合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ4回 議事録 2011/09/142011-09-14

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/gijiroku/1315090.htm

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討
ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時 平成23年9月14日(水曜日)15時00分~18時00分

2.場所 文部科学省東館3F1特別委員会

3.議題
  合理的配慮について
  配慮事項の検討について
  その他

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークから参りました山岡です。
 過度の負担というところについて、労働・雇用分野においては、設置者が事業
主ということで、主に民間を想定しているわけですけれども、教育の場合は、も
ちろん私学もあるわけですけれども、主として、例えば義務教育では小・中学校
の大半は官が、その提供者になるわけです。この場合に、過度の負担という考え
方に、あまり限度がないのではないかという考え方を聞いたことがあるんですけ
れども、これについては、事務局の方で、教育分野ではどう考えるかというとこ
ろについて何か考えがあれば教えていただきたい。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井です。事務局としまし
ては、ここの部分は、設置者が事業主と同様の立場に当たるものだと思います。
例えば小・中学校であれば、主に市町村の教育委員会でしょうし、高校ですとか
特別支援学校であれば、都道府県の教育委員会がこれに当たると思います。
 それで、公が際限なく負担できるかということについては、皆さん既に御案内
のとおりだと思うのですが、税収があり、それぞれの自治体の財政規模というも
のがあります。あとは、それぞれの教育委員会の判断というものもありましょう
し、政府全体の制度というものもありますし、各都道府県、市町村の教育の政策、
施策の状況によって異なってくるものと、そのように事務局では考えております。

【樋口調査官】 それでは、お願いいたします。発達障害教育担当の特別支援教
育調査官、樋口と申します。
 資料5-8をお願いいたします。学習障害に関する学校における配慮事項です。
 まず初めに、学習障害につきまして現状を少しお話しいたしますと、基本的に
小学校、中学校等、特別支援学校ではない学校に現在在籍している子どもがほと
んどです。したがって、これら配慮事項につきましては、原則的に小・中学校等
においてということで、配慮が必要だということで、要望が出されたものと考え
ることができると思います。
 まず学校教育に求めることですが、将来の自立や社会参加に向けた教育、社会
性やコミュニケーション能力を身に付けられるという教育が求められております。
また、LD、学習障害につきましては、まだ十分に理解されていないところから、
十分に理解し、適切な対応ができるということが求められています。
 配慮すべき事項についてです。教育内容・方法につきましては、個々の特性に
合わせたということが強調されておりました。情報処理の仕方が通常の子どもと
異なっていると考えられる学習障害などの発達障害については、どのような特性
があるかを的確に把握した上で対応することが期待されております。
 教科学習の困難に対する補充指導についてですが、教科学習の遅れとして顕在
化する前に、その子どもの特性から、教科学習をする上で、どのような困難が生
じるかを予測し、早目に対応することが求められています。
 さらに、周囲の児童生徒に対する障害理解の醸成についてです。周囲の児童生
徒との関係は非常に重要ですので、周囲の児童生徒やその保護者への働きかけも
必要だということでした。
 それから、ICT機器の活用についてです。すべての子どもに対して必要とは限
らないので、必要に応じてと表現をさせていただきました。今ある技術や教材が
役立つにもかかわらず、また、せっかく保護者が良いものを紹介しても、学校が
使用することをちゅうちょする場合が多いと聞きます。こういったことについて
も適切に対応することが必要であるということでした。
 それから、個別の教育支援計画、個別の指導計画の活用、さらに情報伝達にお
ける配慮についてです。感覚器官については異常がなくても、情報処理の過程で、
独特の特性があるために、独特の困難があることに適切に対応すべきであるとい
うことが述べられました。
 ○2、支援体制については、校内支援体制の整備、それから特別支援教育支援
員の配置について、必要に応じた配置等、その専門性の向上について述べられて
おりました。
 さらに、リソースルームなどの個別的な指導ができる場を設置し支援を行うこ
とについても触れられておりました。
 ○3、施設・設備についてです。自分の学校で指導がきちんと受けられること。
それから、本人にとって理解し、分かりやすい教室環境が求められていました。
 ○4、その他につきましては、情報共有や保護者支援などの重要さが強調され
ておりました。
 学習障害については以上です。
 続けて、資料5-9、注意欠陥多動性障害に関する学校における配慮事項の説明
をさせていただきます。注意欠陥多動性障害についても、基本的に小・中学校等
の通常の学級、あるいは知的障害を併せ有する場合には特別支援学級に在籍する
場合もあります。
 学校教育に求めることとしては、特性について理解した上での指導が強く求め
られておりました。注意欠陥多動性障害に限らず、一般的に発達障害については、
その状態が重複することが多いと言われています。それだけに、診断された障害
名だけを根拠にして特性を理解しようとすると、実際のケースに当てはまらない
場合があります。障害名がはっきりしたことによって紋切り型の対応をされ、困
っているケースが多いことについても適切な配慮が必要であるということが強調
されていました。
 社会の中で企業などに就職して生活することができるような力を付けること、
さらに目立った行動の特徴があるために、いじめの被害者になったり、あるいは
不適切な対応によって加害者になることも実際に起きております。どちらも防止
でき、しかも周囲の友達が支援者としての役割を果たせるような社会、学級づく
りが求められているということになると思います。
 配慮すべき事項につきましては、教育内容・方法については、特性に応じた指
導について具体的に例を挙げられておりました。
 次のページに行きまして、学習コーチングについてです。持っている力を発揮
できるように導くこと、指導すること、能力を発揮するための方法、ノウハウを
身に付けていけるような指導が求められております。
 ○2の支援体制については、学校の中での連携した支援が求められているとと
もに、当事者が情報を忘れてしまう、物を忘れてしまう、なくしてしまうなどの
特性に学校体制が応じ切れていないところから、本人の責任ということで終わら
せるのではなく、障害によるその行動の特性を理解した上で配慮することが求め
られていました。
 ○3の施設・設備については特に発言はなかったのですが、おそらく学校施設
整備指針に示されているような、例えば照明器具が破損しないようなカバーの設
置などの工夫を挙げることが必要になるかもしれません。
 ○4、その他としまして、保護者が力付けられ子どもの養育に力を発揮できる
ような仕組みづくりが求められています。また、年齢が上がるに従い、その発達
の段階に応じた対応ということが要望されておりました。
 以上です。

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークから参りました山岡です。
 そうしますと、どのような場においてどのような合理的配慮が必要かというこ
とを整理するとすると、通常の学校、例えば小・中学校、あるいは通常の学級で
はこういうことが必要だというところと、特別支援学校においてはこういうこと
が必要だというところは少し分けて整理しないと、混同してしまうのではないか、
あるいは議論が拡散してしまうのではないかと思いました。

【尾崎主査】 今の山岡委員の、議論をある程度分けた方がいいのではないかと
いう御意見ですが、そのように進めたいなと思っていますが、よろしいですか。
 では、共通事項といっても、特別支援学校や特別支援学級での共通事項、ある
いは通常の学校での共通事項になるかもしれない。あるいは全部合わせた共通事
項になるかもしれないですけれども、それは分けられる場合は分けていただいて
結構ですし、分けられない場合は、こういう共通事項があるのではないかという
御意見をいただければ大変ありがたいなと思いますが、いかがでしょうか。
 山岡委員の方は、共通事項としては、個に応じた支援は多分、共通事項になる
のではないかという御意見だったと思いますが、ほかにありますでしょうか。山
中委員。

【山中委員】 調和小学校の山中です。
 それぞれ障害種別、いろいろ出てきていますが、共通になるかどうか分からな
いですけれども、特別支援学級と出てきている障害種と、あと通級による指導が
出てきていたり、出てきていなかったりというのもあるので、その辺も共通して、
少し特別支援学級のことに触れるのか、通級に触れるのかというのも、共通とい
う形でしていただけるとありがたいかなと思います。

【尾崎主査】 先ほどの山岡委員の延長線上で、通級あるいは特別支援学級とい
うことも区別ができればしてもいいのではないかという御意見でよろしいでしょ
うか。はい、ありがとうございました。

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