障害者の権利条約 第4回締約国会議 日本政府代表公使ステートメント 2011/09/082011-09-08

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_35/pdf/o-s2.pdf

障害者の権利条約第4回締約国会議

国際連合日本政府代表部木村徹也公使のステートメント 2011年9月7日(*)

議長、ご列席の皆様、

日本政府代表部は障害者の権利条約の第4回締約国会議に署名国として参加する
ことを光栄に感じています。5年前に私たちは総会において、本条約をコンセン
サスで採択いたしました。それ以来、障害者の人権と基本的自由の促進と保護に
向けての努力を法的枠組みの中でしてまいりました。日本は条約交渉に積極的に
参加し、2007年に署名を行いました。そして日本は今、締約に向けての準備を進
めています。今日、この機会に、日本がこの数年において実施してきた積極的な
施策について皆様と共有したいと存じます。

第1に、2009年12月に内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置いたしました。
総理大臣が本部長を務め、全閣僚がメンバーです。この推進本部は、障害者の権
利条約を締結し、実施するために必要な関連国内法整備をはじめとする、集中的
な制度改革を行う目的で設置されました。条約交渉に政府のみならず、障害者が
参加したことを認識するとともに、国内的な要求に応じるためにも、障害者の声
が国内政策に反映される仕組みを確立することが重要であると感じました。その
ために、過半数が障害者と家族が占める「障がい者制度改革推進会議」を推進本
部の下に設置したのです。
第2に、改正障害者基本法が2011年7月29日に成立しました。同法は「全ての国民
が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合
いながら共生する社会を実現する」ことが目的です。この新法の二つの特徴は指
摘するに価します。一つは、障害者のための現実の施策の実施とモニタリングを
監督する障害者政策委員会の設置です。もう一つは、必要で適切な配慮の提供を
確保できないことを障害に基づく差別として含んでいる点です。これは、「合理
的配慮」という法的概念が日本の法体系に位置づけられた最初の例です。こうし
た規定は障害者の権利条約に則ったものです。
最後になりますが、条約の第32条が規定している国際協力に私どもは取り組んで
まいりました。日本政府は政府開発援助(ODA)を通じて、この国際協力に貢献
してきました。具体的には、バリアフリーな鉄道設備・大学キャンパスを推進す
ると共に、障害者のリハビリテーション・職業訓練機関を設置してきました。
議長、日本はこうした実績に加えて、障害者の権利の促進と保護に関する新たな
法的施策の策定過程にあります。多くの課題はありますが、私どもは障害者の権
利の保護と促進のために、障害者そして障害者を代表する組織と緊密に協力を進
めます。
ご清聴、ありがとうございました。

(長瀬修仮訳)

(注)*ここでの日付は9月7日と記されているが、実際にこのステートメントが
    行われたのは、9月8日である。

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