いといえます。
その意味で、発達障害児・者の親の心情に最大限の配慮をしなければなりません
が、親を責め傷つけることにつながるという理由で、環境要因や育て方が二次障
害に関係するとの見解までもタブー視し、「疑似科学」と不当なレッテル貼りを
してしまうことは、子供の「発達を保障」することによって得られる子供の「最
善の利益」を損ねることになるのではないでしょうか。
親の「人権侵害」だと声高に叫ぶ人たちには、子供にも発達段階に応じて親から
保護される権利があり、教育基本法第10条が「父母その他の保護者は、子の教育
について第一義的責任を有するものであって・・・・・心身の調和のとれた発達
を図るよう努めるものとする」と明記していることも忘れないでほしいと思いま
す。
いずれにしても、この専門領域については未だ研究途上にあり、専門家の見解が
分かれているので、見解を異にする専門家からのヒアリングをしっかり積み重ね
「発達障害」という用語の定義を理解し、共通理解を深めたうえで、十分に論議
を尽くして再出発する必要があると思われます。
混乱を招いた一部不適切な条例案のために家庭教育支援条例の全体を葬り去るこ
とは将来に禍根を残すことになります。
今後、国会議員の勉強会でも発達障害と虐待の関係(虐待の連鎖―虐待に起因す
る「発達障害的症状」)、発達障害の環境要因と伝統的子育て(関わり方)など
について専門家からヒアリングを行い、科学的知見に基づく情報の提供に努めて
まいりたいと思います。                  平成24年5月8日

災害時における放送通信のありかたに関する要望書 障害者放送協議会2012-05-09

災害時における放送・通信のありかたに関する要望書   2012年5月9日

                            障害者放送協議会

 東日本大震災において、障害者からは次のような困難が報告されている。
 視覚障害者:○サイレンや放送を聞いても1人では逃げられない、○津波や火
 災時は介護者がいないと死につながる、○テレビ画面の文字が読めないので避
 難 情報がわからなかった
 聴覚障害者:○防災無線が聞こえなかった、○誘導の声がわからない、○避難
 場所がわからなかった、○テレビの字幕・手話がなかったので避難情報がわか
 らなかった
 精神障害者:○「突然」に弱いので、突然地震や津波が来ると幻聴がひどくな
 ったりパニックになって固まってしまったりする、○どこに避難したらいいか、
 どうしたらいいのかもわからず逃げられない

 このような、困難を解消し、障害者が災害時に避難できるように、次のことを
要望する。

1.東日本大震災における障害者の被災状況についての統計データを明らかにす
 ること。
 今後の障害者の災害対策を検討するための基礎的データとして、障害者の被災
者数、被災状況、死亡統計、震災における生死を分けた理由、具体的事例等につ
いて、内閣府、厚生労働省、警察庁が地方自治体協力のもと、国の責任として統
計データ等を集計していただきたい。

2.災害に対する日常の対策について
(1)防災対策検討に必ず障害当事者を含むこと
 これまでの防災計画などでは、障害者対策が十分含まれてこなかった点を反省
し、内閣府政策統括官(防災担当)の責任において、国や地方自治体の防災対策
においては、必ず障害者についても配慮すること。また、そのために、政策決定
過程に必ず障害当事者を参画させること。
(2)地域・施設における適切な避難訓練の実施
 以前から町や自治会の人と一緒に避難訓練を実施していたので、安全に避難す
ることができた、事前に正確な知識や情報の共有をすることで避難ができたとい
う報告もあり、地域・施設における避難訓練の実施が有効であることがわかった。
これらの避難訓練を実施するような施策を実施していただきたい。
(3)適切な避難訓練用教材の作成
 避難訓練の実施に際して、障害の種別ごとに、アクセシブルで適切な訓練用教
材を作成して提供する必要がある。特に、精神障害者、発達障害者については、
避難の方法を学ぶとき、耳で聞いただけではわからなかったり、目で見ただけで
はわからないことがあるので、音、写真、文字などが同時に再生されるDAISY規
格によるマルチメディア教材の効果があったことが報告されていることから、こ
れらの適切な避難訓練教材を提供することをお願いしたい。
(4)障害者向け緊急情報受信システムの構築
「目で聴くテレビ」を全障害者対応として、日常的に視聴できる、している体
制を作ることが大切である。緊急災害のある場合だけ放送するのでは、とっさの
緊急災害に対応できない。いつでも、日常的に視聴していて初めて緊急災害放送
となる。そのためにも、聴覚障害者情報受信装置を障害者情報受信装置として、
聴覚障害者以外にも給付し日常の障害者関連情報を受信できるようにするととも
に、後述のようにJ-ALEARTを活用し、字幕・解説・手話・点字により緊急時の放
送・情報を送信・受信できるシステムを構築していただきたい。
また、後述のようにこの障害者向け情報受信装置を公共施設、とりわけ障害者
が日常出入りする場所に設置し、障害者に必要な情報を保障していただきたい。
 当面、視覚障害者向けのテレビ音声を聞けるラジオを日常生活用具として指定
するよう各市町村に働きかけていただきたい。

3.災害発生時について
(1)障害特性に応じた避難情報の確実な提供
 冒頭で述べた困難を解決するために、障害者向け緊急情報受信システムの活用
により、災害発生時に避難情報が確実に伝わるシステムの構築をお願いしたい。
例えば、携帯用の障害者向け情報受信装置の給付や避難場所での同装置の設置な
どをお願いしたい。
(2)J-ALERTの活用
 J-ALERT(全国瞬時警報システム)は、大規模災害や武力攻撃事態が発生した
際に、通信衛星を利用して、瞬時に防災行政無線などを通じて住民へ緊急情報を
伝達するシステムであるが、障害者に対する配慮がなされていない。このシステ
ムを上の障害者向け情報受信装置の活用、振動やフラッシュなどで信号を伝える
警報装置の開発などにより障害者の避難に利用できるよう改善していただきたい。
(3)コミュニティにおける人のネットワークのづくり
 障害者にとって避難時にはコミュニティにおける人の支援が必要である。2の
避難訓練の実施と共に、地域の避難誘導体制(声かけ体制等)の整備をお願いし
たい。また、ローカルFM放送局を設置し、防災無線の内容をFM放送により聴取
できるシステムを全国的に整備していただきたい。

4.避難後について
(1)避難所での人的支援
 視覚障害者については、避難所にテレビがあっても、1台しかないテレビでは
視覚障害者は近づくことができない。聞こえたとしても、「このスーパーが何日
から開きます」とか、「こういう支援が始まります」という情報が、テロップで
入るのでわからない。避難所に貼り紙がされて、これから弁当がもらえるという
ような随時必要な情報を読み上げて欲しいという課題がある。また、避難所のト
イレまでの移動、トイレの形、水の流し方など教えてもらう必要がある。
 聴覚障害者については、避難所生活の食料等、物資の配給等の放送がまったく
聞こえず、それを得られなかった。また、周囲の人とのコミュニケーションがで
きないために、そのような情報を得られなかったという課題があった。
 盲ろう者については、単独での行動は不可能である。
 精神障害者や発達障害者については、理解のしやすい、安心できる、具体的な
情報を提供することが必要である。
 避難所でのこのような課題に対する人的支援について配慮できるよう緊急時の
障害者のためのコーディネーター、視覚障害者のためのガイドヘルパー、聴覚障
害者のための手話通訳者、要約筆記者等を配置できる日頃からの体制づくりをお
願いしたい。
(2)安否確認のための個人情報提供について
 今回の震災では、個人情報保護法の制約の為に、障害者についての安否確認や
行方不明の方の人数が把握できないということがあった。また、政府から緊急災
害時は同法の制限が通知されたにも関わらず、末端自治体まで徹底していないと
いうこともあった。迅速に障害者の安否確認ができるような情報提供体制を構築
していただきたい。
(3)避難地での放送通信情報の確保
 今回の震災では、視覚障害者、聴覚障害者に対して、テレビやラジオなどの震
災情報は、命にかかわる問題であるにもかかわらず、十分な対応がなされなかっ
た。
 例えば、震災2日後には、首相官邸における内閣官房長官の記者会見に、初め
て手話がついたにもかかわらず、ニュースの画面では手話通訳が削除されるとい
うことがあった。記者会見にはオープン手話をかならずつけるようにお願いした
い。また、震災直後から首相官邸の記者会見には字幕放送がないままである。必
要な情報が障害者に伝わるように、震災情報には、ローカル番組を含め、かなら
ず、解説放送、字幕(オープン)、手話を挿入するよう制度化していただきたい。
 さらに、上述の障害者向け情報受信装置を活用し、障害者に緊急情報を提供す
るようにしていただきたい。その際、停電時にも同装置が動作するよう、バッテ
リーや給電装置等の確保をお願いしたい。

[障害者放送協議会構成団体]
社会福祉法人日本身体障害者団体連合会(中央障害者社会参加推進センター)
社会福祉法人日本盲人会連合
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会
財団法人全日本ろうあ連盟
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
社会福祉法人聴力障害者情報文化センター
社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
財団法人日本知的障害者福祉協会
社団法人日本自閉症協会
全国社会就労センター協議会
きょうされん
特定非営利活動法人 日本障害者協議会
社会福祉法人全国社会福祉協議会
特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会
社会福祉法人 視覚障害者文化振興協会
特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会
特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構
特定非営利活動法人 全国聴覚障害者情報提供施設協議会
特定非営利活動法人 支援技術開発機構
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ (第6,7,8回) 議事録2012-05-12

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討
ワーキンググループ(第6回) 議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1321033.htm

【福島委員】 福島です。各論部分については、大分議論が進んできましたけれ
ども、合理的配慮というのは皆さんも御存知のとおり、国連の人権条約である障
害者の権利条約に基づく人権、あるいは差別の禁止といった理念と一体であるこ
とももちろん忘れてはいけません。そのため、現在、実質的にはガイドラインと
いう形でまとめられつつある当ワーキンググループの報告書の部分に、ガイドラ
インの総論として、各論の適用に関する諸原則のようなものを明記しておく必要
を感じています。
 一般論としてガイドラインには法的拘束力はなくて、その解釈あるいは判断と
いうのは、地方自治体に任されているわけですが、一例として国、地方の間の通
知、昔は通達というのがありましたけれども、皆さん御存知のとおり地方分権一
括法の施行で今は通知というものに変わっており、通知には法的拘束力はないに
も関わらず、しかし実際は、地方自治体における運用においては、この通知とい
うものがかなり大きな影響を与えている、ということも周知の事実だと思います。
 そこで、今日は資料4に、当ワーキンググループの報告の総論にあたる部分に
明記されるべき原則について、7項目にわたってまとめてみましたので、簡単に
説明させていただきたいと思います。今、御説明いただいた資料2の部分とかな
り重複している部分もあるかもしれません。
 まず一番初めに、これはこの会議が始まって以来ずっと申し上げておりますが、
原則としては場所だけに依拠をしないということです。通常の学級、特別支援学
級、特別支援学校のいずれを就学先として選択しても、その障害のある子どもの
個別のニードに即した合理的な配慮を確保するということが必要だと思います。
 二点目が、親に依存しないと書かせていただきました。学校や教育委員会は、
非常に安易に親の付き添いを求めてきます。親の付き添いというのは、単に親の
身体的、あるいは経済的負担だけではなく、親が付き添うことによって、学校が
全て親任せの思考停止の状態になってしまう、あるいは、本人の自立を阻害し、
周りの子どもたちとの間に不自然なバリアーのようなものを形成してしまうよう
なこともあって、非常に好ましくないというのが、私の経験上の結論です。
 三点目は、個別の配慮は当事者の参加と合意によるということです。個別支援
に係る合理的配慮の提供については、本人又は親の参加による同意を条件とする
ということです。例えば、介助員の配置等の個別の支援については、この配置を
するという合意形成の過程への参加というプロセスがとても大事です。つまり、
支援の一方的な押し付けにならないような配慮が必要ということです。
 四点目が、一律に上限や制限を設けないということです。合理的配慮は、本人
の個別ニード及び親の意見をもとに規定されるべきものであって、一律の上限や
制限を設けるべきではないということです。
 それから五点目です。学校教育は私事一般よりも高い次元を志向するというこ
とです。均衡を逸した又は過度の負担を課さないものという但し書きの適用に関
してですが、学校教育における合理的配慮というのは、やはり私事一般のものと
比べるとより高い次元のものが求められて当然だと思います。この但し書きが、
合理的配慮を提供しないというエクスキューズ、お金がないからしなくてもいい
という言い訳に使われないように、きちんと押さえておく必要があると思います。
 それから下から二番目が反対解釈の禁止と書かせていただきましたけれども、
当ワーキンググループの定める合理的配慮、あるいは配慮事項等はあくまでも例
示でありますので、ここに書かれていないからといって配慮しなくても良いと解
されないように、きちんと明言する必要があるのではないかと思います。
 最後が救済制度の確保ということで、疑義や紛争が発生した場合の解決の仕組
みとして、先ほどもお話にありましたけれども、第三者機関による調整や判定、
不服申立て等の救済制度が必要ではないか、とまとめさせていただきました。以
上です。

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。何度か同じようなことを
申し上げているのですけども、この特別委員会とワーキンググループですけれど
も、国連の障害者への権利条約への批准に向けた検討ということで、各省庁にお
いて各分野の検討を行うという昨年6月の閣議決定を受けたものと理解をしてお
ります。
 それから、昨年の12月に論点整理において、特別委員会でインクルーシブ教育
への理念とそれに向かっていく方向性に賛成するという基本的な考え方を示して
おりますけれども、発達障害の団体の代表する者として、また、個人としても、
この考え方に賛同しております。昨年来何度も同じ話をさせてもらっているので
すけれども、今回の検討は障害者の権利条約に批准する、ということを最低限で
きるような内容にしていくことが、我々の責務だと思っております。
 昨年から申し上げてきた国立特別支援教育総合研究所で、各国の状況等につい
てこの春頃、一度御披露いただきまして、あまり杓子定規なところではなくて、
各国において結構柔軟性をもって対応しているということも分かったのでありま
すけれど、我々ワーキンググループの中ではある程度の水準と言いますか、ミニ
マムなところは何か示しておく必要があるのではないか。我々の責務ではないか
と思っているところであります。
 今回のワーキンググループの報告書では、合理的配慮について通常の学級、あ
るいは通級による指導、特別支援学級、特別学校の設置とか、その場に共通する
ものであるという御意見で今まとめられようとしております。この点について私
は異を唱えておきたいと思います。報告書案の資料2でも引用されているのです
けれども、障害者の権利条約の第二条において、「「合理的配慮」とは、障害者
が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確
保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、」とうたわれています。こ
この「他の者と」というところがありますけれど、何を言わんとしているかとい
うと、権利条約の第二条、あるいはその他の部分、あるいは前の前段の定義を見
て、アザーズという言葉がどう使われているかというところを見ると、恐らく障
害のある方が一般の中に入った時にその一般の方、障害のない方と同等のあるい
は差別を受けないということを、意識して書かれているものと理解をしています。
 ここのワーキンググループの中で通常の学級、通級における指導、特別支援学
級、それから特別支援学校、どの場合においても配慮が必要だということは私も
賛成しているのですけども、合理的配慮と言った場合にまずは通常の学級におい
て障害のあるお子さんが入った場合に、最低限ミニマムでこのくらいの合理的配
慮が必要だ、というところはまず言った上で、通級や特別支援学級や特別支援学
校においてはこういう配慮が必要だ、という二段構えにすることが必要だと思い
ます。しかし、どの場合にも配慮が必要だと言ってしまいますと、元々の障害者
の権利条約の第二条で求めているところの合理的配慮の、私は多分一番大事だと
思っている障害のあるお子さんが一般の中に入った時に差別を受けない、という
大切な部分が薄れてしまってそこがきちっと示せないのではないか、と思ってお
ります。ですから、今いただいている案の中でいきますと、通常の学級の中にお
ける配慮ということを一段格上げして書くべきではないか、というのが私の意見
です。

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特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討
ワーキンググループ(第7回) 議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1321034.htm

【尾崎主査】 ありがとうございました。続きまして、ワーキンググループ報告
について、自由討議とさせていただきます。発言のある方は、挙手をお願いいた
します。福島委員、どうぞ。

【福島委員】 福島でございます。おはようございます。私の方で資料4を用意
させていただきましたので、そちらも見ていただきながらお話をさせていただき
たいと思います。まず、はじめに1点確認をさせていただきたいのは、前回第6回
のワーキンググループの資料2で、環境整備と個別の合理的配慮という言葉が出
てきたと思います。今日の資料を見ると、共通的環境整備と合理的配慮という言
葉が使われているのですけれど、これは単に言葉が置き変わった、つまり環境整
備というのが共通的環境整備に、個別の合理的配慮が合理的配慮という呼び方に
なったということで、中身としては変わっていないという理解でよろしいでしょ
うか。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井です。基本的には変わ
らないという整理です。

【福島委員】 ありがとうございます。
 では、それに基づいて資料4について説明をさせていただきたいと思います。
まず1の共通的環境整備と合理的配慮の関係について、ということでありますけ
れども、前回の資料は、言葉で書いてあったものですから、私自身、理解が少し
難しかったということもあり、概念図を使って整理をしてみました。1の概念図
は先ほどの資料2の26ページの図と同じことを示しているのではないかと思って
おります。この私のお示しした概念図は、1人の障害のある子どもが各就学先を
選択した場合において、受ける合理的配慮を示したものであって、それぞれの学
校における合理的配慮の総量を示したものではありません。あれこれと資料が飛
んで申し訳ないのですが、第4回のワーキンググループの時に、私が提出した資
料6というのが、ピンク色のバインダーの中に入っております。小さい字で見に
くいのですが、横書きの各学校で受ける支援の一覧表、小学校・中学校・高等学
校における支援をまとめているものがあります。これと関連する形で説明させて
いただきたいと思います。
 私の子どもは肢体不自由があって、今、通常の学級に通っているわけですけれ
ども、そのようなイメージでこの1の表を見ていただきたいと思います。まず、
就学先によって共通的環境整備の部分が異なるということになるわけですから、
共通の配慮の観点に基づく合理的配慮というのは、特別支援学校・特別支援学級
・通常の学級の順で多くなるという形になるのではないかと思いますが、その理
解で正しいのかどうか確認していただきたいと思います。このワーキンググルー
プでも今まで通常の学級における合理的配慮を検討すれば良いのではないか、と
いう複数の委員の御意見もありましたけれども、この概念図を見ると、原則とし
ては通常の学級における合理的配慮の部分を充足すれば、当然それよりも共通的
環境整備としての度合いが高い特別支援学校あるいは特別支援学級の合理的配慮
というものは満たすことができるのではないかと理解できます。ただし、学習集
団の規模であるとか、設置校数が限定されるという特別支援学校における特有の
事情もありますので、そのような特有の合理的配慮というものも例外として必要
なのではないかと考えております。
 それから、裏側の2の概念図を御覧ください。これは、学校における配慮事項
等と権利条約における合理的配慮との関係についてまとめてみたものであります。
私の理解は、合理的配慮は権利条約の合理的配慮と同じ意味であって、かつ学校
における配慮事項等は権利条約の合理的配慮とほとんど重なるという理解をして
いるのですが、このような理解で良いのかどうかを皆様で御議論していただけれ
ばと思っております。つまり、共通的環境整備の部分については一部、権利条約
の合理的配慮と言えないものもあるかもしれませんが、原則としては、環境整備
の部分も権利条約における合理的配慮と言えるのではないかと思いますので、そ
の辺りに関しても本日御議論いただければと思います。

【尾崎主査】 ありがとうございました。環境整備と合理的配慮の関係について
の考え方について、福島委員なりの整理がなされました。多少違いはありますけ
れども、それも踏まえた上で皆様から御意見を出していただきたいと思いますが、
いかがでしょうか。山岡委員どうぞ。

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークの山岡です。合理的配慮と共通的環境
整備ということで整理していただきまして、ありがとうございました。割とすっ
きりとして、分かりやすくなったのではないかと思います。これからの進め方に
ついて意見を述べたいと思います。これからこのワーキンググループでまとめて
特別委員会に上げて、中教審の方に上げていくのだろうと思うのですが、合理的
配慮や共通的環境整備について、例えば合理的配慮については、指針を示すとい
うお話があったのですけれども、これは、別途ガイドラインを作るというような
動きがあるのかどうか確認したいということです。それからもう一つ、細かい点
は別途申し上げたいのですが、先ほどの福島委員のお話の図、事務局で御用意い
ただいた26ページの図を見て思ったのですけれども、この報告書、ワーキンググ
ループの案の中にも入れていただきたいと思うのですが、この26ページの図で見
ると、環境整備は一律に用意される。個々のニーズに応じて合理的配慮の大きさ
は違うということが見えるのですが、恐らく環境整備も個々のお子さんがいる学
校となると、凸凹があって、それに基づいて合理的配慮の幅も変わるのではない
かと。その両方を混ぜてはならないのかもしれませんが、そのような感じがして
おります。そのように考えると、環境整備は共通的という言葉も付いてしまって
いるので、かえってそうなるのかもしれませんが、一律に用意されるというよう
に思えるので、その辺りのお考えですとか、工夫、合理的配慮の中身が変わるこ
とも言えるのか等、お聞きしたいと思います。

【尾崎主査】 山岡委員は質問二つということですね。まず指針のことについて
は、合理的配慮の観点という形で整備をするというようにいたしました。よろし
いでしょうか。それから、共通的環境整備と合理的配慮については、資料2の26
ページを御覧いただいたように、ここで言っているのは関係図で量を表すもので
はありません。ただし、本文の中では、合理的配慮は共通的環境整備の状況によ
って、十分できる環境などがあるということは認識しておいて欲しい。しかし、
それを表す図ではないという話ですので、よろしくお願いいたします。考え方の
図だということで提案はさせていただきます。

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特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討
ワーキンググループ(第8回) 議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1321035.htm

【尾崎主査】 ありがとうございました。続きましてワーキンググループの報告、
資料2に基づきまして、自由討議とさせていただきます。前半の部分についてで
す。御発言のある方は挙手をお願いいたします。

【西滝委員】 はい。西滝です。

【尾崎主査】 西滝委員。

【西滝委員】 全日本ろうあ連盟の西滝です。まず資料1の、はじめに、のとこ
ろです。資料1は概要ですので、資料2のどこかに書かれているとは思いますけれ
ども、資料1で申し上げた方が早いと思います。まず一つ、はじめにの丸の二つ
目になります。下から3行目「合理的配慮」について教育委員会、学校、各教員
が正しく認識しなければならないというまでもないが、というそういう文面があ
りますけれども、その「合理的配慮」については認識の問題ではなくて、もう少
し言葉については正しく認識し、取り組まなければならないことはいうまでもな
い。取り組まなければという、そういう言葉を入れていただきたいと思います。
 それから二つ目ですが、資料2の32ページ、基礎的環境整備ということで、基
礎的な環境整備の中に特別支援学校が含まれるという考え方が6ページの(5)の
○1に書かれています。基礎的整備はそのとおりだと思いますが、特別支援学校
でくくってしまうとおかしくなる。ですから特別支援学校については、特別支援
学校、盲学校、ろう学校という併記をして欲しいと思います。全体的に全ての特
別支援学校というかたちの括り方は現状にはそぐわない。特別支援学校及び盲学
校、ろう学校という書きぶりに変えていただけないか。あるいは特別支援学校と
は何かという定義をきちんと盛り込んでその中にろう学校を含む、盲学校も含む、
特別支援学校の現状に合わせた書き方に変更をお願いしたいと思っています。以
上です。2点申し上げました。

【尾崎主査】 今御意見ということではあろうかとは思うのですが、特別支援学
校についての定義、法律上の定義については事務局の方で説明をお願いしたいと
思うのですがいかがでしょうか。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井です。特別支援学校の
法律上の定義ということですので、御紹介申し上げますと、学校教育法に第72条
というものがございまして、読み上げますと特別支援学校は視覚障害者、聴覚障
害者、知的障害者、肢体不自由、または病弱者(身体虚弱者を含む以下同じ)に
対して、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を施すとともに、
障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識・
技能を授けることを目標とするという定義になっております。

【尾崎主査】 ありがとうございました。今の意見も踏まえてまた内容等は検討
させていただきます。西滝委員お願いいたします。

【西滝委員】 西滝です。この定義につきましては、ろうあ連盟は特別支援学校
にろう学校が吸収されるということで反対をしています。現実を見ますとやはり、
ろう学校がなくなって、あるいは統合化するというような状況で、これは非常に
問題があるという考え方を持っております。そういう定義があるのはもちろんで
すが、承知しておりますが、改めてこの場で申し上げておきたいと思います。

【尾崎主査】 御意見としてお伺いしたいと思います。他に御意見ありますでし
ょうか。前回御意見いただいたところで、かなりそれを踏まえて直した点もあり
ますので、それを踏まえて御意見いただければ大変ありがたいなと思いますが、
いかがでしょうか。山岡委員。

【山岡委員】 3点ほどございます。まず資料2の方で2ページなのですけれども、
今、西滝委員が言われたところとちょっと同じ近いところなのですけれども、2
ページの○6の下から4行目から始まっている文章。また、から始まって最後のと
こなのですけれども、ここを読んで、前回は気にならなかったですけれど、今回
すごく気になっています。下から2行目で、保護者当事者も含めて地域における
理解も進んでおらずとなっている部分が、凄くひっかかったのです。前回の同じ
部分を見たら理解はになっていました。何が違うのかと思ったのですけれど、理
解も進んでおらずというのは保護者当事者地域が悪いみたいな意味がちょっと出
てしまいます。は、でいくと一般にそうだよねと言っている感じなのですが、も、
にしたためになんとなく凄く、ここの部分がひっかかります。なので、は、にし
た方が良いのではないかという意見です。
 次です。3ページの真ん中○3のところです。均衡を失した過度の負担について。
これは前回なかったところが今回加わった部分ですけれども、その一番最後に、
全くできないとすれば何を優先するか、という文言があります。この○3のとこ
ろの文章を読むと、要するに合理的配慮が個別に判断をすることであり、それか
ら個別に判断する内容はおそらく、ここで言わんとするところは各学校の設置者、
あるいは学校と当事者の間で話し合って決めていくと、そういうようなことを想
定した箇所です。最後の部分を見るとその際現在必要とされている「合理的配慮」
について、全くできないとすれば何を優先するかについて、と書いてあります。
まず一つ目は、全くできないとすれば、という文言は必要なのかどうかというこ
とです。言わんとすることはよく分かるのですけれども、その時にまず個別に
100%はできないということはもちろんあるかもしれないのですけれども、合理
的配慮というとおそらく個別の問題はそうかもしれないのですけれども、実際に
はその場でその行為ができなくても、別のところはできるとか、あるいは今でき
なくても来年はできるとかということもあり、全くできないとすればという言葉
を付けることによって、否定から入っているように見えてしまうため、あんまり
ふさわしくないのではないかと思います。何をやめて何を優先するかということ
ですので、この部分は前半の部分とどうも合ってないような気がします。何を優
先させるかについて、関係者の共通理解を図り、取り組む必要があるとか、その
ような文言の方が良いと思ったのですが、いかがでしょうか。

【横井特別支援教育企画官】 事務局から補足ですが、「全くできない」ではな
くて、「全てできない」と記載しています。

【山岡委員】 理解しております。言い方を間違えました。全てです。それで意
見は同じなのですけれど、そうですね、そこのところがちょっと、なんかこうで
きないところから入ってしまっているように見えるので、書きぶり等を変えた方
が良いという意見です。
 それから6ページです。6ページの真ん中あたりに、「通級による指導、特別支
援学級、特別支援学校と「合理的配慮」の関係について」の部分ですが、○4と
ありまして、前回も同じ文言がありました。ここに対してなのですけれども、ま
ず、これも読んでいて、やらない前提から入っているような文言、文章になって
います。やらないぞ、だけど嫌々やっているみたいな雰囲気のような文言に思え
てしまう。消極的な姿勢からというのと、それから設置者の学校側はやりたくな
い方、障害がある人とか本人は求めている方のような対立の構図が頭にあるよう
な文言に見えてしまうのです。それから後半の事例がすごく悪いです。ここでは
通常の学級に在籍している障害のある児童に対して支援員を配置したものの、他
の子どものための教室の学習環境の維持であったり、本人の安全面の補助のため
だけになり、ということがあってと書いてあります。もう少しここでは、お子さ
んのためにどういう支援をするかという観点等、プラスの観点の方を書いていた
だきたいと思います。どちらかと言うとこれを見ていると、先日イギリスの例で
ビックリとしたのと同じで、他のお子さんの妨げになっているのを何とか防いで
いるというようなことを書いてあって、ちょっとなんとなくここで出てくる文言
としてはあまり良くはないのではないかと思います。おそらくお子さんのニーズ
に応じて、効果的な教育支援をするのにふさわしくない。あるいは通常の学級の
大人数の中ではできないので、個別とか少人数とか取り出した方が良い例がある
といった事例を挙げていただくと納得性があるのですけれども、なんとなくネガ
ティブな例を挙げてあるように見えるので気になります。前回もあったのに申し
訳ないのですけれども、ちょっとここの後半の部分の書きぶりを直していただき
たいなと思います。以上です。

【尾崎主査】 3点について書きぶりについての御指摘だったと思いますので、
また十分検討していきたいと思います。他に委員の方でいかがでしょうか。福島
委員お願いいたします。

【福島委員】 福島です。私も議論の一つの材料として、資料4を用意させてい
ただきました。少し説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。

【尾崎主査】 お願いします。

【福島委員】 資料4は、9月に行われました第4回のワーキンググループの資料6
に、この数ケ月間に発生した事例を、反映したものです。★印の付いている部分
が、今回加筆をしたところです。具体的に申し上げますと、校外学習が先日行わ
れて、高校1年生の打ちの子どもも参加をしてまいりました。行った場所は電車
の駅の近くではあったのですが、駅がバリアフリー化されてなかったため、こち
らの側で車を用意して参加するという条件を示されまして、仕方なく障害福祉サ
ービスを利用して参加をしました。ここに書いてあるような自己負担と言います
かお金も発生したということです。
 それからもう1点は修学旅行が今年の秋に予定をされておりまして、つい先日、
学校経由で、埼玉県教育委員会からの基本的な考え方がこちら側に伝えられまし
た。1点目は親が自弁で介助者を用意する、または親の付き添いを求めるという
こと。2点目が現地の移動や宿泊に関する経費の増額分については親が負担する
べきだというお話がございました。これを具体的に申しますと、うちの子どもが
参加をする為には、私が付き添うということであれば、4日間、平日に休みを取
って、旅費その他増額分というのが20万円ぐらいだそうなのですけれども、つま
り2、30万のお金を負担しなければ、参加ができないということであり、事実上
排除をされているということではないかと考えます。
 このように通常の学級に就学している障害のある子ども、特にADLの自立のな
い子どもの場合、修学旅行を含む校外の学習活動において、このような事例とい
うのは枚挙にいとまがないというのが現実であります。この事例においては小・
中学校ではできていたことが、実施主体の異なる高校となってしまうと途端にで
きなくなってしまうという点も看過できないと思います。しかも高校生の生徒に
親の付添いを求めるということに対する教育的視点が皆無な点について真に残念
と言わざるを得ません。
 これらの問題につきましては、当ワーキンググループの当初から何度も具体的
な問題として御指摘をしてきたところですけれども、今回の報告書案を見るとこ
ろ、これらの点に言及したところが見当たらないというところを少し心配をして
おります。
 ここでこの事例が、当ワーキンググループの議論と密接に関連していると思わ
れる三つの重要な視点について、指摘をしておきたいと思います。1点目は学習
活動の一環として全員参加が原則の学校行事にもかかわらず、学校または教育委
員会が合理的配慮の提供を行わない結果、子どもがその行事に参加できないとい
うことが許されるのかという視点です。2点目は子どもがその学校行事に参加を
するために、親に過大な身体的あるいは経済的な負担を求めるのは許されるのか
という視点です。3点目は本日の論点になっている基礎的環境整備と合理的配慮
の概念整理に当てはめて考えてみますと、学校の種別によって基礎的環境整備の
水準が大きく異なっているわけですけれども、それが今回のこの問題発生の大き
な要因ともなっている。この状態は、今後のインクルーシブな教育下においても
許されるものなのかという視点です。この3点目につきましては、学校の種別に
よって基礎的環境整備の水準が違うということを当面の間、是認するのであれば、
前回のワーキンググループの資料4にて、私の方からお示しさせていただきまし
たように、通常の学級における基礎的環境整備の相対的な不足部分を、個々の合
理的配慮で補うという方法を取らなければ、それは間接差別にあたるのではない
か、と私は考えます。ただいま問題提起させていただいた事例はまさに学校現場
において現実に、リアルタイムで起こっていることであります。こうした事例が、
このワーキンググループ報告書がまとまった後にも、繰り返されるようなことの
ないようにとの思いから紹介させていただいたのですけれども、是非とも報告書
に、参加を保障するという視点を盛り込んでいただきたいと思っております。以
上です。

【尾崎主査】 親の付き添いの話とそれから学習の参加に伴う環境整備の違い等
についての御意見だったと思いますが、これに関連する御意見はありますか。よ
ろしいですか。校種によって基礎的な環境整備の状況が違うということを踏まえ
た上での御発言だったと思うのですが、整理もそのようにはしているところです。

大阪維新の会等の「家庭教育支援条例案」へ JDDネット等が要望書提出2012-05-13

http://togetter.com/li/301437

全国LD親の会やJDDネットからのアクションが注目される。しかし、JDDネット代
表と高橋史朗氏が仲良く?文科省・厚労省後援のシンポジウムに同席しているよ
うでは大丈夫?  http://t.co/9TZA0s6t まとめました。

【まとめ主の主張】
これまで全国LD親の会は、国レベルの諸施策や社会的理解を前進させてきまし
た。しかし一部役員による非民主的、恣意的、不透明な会務運営と、会の意志決
定において無責任な言動をとるなど、親の会本来の使命や、当事者目線を忘れ、
あるべき姿から逸脱しはじめています。 http://koukaishitsumon.web.fc2.com/

大阪維新の会 大阪市議会議員団への要望書 JDDネット他 2012/05/072012-05-13

http://jddnet.jp/index.files/archives2012/pdf/ishinnokai_youbou.pdf

       平成24年5月7日 大阪維新の会大阪市議会議員団への要望書

          一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長 市川宏伸
           社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会理事長 北原 守
               社団法人日本発達障害福祉連盟会長 金子 健
                  全国児童発達支援協議会会長 加藤正仁

貴市議団が提出される予定の「家庭教育支援条例(案)」における発達障害の理
解は社会的理解と異なっており、多くの発達障害児者本人とその家族、関係者を
困惑させる内容となっております。すでに、2004年12月3日に国会は「発達障害
者支援法」を成立させ、2005年から施行されております。条文には発達障害の基
本的な定義として、「生来の脳の機能的な問題が基盤にある」ことを規定してい
ます(下記参照)。

ところが、貴市議団の条例案では、発達障害の原因を取り違え、発達障害が親の
育て方で生じるという理解に基づいており、案文全体にその影響があります。特
に第4章の第15条では、「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれ
に似た症状を誘発する大きな要因」、第18条では「わが国の伝統的子育てによっ
て発達障害は予防、防止できるもの」としていること等は、極めて遺憾です。当
事者・家族・関係者たちの努力により、親の子育ての仕方によって発達障害が生
じるという考え方は、完全に否定されており、条例案の内容を支持する科学的な
知見は存在しないと理解しております。

今回の貴市議団の条例案は、これまで正しい理解を促進していこうという努力を
進めてきた当事者団体の取り組みを踏みにじるものです。発達障害に関しては、
発見し、子どもの障害特性に配慮した育て方が必要な事が知られています。子ど
もたちの社会適応を促進するためにはユニバーサルデザインなど、社会の受け入
れ側の取り組みも必要です。子育て支援・保育から特別支援教育を経て、就労に
おける支援までのライフステージを通した支援のなかで、本人と家族が取り組み
を進めていくものです。

発達障害に関連する政策立案においては、科学的知見を最大に配慮し、これまで
の当事者たちの取り組みに理解を示した上で、当事者の声を聞きながら取り組ん
でいくことを私たちは求めます。

(参考)発達障害者支援法
第1章総則(定義)
第二条この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他
の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の
障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるも
のをいう。
2この法律において「発達障害者」とは、発達障害を有するために日常生活又は
社会生活に制限を受ける者をいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち十八
才未満のものをいう。
3この法律において「発達支援」とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正
な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するために行う発達障害の特性に対
応した医療的、福祉的及び教育的援助をいう。

(参考)政令
世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)に基づき、「脳機能の障害で
あって、その障害が通常低年齢に発症するもののうち、ICDのF8(学習能力の特
異的発達障害、広汎性発達障害など)およびF9(多動性障害、行為障害、チック
障害など)に含まれるもの」とされてます。