特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第1回) 議事録(冒頭部分) 2010/07/202010-07-20

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/1297371.htm

1.日 時 平成22年7月20日(火曜日)15時30分~17時30分

2.場 所 三田共用会議所 第4特別会議室

3.議題
 1.委員長の選任等について
 2.特別委員会における検討事項について
 3.その他

4.議事録

○委員長について、宮崎委員が適任である旨の発言があり、了承された。
○宮崎委員長から、石川委員が委員長代理に指名された。
○事務局から説明の後、資料3のとおり、特別支援教育の在り方に関する特別委
 員会の会議の公開について了承された。

【宮崎委員長】 これより議事を公開といたします。

 まず、改めまして、委員長を務めることになりました宮崎でございます。どう
ぞよろしくお願いいたします。私から一言ごあいさつを申し上げさせていただき
ます。私は中央教育審議会の初等中等教育分科会の委員をしておりまして、今年
3月まで開催されておりました「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会
議」で副座長を務めてまいりました。今回の特別委員会の委員長として選任をい
ただいたのは、そういったことによろうかと思っております。今回の委員会では、
先に閣議決定で示されました障害のある子どもが障害のない子どもと共に教育を
受けるという障害者権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、
体制面、財政面も含めた教育制度の在り方について、障害者基本法の改正にもか
かわる制度改革の基本的方向性ということについての結論を得るべく検討を行う
ことが主な課題だと認識しております。
 閣議決定の中では、平成22年度中にも制度改革の基本的方向性を示すことが求
められておりますし、就学のプロセスの改革やこれに係わる体制や環境整備の在
り方、あるいは、そのほか幾つかの課題があろうかと思いますが、そういったこ
とについて、短期間で集中的な審議検討を行う必要があると思っております。本
件の改革は、今後の学校経営の在り方、あるいは教育行政の在り方、そして何よ
りも日本の子どもたちの教育の在り方にも大きなインパクトをもたらし得るもの
と考えておりまして、私どもの役割、あるいは期待されている役割というものを
考えると非常に重いものがあると思っております。特に今回は、学校、教育行政
の関係者及び専門家に加え、多くの障害当事者、あるいは障害関係団体の皆様に
御参画をいただいていると認識をしております。委員の皆様に置かれましては、
それぞれの立場で御経験や当事者、専門家としての御意見等に立脚をいたしまし
て、一緒に知恵を出しながら幅広く御審議いただき、その際、子どもたちの自立
と社会参加に向けた心身の発達を最大限に引き出すという教育の理念を念頭に置
きながら、委員長代理の石川先生とともに方向性を見出していきたいと思ってお
ります。どうぞ、審議の過程における御支援、御協力をお願い申し上げます。私
のあいさつを終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

(拍手)

【宮崎委員長】 次に、高井美穂文部科学大臣政務官より一言ごあいさつを頂戴
したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【高井大臣政務官】 座ったままで失礼いたします。本委員会の開催に当たり、
一言ごあいさつと御礼申し上げたいと思います。委員の皆様におかれましては、
それぞれにほんとうに御多忙な皆様方がこの特別委員会に御出席をいただきまし
て、まことにありがとうございます。御承知のように平成19年4月から、障害の
ある子どもたちの自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に
立って、子ども一人一人の教育的ニーズを把握して適切な指導や支援を行う新た
な制度としての特別支援教育がスタートしたところでございます。現在、皆様方
の御協力にもより、都道府県や市町村、各学校におけるこの特別支援教育の体制
整備は、一定程度は進みつつあると認識しております。しかしながら、特別支援
教育の理念の実現という観点から、教育体制のさらなる整備のほか、障害のある
子どもたちの将来を見通し、一人一人の教育的ニーズに応じた計画的かつ適切な
指導、支援を行うことなど、特別支援教育のさらなる質的、量的充実を図ってい
くことが求められていると思っております。
 一方、国際的に障害者の権利に関する条約が平成18年度に採択をされ、平成20
年5月に発効いたしました。日本政府は平成19年9月に署名を行いましたけれども、
まだ批准には至っておりません。現在、批准に向けて国内法令の整備等について、
全閣僚による「障がい者制度改革推進本部」、その下に設置されました「障がい
者制度改革推進会議」において、議論・検討が進められている最中でございます。
教育関係では、障害のある子どもが障害のない子どもと共に教育を受けるという
インクルーシブ教育システムへの対応が課題となっておりますが、「障がい者制
度改革推進会議」の中でも、この条約の理念を踏まえた教育分野を含む制度改革
の基本的な方向というものが議論されております。本年6月7日に示されました
「障がい者制度改革推進会議」の「障害者制度改革の推進のための基本的な方向
(第一次意見)」を踏まえて、6月29日に、「障害者制度改革の推進のための基
本的な方向について」が閣議決定されました。その中で教育分野の制度改革につ
いて、障害者権利条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、体制
面、財政面も含めた教育制度の在り方について、平成22年度内に制度改革の基本
的方向性についての結論を得るべく検討を行うという方向性が示されたところで
ございます。
 そこで、本委員会におきまして、こうした方向性を踏まえて、学校、教育行政
関係者に加え、障害当事者を含む幅広い関係者、有識者各位にこうして御参加い
ただき、初等中等教育分野における課題について専門的見地から御審議を深めて
いただければありがたいと思っています。
 また、本委員会での審議検討に当たっては、障害者当事者や関係団体をはじめ、
多様な御意見をできるだけ幅広く伺うヒアリングの機会を設けるなどして、御意
見を審議検討に反映いただければと考えております。文部科学省といたしまして、
本委員会の御審議を踏まえ、子どもの能力を可能な最大限度まで発達させるとい
う観点から、体制面、財政面の裏付けも含め、実態に則した検討を行い、障害の
ある子どもにとって、最適、最善の制度改革がなされるよう取り組んでまいるつ
もりでございます。委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしく御審議のほ
どをお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。

【宮崎委員長】 ありがとうございました。
 なお、公務の御都合により、高井文部科学大臣政務官はここで御退室をなさい
ます。
 それでは議事に入ります。
 本日は初回ですので、障害者権利条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り方
について、これまでの検討経緯等をレビューした上で、可能な限り、全委員から
自由に御意見を頂戴したいと考えております。まずは配付資料に基づき、これま
での検討経緯及び今後検討すべき論点について、事務局から御説明をお願いいた
します。
 それでは、よろしくお願いします。

【横井特別支援教育企画官】 配付している資料でございますが、議事次第、そ
れから、資料1から12まで12点ほどございます。不足等ございましたら、随時事
務局までお申しつけください。これから少しお時間をいただいて、経緯、論点等
について説明したいと思います。
 まずは、資料1を御覧いただけますでしょうか。こちら、本年7月12日に開催さ
れた中央教育審議会初等中等教育分科会において、本委員会の設置が決定された
ものでございます。設置の目的といたしましては、障害者権利条約の理念を踏ま
えた特別支援教育の在り方について、専門的な調査審議を行うということになっ
ております。主な検討事項でございますが、3.にございますように、(1)とし
ましてインクルーシブ教育システムの構築という、権利条約の理念を踏まえた就
学相談・就学先決定の在り方及び必要な制度改革、(2)といたしまして、その
制度改革の実施に伴う体制・環境の整備、(3)といたしまして、障害のある幼
児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援の実施のための教職員等の確保及
び専門性の向上のための方策、(4)その他となっております。
 資料4で、障害者権利条約関係について説明させていただきたいと思います。
まず表紙をおめくりいただいて、1ページ目を御覧ください。
 1ページ目、表紙の裏側になります。障害者の権利に関する条約は、平成18年
12月に国連総会において採択され、平成20年5月に発効している状況でございま
す。日本は平成19年9月に署名をしておりますが、批准・締結を行っておりませ
ん。可能な限り早期の締結を目指し、必要な国内法令の整備等に係る政府として
の対応を検討しているという段階でございます。
 2ページ目を御覧ください。障害者権利条約の主な条文を外務省の作成した仮
訳で掲載しております。第24条に教育という条文がございます。第1項に教育に
ついての障害者の権利を認めるとして、あらゆる段階における障害者を包容する
教育制度、いわゆるインクルーシブ教育システム及び生涯学習を確保すると規定
しています。その目的は、その下に3つ掲げられているとおりでございます。
(a)としまして、人間の潜在能力並びに尊厳及び自己の価値についての意識を
十分に発達させ、並びに人権、基本的自由及び人間の多様性の尊重を強化するこ
と。(b)としまして、障害者が、その人格、才能及び想像力並びに精神的及び
身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。(c)といたしまして、
障害者が自由な社会に効果的に参加することを可能とすることとなっております。
 また、権利の実現に当たっては次のことを確保するとしています。第2項の部
分でございますが、(a)としまして、障害者が障害を理由として教育制度一般
から排除されないこと及び障害のある児童が障害を理由として無償のかつ義務的
な初等教育から又は中等教育から排除されないこと。(b)としまして、障害者
が、他の者と平等に自己の生活する地域社会において包容され、質が高く、かつ、
無償の初等教育の機会及び中等教育の機会が与えられること。(c)としまして、
個人に必要とされる合理的配慮が提供されること。(d)としまして、障害者が、
その効果的な教育を容易にするために必要な支援を教育制度一般の下で受けるこ
と。(e)としまして、学問的及び社会的な発達を最大にする環境において、完
全な包容という目標に合致する効果的で個別化された支援措置がとられることを
確保することとなっております。
 3ページを御覧ください。また後ほども触れることになると思いますが、本委
員会の検討に関連する法律といたしまして、障害者基本法を紹介しております。
第14条に教育に関する条文の規定がございます。
 続きまして4ページを御覧ください。政府としましては、昨年12月に総理を本
部長とし全閣僚で構成される「障がい者制度改革推進本部」が設置され、その
下に「障がい者制度改革推進会議」が設けられております。そこでは、福祉、
雇用を始めとするさまざまな検討事項について議論が行われているところでご
ざいます。その中の1つとして、教育についても議論されております。
 5ページ及び6ページを御覧いただきますと推進会議の委員の一覧、開催状況
について整理したものがございます。少しおめくりいただいて、9ページ目を御
覧ください。
 9ページ目は、本年6月にまとめられました「障害者制度改革の推進のための基
本的な方向(第一次意見)」の教育関係部分を抜粋したものでございます。第一
次意見全体は、資料6として配付しております。資料7、8として、この推進会議
の問題認識に対する文部科学省の見解について同推進会議に提出した資料を配布
しております。そのポイントを今の資料4の7ページ、8ページにも示しておりま
すが、これについては説明を省略させていただきますので、後ほど御参照いただ
ければと思います。
 9ページでございますが、今後の進め方といたしまして、事項ごとに関係府省
において検討を進め、所要の期間内に結論を得て、必要な措置を講ずるべきとさ
れております。
 「障がい者制度改革推進会議」の教育についての問題認識として、2つの項目
が示されております。1つ目の項目といたしまして、地域における就学と合理的
配慮の確保について、以下の3点を実施すべきものとして挙げています。1点目と
しまして、障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校に就学
し、かつ通常の学級に在籍することを原則とし、本人・保護者が望む場合のほか、
ろう者、難聴者又は盲ろう者にとって最も適切な言語やコミュニケーションの環
境を必要とする場合には、特別支援学校に就学し、又は特別支援学級に在籍する
ことができる制度へ改める。2点目として、特別支援学校に就学先を決定する場
合及び特別支援学級への在籍を決定する場合や、就学先における必要な合理的配
慮及び支援の内容を決定するに当たっては、本人・保護者、学校、学校設置者の
三者の合意を義務づける仕組みとする。また、合意が得られない場合には、イン
クルーシブ教育を推進する専門家及び障害当事者らによって構成される第三者機
関による調整を求めることができる仕組みを設ける。3点目として、障害者が小
・中学校等(とりわけ通常の学級)に就学した場合に、当該学校が必要な合理的
配慮として支援を講ずる。当該学校の設置者は、追加的な教職員配置や施設・設
備の整備等の条件整備を行うために計画的に必要な措置を講ずる。また、2つ目
の項目としまして、10ページになりますが、学校における多様なコミュニケーシ
ョン手段の保障として、以下の2点を実施すべきものとして挙げています。1点目
として、手話・点字・要約筆記等による教育、発達障害、知的障害等の子どもの
特性に応じた教育を実現するため、手話に通じたろう者を含む教員や点字に通じ
た視聴覚障害者を含む教員、手話通訳者、要約筆記者等の確保や、教員の専門性
向上に必要な措置を講じる。2点目として、教育現場において、あらゆる障害の
特性に応じたコミュニケーション手段を確保するため、教育方法の工夫・改善等
必要な措置を講ずる。それぞれについて、本年6月29日の閣議決定、「障害者制
度改革の推進のための基本的な方向について」の中で、以下のように示されてお
ります。閣議決定全体については、資料5を御参照いただければ幸いです。
 資料5の4ページ目に「(2)教育」がございます。(2)教育 障害のある子ど
もが障害のない子どもと共に教育を受けるという障害者権利条約のインクルーシ
ブ教育システム構築の理念を踏まえ、体制面、財政面も含めた教育制度の在り方
について、平成22年度内に障害者基本法の改正にもかかわる制度改革の基本的方
向性についての結論を得るべく検討を行う。手話・点字等による教育、発達障害、
知的障害等の子どもの特性に応じた教育を実現するため、手話に通じたろう者を
含む教員や点字等に通じた視覚障害者を含む教員等の確保や、教員の専門性向上
のための具体的方策の検討の在り方について、平成24年内を目途にその基本的方
向性についての結論を得ると書かれております。
 続きまして資料9を御覧ください。こちらは詳しくは説明しませんが、本年3月
に審議経過報告を取りまとめました文部科学省の「特別支援教育の推進に関する
調査研究協力者会議」において、早期からの教育支援、就学相談・指導について
提言をいただいております。早期からの教育相談・支援の充実、就学指導のあり
方、継続的な就学相談・指導の実施、居住地の小・中学校とのかかわり、市町村
教育委員会等の体制整備、障害者権利条約についてそれぞれ御提言・報告いただ
いており、特に就学指導の在り方においては個別の教育支援計画の作成、活用を
通じて、障害の程度が就学基準に該当するかどうかに加えて、必要な教育的ニー
ズ、保護者や専門家の意見、就学先の学校における教育や支援の内容等を総合的
に判断して決定する仕組みとするとの提言をいただいているところでございます。
 資料10でございますが、こちらは本年7月12日に開かれました中央教育審議会
初等中等教育分科会で御審議いただいた際の委員の発言を整理したものでござい
ますので、また後ほど御覧いただければと思います。
 資料11を説明いたします。資料11は、事務局において整理させていただきまし
た「特別支援教育のあり方に関する論点(例)」でございます。
 1.「総論」といたしまして、障害者権利条約に掲げられた教育にかかる目的。
先ほど紹介いたしました障害者権利条約の3つの目的の達成を目指す上で重要な
教育制度の要件は何か。日本的なインクルーシブ教育システムの構築を図る上で、
現行の特別支援教育をどのように位置付けるべきか。2.の「就学相談・就学先
決定の在り方及び必要な制度改革について」として、先ほどの協力者会議の提言
として紹介しました、移行期の個別の教育支援計画の作成を通じて、障害の状態
・ニーズ、保護者の意向等を総合的に勘案し、就学先を判断する制度とした場合
のメリット、デメリットは何か。次に推進会議の問題認識として紹介いたしまし
た、障害の有無にかかわらず、すべての子どもが地域の小・中学校に就学し、か
つ通常学級に在籍することを原則とする制度とした場合のメリット、デメリット
は何か。保護者と学校・教育行政サイドの共通理解を醸成し、適切な就学先及び
教育・支援の内容等の決定をスムーズに行うためのプロセスとして、どのような
ことが考えられるか。例えば、より早期からの教育相談・支援、体験入学、就学
委員会への多様な委員の参画、都道府県・市町村の連携強化等。聴覚障害等のあ
る子どもにとって、最も適切な言語・コミュニケーションの環境に係る判断をど
のように行うのか。就学先決定において、保護者の理解が得られない場合にどの
ように調整することが適切か。就学後の継続的な就学相談、就学先の見直し等の
柔軟な対応として何が重要かつ有効な方策か。
 3.といたしまして、「2.の制度改革の実施に必要な体制・環境整備について」
として、障害のある子どもが地域の小・中学校に就学する場合、障害の種類やそ
の状態に応じて必要な体制・環境整備として、どのようなものが考えられるか。
同じく、必要な教育課程上の配慮(特に知的障害について)として、どのような
ものが考えられるか。障害のある子どもが幼稚園、小学校、中学校、高等学校等
に就学する場合、必要な合理的配慮として支援を講ずることができないケースと
して、どのようなものが考えられるか。インクルーシブ教育システム構築のため
の漸進的取組として、居住地校との交流及び共同学習を更に進めていくためにど
のようにすればよいか(副次的学籍の在り方の検討も含む。)。必要な体制・環
境整備における、国、地方公共団体の責務・役割分担をどのように考えるか。同
じく、都道府県と市町村等の連携及び役割分担をどのように考えるか。
 4.「障害のある幼児児童生徒の特性・ニーズに応じた教育・支援のための教
職員の確保及び専門性の向上のための方策」として、障害種毎の専門性の確保に
必要な教職員の適切な配置はどのようなものが考えられるか。障害のある子ども
を受け入れる場合、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等の教員に必要な専門性
として、どのようなものが考えられるか。障害のある教員を積極的に受け入れる
ための方策及び学校側の環境整備として、どのようなものが考えられるか。通常
の学級において、障害特性に応じた多様なコミュニケーション手段その他の適切
な支援を確保するための教育方法として、どのようなものが考えられるか。
 その他関連事項として進路指導、職業教育・就労支援を挙げております。これ
らについて、今後御意見を賜ればと考えております。以上で説明を終わらせてい
ただきます。

【宮崎委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの
説明について、事実関係の確認の御質問がありましたら挙手をお願いします。な
お、各委員からの御意見につきましては、休憩後に別途お伺いする時間をとりた
いと思っておりますのでよろしくお願いします。まず、事実関係についての御質
問、どうぞお願いいたします。
 よろしいですか。どうぞ、石川委員お願いいたします。

【石川委員長代理】 資料4の9ページですけれども、ろう者、難聴者又は盲ろう
者の場合には特別支援学校又は特別支援学級を選択することができるとなってい
て、盲についてはこれは書かれていないのですが、これは推進会議での十分な議
論の結果、このようなお話になっていると理解してよろしいんでしょうか。

【宮崎委員長】 それでは事務局お願いいたします。

【斎藤特別支援教育課長】 特別支援教育課長の斎藤でございます。私のほうで
「障がい者制度改革推進会議」を傍聴させていただいておりまして、その際に承
知した事実関係を御紹介したいと思います。
 本年5月31日の「障がい者制度改革推進会議」におきまして、この第一次意見
の素案が提示されております。それに対して各省の意見なども踏まえながら、本
年6月7日の同推進会議の際に最終案という形で案が提示されておりまして、その
最終案の段階では、今、石川委員長代理から御指摘のあった部分について、ろう
者の前の部分に盲人という言葉が入っておりました。そのことにつきましては日
本盲人会連合副会長の竹下義樹委員から御意見が出ました。盲人については必ず
しも特別支援学校の選択が第一義的ではないという御意見がございまして、竹下
委員も盲学校自体の存在を否定するような議論ではなかったと思いますけれども、
ここでの文言として盲人という言葉を入れることについては疑義があるというこ
とをおっしゃいました。本来は本年5月31日の原案の段階でそういう御意見があ
ってもよかったのですが、5月31日は竹下委員は御欠席でしたので、6月7日の際
にそのような御意見があり、その場でほかには特に御意見が出ませんでしたので、
盲人を削除するということで、担当室長の御確認があった後、削除された経緯が
ございます。どういう経緯、議論があって削除されたかという解釈がいろいろあ
ると思いますが、これについては竹下委員という日本盲人会連合の代表からの御
意見により削除されたと承知しております。

【宮崎委員長】 よろしいでしょうか。

【石川委員長代理】 意見は後ほど時間がございますので、とりあえずの事実関
係だけの確認にとどめたいと思います。

【宮崎委員長】 ほかに事実関係について。はい、お願いいたします。

【杉山委員】 すみません、同じく資料4の10ページですが、ここでの発達障害
については発達障害者支援法にある自閉症、注意欠陥多動性障害、学習障害とい
うことで考えてよろしいでしょうか。

【宮崎委員長】 今の件はいかがでしょう。

【斎藤特別支援教育課長】 「障がい者制度改革推進会議」での御議論の中では、
正直、発達障害についてはあまり個別具体的な御議論はなかったように承知して
おります。委員の中にも、特別、発達障害関係の委員の方はおられませんでした
ので、ここで発達障害という言葉が使われたことについては、おそらく一般的な
意味での発達障害であると思います、したがって、政府のこの文書なり決定事項
の中に出てくる発達障害というのは、基本的には既に法制化されています発達障
害者支援法での発達障害と解釈して問題ないと思っております。特に中身につい
ての御議論はございませんでした。

【宮崎委員長】 よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。安彦委員、
お願いいたします。

【安彦委員】 「障がい者制度改革推進会議」の内容に私たちはどれぐらい縛ら
れるのか、閣議決定のほうに縛られるのか。もちろん、推進会議の議論の方向性
というのは私たちは踏まえなければならないんですけれども、基本的にはその辺、
推進会議の位置付けを私たちはどう認識したらいいのかということを伺います。

【宮崎委員長】 それでは事務局お願いいたします。

【斎藤特別支援教育課長】 まず、「障がい者制度改革推進会議」の位置付けで
ございますが、昨年12月の閣議決定に基づいて設置をされております。メンバー
については、障がい者制度改革推進本部長の指名という形になっております。こ
の推進会議の意見とその閣議決定、今回の審議検討の関係ですけれども、事務局
の理解で申し上げますと、あくまで閣議決定された本年6月29日の基本的な方向
が政府の公式のポジションといいますか、コミットした方針ということになって
おります。閣議決定の資料5の1枚めくっていただきまして縦長の最初のページ、
1ページを御覧いただきますと、政府は、「障がい者制度改革推進会議」の「障
害者制度改革のための基本的な方向(第一次意見)」(平成22年6月7日)を最大
限に尊重し、下記のとおり、障害者の権利に関する条約(仮称)の締結に必要な
国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革の推進を図
るものとするとあります。要は、推進会議の意見を最大限に尊重するというのが
政府全体としての方針になってございます。この点については、いろいろ御議論、
文部科学省からもいろいろ御意見は申し上げた経緯はございますけれども、最終
的には、最大限にこの意見を尊重し、障害者制度改革の推進を図る。ただ、その
具体的な政府のアクションとしては、先ほど来説明しておりますように、例えば
教育に関しては平成22年度内に基本的な方向性の結論を得るべく検討を行う。こ
の部分が政府としての約束といいますか、方針を決めたところでございますので、
あくまで具体的に何をするかという部分については、各個別の記述の中に書いて
あることが政府としての方針ということになります。ただ、「障がい者制度改革
推進会議」の意見も最大限に尊重するというのが政府全体としての方針になって
ございます。
 以上でございます。--略--

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