きょうされん 2011年度政府予算案に対する声明 2010年12月28日2010-12-28

http://www.kyosaren.or.jp/opinion/2010/2011nendoyosan_seimei1228.pdf

             2011年度政府予算案に対する声明 2010年12月28日

  きょうされん 理事長 西 村 直

菅内閣は12月24日、2011年度予算案を閣議決定しました。
共同通信社による世論調査によると、この政府予算案に対し、76%が「評価しな
い」と答え、予算案に対する失望と落胆を禁じえないのは、どうもわたしたちだ
けではないようです。
何よりも、昨年1月に障害者自立支援法違憲訴訟団との基本合意で交わしたはず
の、「自立支援医療に係る利用者負担の措置については、当面の重要な課題」と
する約束が、またもや守られなかったことは、元原告だけでなく、多くの関係者
が強いショックを受けています。
また、自立支援医療等の利用者負担の無料化については、昨年6月に内閣府の障
がい者制度改革推進会議総合福祉部会がまとめた「障がい者総合福祉法(仮称)の
実施以前に早急に対応を要する課題」(当面の課題)でも筆頭課題に挙げられてい
たにもかかわらず、今回の予算編成にあたり、検討された形跡がほとんど見られ
ないことは、現政権に対する不信をさらに増幅しています。
12月24日の民主党障がい者政策プロジェクト(PT)報告では、「今回盛り込まれな
かった自立支援医療における更なる軽減措置については、総合福祉部会での議論
をしっかり踏まえつつ・・・」とあるものの、総合福祉部会の議論を踏まえるど
ころか、まったく無視されたのが今回の予算編成です。
自立支援医療の無償化については、約160億円が見込まれますが、ほぼ同額の予
算が、12月3日に可決・成立した自立支援法「つなぎ法」に基づく措置として新
規に盛り込まれています(グループホームの「家賃助成」など)。「つなぎ法」の
評価はさておき、国民との約束を守れない予算編成に未来を託すことはできませ
ん。
わたしたちきょうされんは今、「障害者権利条約-それは国際ルール。半世紀遅
れの制度を今こそ世界水準に」をスローガンに、第34次国会請願署名・募金運動
を推進しています。
すなわち、世界水準の予算とは、例えば、少なくともOECD(経済協力開発機
構)の平均で、GDP(国内総生産)比2.1%の障害者関連給付を実現することです。
上記の観点から、わたしたちは政府予算案の大幅な見直しを強く求めます。