「教科書のデジタル化進めて」 NPO団体代表 濱田滋子(奈良県)/2009年6月5日(土)の朝日新聞「声」掲載(大阪本社版)2009-06-05

筆者の許諾を得て転載します。-----

2009年6月5日(土)の朝日新聞「声」掲載(大阪本社版)

 国立国会図書館に本のデジタル化の予算126億円がついたことを先日の社説
で知りました。私たちは、知的発達に遅れはないのに読み書きなどが困難ないわ
ゆる学習障害の子供たちのために、教科書をデジタル化する非営利活動をしてい
ます。国会図書館はこのようなデジタル化にも取り組んでほしいと願います。
 私たちがしているのは、教科書を、本文と画像と音声が同期したマルチメディ
ア図書にすることです。デイジーという国際標準規格を採用しています。使って
いる子供から「授業の内容がよく理解できた」と感想が届きます。
 視覚障害児用として、教科書を点字化したもの、拡大したもの、録音化したも
のは国の予算で用意されていますが、学習障害などの子供向けは用意されていま
せん。
 これらの障害の子供たちのためのデジタル化も、国会図書館の大切な役割であ
ると考えます。