著作権法の一部を改正する法律案要綱 閣議決定 2009/03/102009-03-12

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著作権法の一部を改正する法律案要綱

第一 権利制限規定の改正

一 私的使用の目的で行う複製のうち、著作権を侵害する自動公衆送信を受信し
て行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行うものは、複製
権が及ぶこととすること。(第三十条第一項関係)

二 国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することに
よる滅失、損傷又は汚損を避けるため、原本に代えて公衆の利用に供するための
電磁的記録を、必要と認められる限度において作成することができることとする
こと。(第三十一条第二項関係)

三 障害者のための著作物利用の円滑化(第三十七条第三項及び第三十七条の二
関係)

1 視覚障害者等(視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者をい
う。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、視覚によりその表現
が認識される方式により公衆への提供等がされている著作物について、専ら視覚
障害者等の用に供するために必要と認められる限度において、文字を音声にする
ことその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は
自動公衆送信することができることとすること。

2 聴覚障害者等(聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者をい
う。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、聴覚によりその表現
が認織される方式により公衆への提供等がされている著作物について、専ら聴覚
障害者等の用に供するために必要と認められる限度において、音声を文字にする
ことその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、当該著作物の
音声の複製若しくは自動公衆送信をし、又は専ら聴覚障害者等向けの貸出しの用
に供するために、その音声の複製と併せて複製することができることとすること。

3 著作権者又はその許諾を受けた者等により、著作物について、障害者が利用
するために必要な方式による公衆への提供等がされている場合は、これらの規定
を適用しないこと。

四 美術の著作物又は写真の著作物の原作晶又は複製物の所有者その他のこれら
の譲渡等の権原を有する者は、著作権者の譲渡権又は貸与権を害することなくそ
の原作品又は複製物を譲渡しようとするときは、譲渡等の申出の用に供するため、
これらの著作物の複製又は公衆送信を行うことができることとすること。(第四
十七条の二関係)

五 インターネットに関する著作物利用及び電子計算機を用いた著作物利用の円
滑化

1 自動公衆送信装置を他人の送信の用に供することを業として行う者は、自動
公衆送信装置の故障等による送信の障害を防止すること若しくはその記録媒体に
記録された複製物が滅失若しくは毀損をした場合の復旧の用に供すること又は自
動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うこと等の目的上必要と認められ
る限度において、送信可能化等がされる著作物を記録媒体に記録することができ
ることとすること。(第四十七条の五関係)

2 送信可能化された情報に係る送信元識別符号を公衆からの求めに応じて検索
し、及びその結果を提供することを業として行う者は、必要と認められる限度に
おいて、送信可能化された著作物を記録媒体に記録し、及びその記録を用いて、
送信元識別符号と併せて自動公衆送信することができることとすること。(第四
十七条の六関係)

3 著作物は、電子計算機による情報解析を行うために、必要と認められる限度
において、記録媒体に記録することができることとすること。(第四十七条の七
関係)

4 著作物は、電子計算機において著作物を利用する場合には、電子計算機によ
る情報処理の過程において、その情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と
認められる限度で、電子計算機の記録媒体に記録することができることとするこ
と。(第四十七条の八関係)

六 三から五までの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物をこれらの規
定の目的以外の目的で利用した場合の取扱いその他所要の規定の整備を行うこと。
(第四十九条等関係)

第二 著作権者等不明の場合における著作物等の利用の円滑化

一 第六十七条の裁定制度(著作権者不明その他の理由により、相当な努力を払
っても著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合に、文化
庁長官の裁定を受けて著作物を利用することができる制度をいう。)の申請をし
た者は、文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をし
ない処分を受けるまでの間、裁定の申請に係る利用方法により、著作物を利用す
ることができることとすること。(第六十七条の二第一項関係)

二 一により著作物を利用した者が裁定又は裁定をしない処分を受けたときにお
いて著作権者が担保金から弁済を受けるべき補償金等に関し、額の決定、手続等
の規定を設けること。(第六十七条の二、第七十条、第七十一条等関係)

三 著作隣接権(実演、レコード、放送又は有線放送の利用に関する権利をいう。)
についても、第六十七条の裁定制度及び一・二に掲げる制度の対象とすること。
(第百三条関係)

第三 権利侵害品等の頒布の申出行為についての規制(第百十三条及び第百二十
一条の二関係)

著作権等を侵害する行為によって作成された物等について、情を知って、頒布す
る旨の申出をする行為を著作権等を侵害する行為とみなす等の措置を講ずること。

第四 その他

一 著作権登録原簿、出版権登録原簿及び著作隣接権登録原簿について、その全
部又は一部を磁気ディスクで調製できることとすること。(第七十八条等関係)

二 その他関係規定について所要の整備を行うこと。

第五 附則関係

一 この法律は、平成二十二年一月一日から施行すること。ただし、第四の一に
ついては公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日か
ら施行すること。

二 所要の経過措置について規定すること。