特別支援教育推進に関する協力者会議高校WG(第3回) 山岡委員発表資料2009-08-27

特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議高等学校WG(第3回)配付資料
 山岡委員発表資料 (PDF:216KB)
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/054_2/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2009/08/14/1283069_4.pdf

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  高等学校の入学試験における配慮の在り方について
  日本発達障害ネットワーク・副代表 NPO法人全国LD親の会・理事
                               山岡 修

I 高等学校の入試の状況 (全国LD親の会の会員調査より)
 調査の概要:2005 年度に会員調査を行い、315名から回答を得て集計したもの
 1.中学校の学級籍 (n=315)
 ◇中学校の学級籍×高校(公立・私立・養護学校)
 2.中学校卒業後の進路選択
 (1)進路選択について(n=315)
 *困ったことがあった(n=176)内容
 (2)高校の入学試験
  [1] 入学試験に際して、受験先の学校と本人の障害についての相談(n=315)
 ◇相談×高校(公立・私立・養護学校)
  [2] 入学試験のとき、特別の配慮について(n=315)
 ◇配慮×高校(公立・私立・養護学校)
 *「希望したので、配慮があった」の配慮内容
 *「希望したが、配慮はなかった」の希望した配慮内容
 (3) 高校入試に関しての要望

II 高等学校の入学試験における配慮の在り方
 1.配慮事項
 (1)学科試験
  [1] 別室受験
  [2] 試験問題の拡大
  [3] 時間延長
  [4] ワープロ使用
  [5] 一部科目の免除、変更、代替
  [6] 問題の読み上げ
  [7] 口頭による回答
 (2)その他
  [1] 中学との引き継ぎ
  [2] 個別の説明(入試、学校生活、進路)

 2.配慮を受けるための条件
  障害があるために、通常の入試の形式や条件では
  不利益を受ける
  本来持っている能力が発揮できない
 [例]
  答えは分かっているが、字が書けない
  集団の中では、集中ができない
  読字障害があるために、通常の形体や大きさでは読むことに困難がある

 3.配慮を受ける必要性の確認
 (1)医師の診断書
 (2)在学校からの申請(在学中の支援と同等の配慮)
 (3)その他(1)(2)と同等の判定等であって学校長が認めた場合

 4.在学中の配慮・支援
  高等学校の在学中に適切な支援を受けられる体制を整備することが必要
  (入試で受けた配慮と同等の配慮は在学中も必要)

 5.本人・保護者の声 (色々な考えの本人・保護者がいる)
  (1)なんとか、普通高校を卒業したい。
    せめて、高校は卒業させたい。
    →高等特別支援学校の校名の工夫
  (2)発達障害があることが分かると、入試で落とされるのではないか?
    発達障害があることを言わないで入試をパスしたい。
  (3)発達障害に適した学校がなかなかない

III 高等学校における特別支援教育における課題
 「いかに入学させ、無事卒業させるか」ではなく、
 「いかに受け入れ、一人ひとりのニーズに応じて、進学や将来の自立や社会参
 加に向けた教育を行っていくか」が大切

 1.発達障害等に適した教育課程を持つ学科の設置
 2.高等学校における特別支援学級、通級による指導等の特別な場の設置
 3.特別な教育課程の編成
  ソーシャル・スキル
  コミュニケーション・スキル
  社会生活能力
  自己理解
  自己有能感の醸成

 4.就労・自立に向けた教育課程の編成
  作業学習、職業訓練
  就労体験、職場実習、

 5.卒業後のアフター・スクールの設置
  1年程度の専攻科を設置して、職業訓練などを行う
  商業高校、特別支援学校施設を利用して昼間部を設置する等

6.進路指導
  本人の適性にあったきめ細かな進路指導、就職支援

7.進路先への引き継ぎ
                                以上

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