第174国会 衆議院 総務委員会 議事録 抜粋 平成22年05月21日 ― 2010-05-21
○高井(崇)委員 -略- 来年度、やると言われている受信料の一〇%還元と
いうのも、料金の値下げではなくて、オンデマンドの今やっているのを無料にす
るとか、あるいは、今、私、民主党の中で有志百十四名で情報通信議員連盟とい
うのを立ち上げて、先般、情報通信八策というマニフェストの案をつくったわけ
ですが、その中でも、一つはNHK放送番組をネットに全面開放するということ
を提言していますし、また、デジタル教科書、これからは学校の教科書を全部デ
ジタルにしようということを、一〇〇%これをやろうということをうたっていま
す。そのデジタル教科書の中にNHKさんの放送番組を、これも無償で提供して
いただく。歴史の授業の中で明治維新を習っている子供たちが、大河ドラマの
「龍馬伝」の福山雅治を見て、より歴史に興味を持つというようなことになれば、
まさに受信料で成り立っているNHKさんの公共放送としての役割を果たしてい
ただけることになると思うんです。
そういったネットへの全面開放、オンデマンドの無料化、そしてデジタル教科
書への提供について、NHK会長の御意見をお聞かせください。
○福地参考人 御指摘のとおり、受信料の大前提が公平負担の問題でございまし
て、もう一方で受益者負担という問題もございます。
御承知のとおり、オンデマンドの問題については、放送法三十九条の中で、一
般勘定と区別して特別な勘定を設けて処理するようにという規定がございます。
そういった中で、NHKオンデマンドにつきましては、一番コストがかかるのは、
御承知のとおり、権利処理の費用。これがかなりかかります。そのほかに配信費
用がかかるわけですが、この負担をどうするか。これを受益者負担でやりなさい
というのが放送法の趣旨であろうと思います。
そういった中で、私たちの問題は、こういったオンデマンド事業が特定の受信
者向けであるということ、それからもう一つは、先ほど民放連の広瀬会長からも
御指摘がございました、民業圧迫はできるだけ避けたいというふうな問題も片一
方でございます。それから、民間事業者との公正な競争といいますか、そういっ
たものにも配慮しなければいけないだろうというふうに考えております。
それと、御指摘の点はよくわかるのでございますが、もう一方では、まだスタ
ートして一年少しだということで、この点につきましてはいろいろな御意見を十
分お聞きしながら今後のあり方について十分検討していきたい、そういうふうに
思っております、オンデマンドの問題につきましては。
情報通信八策の件につきましては、篤と拝見をいたしました。あの中で、デジ
タル教科書の中にNHKの番組を織り込んだらどうかという御提案がございまし
た。NHKの方も、文部科学省の学校教育の情報化に関する懇談会のメンバーと
して参加をいたしておりまして、教育現場におけるデジタル教科書の利用をどう
進めるかという議論にも参加しております。
ただ、デジタル教科書にNHKが提供するということにつきましては、先ほど
のオンデマンドと同様に、アーカイブスの教育利用を進める立場からどういうふ
うな取り組みが可能かということを現在検討しているところでございます。
番組のネット配信につきましては、オンデマンドと一緒で、特定者向けのサー
ビスということでありまして、それから、権利者に払う権料、配信費用が追加で
発生する、そういう理由から受益者負担で実施をするということとなります。
現在、NHKオンデマンドのサービスで、見逃し番組とか過去の番組の配信に
取り組んでおるところでございます。そういった点を配慮しながら、こういった
点を今後前向きに検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○高井(崇)委員 ありがとうございます。
いろいろ課題はあるんだろうと思います。特に著作権の問題は、今回、通信・
放送融合といっても、この分野はまだまだ解決していないのかなというふうにも
思っておりますし、民放さんとの関係というのもわかります。ただ、国民の皆さ
んが何を望んでいるかということを、やはり受信料で成り立っているということ
をよくお考えいただいて、ぜひ前向きに検討していただけたらと思います。-略
いうのも、料金の値下げではなくて、オンデマンドの今やっているのを無料にす
るとか、あるいは、今、私、民主党の中で有志百十四名で情報通信議員連盟とい
うのを立ち上げて、先般、情報通信八策というマニフェストの案をつくったわけ
ですが、その中でも、一つはNHK放送番組をネットに全面開放するということ
を提言していますし、また、デジタル教科書、これからは学校の教科書を全部デ
ジタルにしようということを、一〇〇%これをやろうということをうたっていま
す。そのデジタル教科書の中にNHKさんの放送番組を、これも無償で提供して
いただく。歴史の授業の中で明治維新を習っている子供たちが、大河ドラマの
「龍馬伝」の福山雅治を見て、より歴史に興味を持つというようなことになれば、
まさに受信料で成り立っているNHKさんの公共放送としての役割を果たしてい
ただけることになると思うんです。
そういったネットへの全面開放、オンデマンドの無料化、そしてデジタル教科
書への提供について、NHK会長の御意見をお聞かせください。
○福地参考人 御指摘のとおり、受信料の大前提が公平負担の問題でございまし
て、もう一方で受益者負担という問題もございます。
御承知のとおり、オンデマンドの問題については、放送法三十九条の中で、一
般勘定と区別して特別な勘定を設けて処理するようにという規定がございます。
そういった中で、NHKオンデマンドにつきましては、一番コストがかかるのは、
御承知のとおり、権利処理の費用。これがかなりかかります。そのほかに配信費
用がかかるわけですが、この負担をどうするか。これを受益者負担でやりなさい
というのが放送法の趣旨であろうと思います。
そういった中で、私たちの問題は、こういったオンデマンド事業が特定の受信
者向けであるということ、それからもう一つは、先ほど民放連の広瀬会長からも
御指摘がございました、民業圧迫はできるだけ避けたいというふうな問題も片一
方でございます。それから、民間事業者との公正な競争といいますか、そういっ
たものにも配慮しなければいけないだろうというふうに考えております。
それと、御指摘の点はよくわかるのでございますが、もう一方では、まだスタ
ートして一年少しだということで、この点につきましてはいろいろな御意見を十
分お聞きしながら今後のあり方について十分検討していきたい、そういうふうに
思っております、オンデマンドの問題につきましては。
情報通信八策の件につきましては、篤と拝見をいたしました。あの中で、デジ
タル教科書の中にNHKの番組を織り込んだらどうかという御提案がございまし
た。NHKの方も、文部科学省の学校教育の情報化に関する懇談会のメンバーと
して参加をいたしておりまして、教育現場におけるデジタル教科書の利用をどう
進めるかという議論にも参加しております。
ただ、デジタル教科書にNHKが提供するということにつきましては、先ほど
のオンデマンドと同様に、アーカイブスの教育利用を進める立場からどういうふ
うな取り組みが可能かということを現在検討しているところでございます。
番組のネット配信につきましては、オンデマンドと一緒で、特定者向けのサー
ビスということでありまして、それから、権利者に払う権料、配信費用が追加で
発生する、そういう理由から受益者負担で実施をするということとなります。
現在、NHKオンデマンドのサービスで、見逃し番組とか過去の番組の配信に
取り組んでおるところでございます。そういった点を配慮しながら、こういった
点を今後前向きに検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○高井(崇)委員 ありがとうございます。
いろいろ課題はあるんだろうと思います。特に著作権の問題は、今回、通信・
放送融合といっても、この分野はまだまだ解決していないのかなというふうにも
思っておりますし、民放さんとの関係というのもわかります。ただ、国民の皆さ
んが何を望んでいるかということを、やはり受信料で成り立っているということ
をよくお考えいただいて、ぜひ前向きに検討していただけたらと思います。-略
日本障害フォーラム(JDF) 地域主権改革と障害者施策に関する要望書 ― 2010-05-21
2010年5月21日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
内閣官房長官 平野 博文 様
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 原口 一博 様
内閣府特命担当大臣(障害者施策) 福島 瑞穂 様
日本障害フォーラム(JDF) 代表 小川 榮一
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意
を表します。
障がい者制度改革推進本部に置かれた障がい者制度改革推進会議(以下、「推
進会議」)においては、各種法制度に関する議論が活発に進められ、当事者参加
の下に新たな政策策定がなされるものと、多くの障害者ならびに関係者が、強い
関心をもってその推移を見守っているところです。
さて、昨年11月に設置された「地域主権戦略会議」においては、地域主権の確
立に向けた法案提出を含むさまざまな工程が進められているとお聞きしています。
私どもは、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」と
いう方向性に異議を唱えるものではありません。しかしながら、公開されている
工程等からは、地域における障害者関連施策の義務規定や当事者参加等の規定ま
でもが、一律に自治体の裁量に委ねられることになるよう見受けられます。現時
点では、このことにより障害者施策の地域間格差がさらに増大し、これまでの障
害者運動により実現してきたさまざまな成果が大きく後退してしまうのではとの
危惧を抱かざるを得ません。
また、現在推進会議で議論している制度改革も、この地域主権改革の動向によ
り大きく影響を受けるのではないかとの懸念も生じています。これまでの推進会
議でも、度々、「障害者の地域生活や人権はどう担保されるのか」「障害者制度
改革の中で示す方向との整合性はどうなるのか」との指摘がされてきました。
つきましては、地域主権改革と障害者施策に関して、次のことを要望いたしま
す。
記
1.「地域主権改革」の主管官庁及び関係省庁からの意見聴取の実施をお願いし
たい。
現在議論が行われている「地域主権改革」は、障害者の社会生活・日常生活さ
まざまな分野に直結する問題となる。政府内でどのような議論が行われているの
か、主管官庁、関係省庁から、現時点での議論の内容や今後の見通し等について、
意見を聞かせていただく機会を設けていただきたい。
2.障害者施策に関わることについて、国会の場で、当事者・関係者が意見を十
分に述べる機会を設けていただきたい。
当事者抜きに政策を決めてはならないと考える。「私たち抜きに私たちのこと
を決めないで」という言葉が、障害者権利条約の交渉過程において、世界中の障
害者に言われてきた。また、障害当事者等が過半数を占める障害者制度推進会議
の設置もなされてきた。こうした動きをふまえて、当事者が意見を述べるための
機会を設けていただきたい。特に国権の最高機関たる国会での障害当事者の参考
人質疑の実施を強く求める。
3.「障がい者制度改革推進会議」との連携をお願いしたい。
新政権における公約の一つとして設置された「障がい者制度改革推進本部」は
障害者施策全般に亘っての施策決定の権限を持った機関と理解される。このこと
を法定する「障害者制度改革推進法案(仮称)」の早期制定が焦眉の課題である
が、同本部の下に置かれた「障がい者制度改革推進会議」において、6月頃を目
途に「中間まとめ」を行うとしていることから、「地域主権改革」によってその
議論の枠組みを制約することのないようにすることを強く求める。
4.「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」につい
て、内容をさらに精査し、障害者の人権・尊厳を確保するものとしていただきた
い。
障害者自立支援法の改正において、人権に直結する運営基準は「従うべき基準」、
その他の運営基準は「参酌基準」となっている。「参酌基準」の中には「居室定
員4人以下」など、明らかに人権に直結する項目も含まれており、劣悪処遇への
後退が懸念される。人権尊重の観点から、これを担保する仕組みが必要である。
障害者施設における人員配置、居室面積、居室定員などについて実態把握のため
の調査が必要であり、実施を求める。
5.今後の義務づけ・枠づけの見直しについて、慎重な検討をお願いしたい。
「計画等の策定及び手続き」について、「廃止又は条例委任」の考え方が示さ
れているが、ここでも、計画の策定状況、内容、策定への当事者参画、進捗状況、
財源確保などを検証する必要があり、安易な廃止又は条例委任がされてはならな
いと考える。
「障害者基本法」 都道府県・市町村障害者計画の策定
「障害者自立支援法」 市町村障害福祉計画の策定
「障害者雇用促進法」 公務部門における障害者の採用に関する計画の作成
「バリアフリー新法」 移動等円滑化基本構想の内容、高齢者・障害者等、そ
の他利害関係者の意見反映
6.ひも付き補助金の一括交付金化について、慎重な検討をお願いしたい。
「ひも付き補助金」とは何かを明らかにする必要がある。補助金の使途、金額
の多寡、市民生活とのかかわりなど、精査する必要がある。一括交付金化によっ
て、障害者施策の財源がこれ以上縮減されてはならない。むしろ、施設、病院か
らの地域移行を進めるために、全国的な基盤整備こそが求められている。また、
障害者制度改革の立場から、地域生活中心のサービス・財政構造への転換を、国
は率先して進めていかなければならない。生活者の目線に立った議論をお願いし
たい。
「中央集権」対「地域主権」といった議論の進め方には違和感を覚える。「コ
ンクリートから人へ」、「生活が第一」という政権理念に基づいて、人を、生活
を見つめながら、あるべき「地方自治」についてともに議論していきたいとの思
いを付言しておきたい。
以上
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
内閣官房長官 平野 博文 様
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 原口 一博 様
内閣府特命担当大臣(障害者施策) 福島 瑞穂 様
日本障害フォーラム(JDF) 代表 小川 榮一
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意
を表します。
障がい者制度改革推進本部に置かれた障がい者制度改革推進会議(以下、「推
進会議」)においては、各種法制度に関する議論が活発に進められ、当事者参加
の下に新たな政策策定がなされるものと、多くの障害者ならびに関係者が、強い
関心をもってその推移を見守っているところです。
さて、昨年11月に設置された「地域主権戦略会議」においては、地域主権の確
立に向けた法案提出を含むさまざまな工程が進められているとお聞きしています。
私どもは、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」と
いう方向性に異議を唱えるものではありません。しかしながら、公開されている
工程等からは、地域における障害者関連施策の義務規定や当事者参加等の規定ま
でもが、一律に自治体の裁量に委ねられることになるよう見受けられます。現時
点では、このことにより障害者施策の地域間格差がさらに増大し、これまでの障
害者運動により実現してきたさまざまな成果が大きく後退してしまうのではとの
危惧を抱かざるを得ません。
また、現在推進会議で議論している制度改革も、この地域主権改革の動向によ
り大きく影響を受けるのではないかとの懸念も生じています。これまでの推進会
議でも、度々、「障害者の地域生活や人権はどう担保されるのか」「障害者制度
改革の中で示す方向との整合性はどうなるのか」との指摘がされてきました。
つきましては、地域主権改革と障害者施策に関して、次のことを要望いたしま
す。
記
1.「地域主権改革」の主管官庁及び関係省庁からの意見聴取の実施をお願いし
たい。
現在議論が行われている「地域主権改革」は、障害者の社会生活・日常生活さ
まざまな分野に直結する問題となる。政府内でどのような議論が行われているの
か、主管官庁、関係省庁から、現時点での議論の内容や今後の見通し等について、
意見を聞かせていただく機会を設けていただきたい。
2.障害者施策に関わることについて、国会の場で、当事者・関係者が意見を十
分に述べる機会を設けていただきたい。
当事者抜きに政策を決めてはならないと考える。「私たち抜きに私たちのこと
を決めないで」という言葉が、障害者権利条約の交渉過程において、世界中の障
害者に言われてきた。また、障害当事者等が過半数を占める障害者制度推進会議
の設置もなされてきた。こうした動きをふまえて、当事者が意見を述べるための
機会を設けていただきたい。特に国権の最高機関たる国会での障害当事者の参考
人質疑の実施を強く求める。
3.「障がい者制度改革推進会議」との連携をお願いしたい。
新政権における公約の一つとして設置された「障がい者制度改革推進本部」は
障害者施策全般に亘っての施策決定の権限を持った機関と理解される。このこと
を法定する「障害者制度改革推進法案(仮称)」の早期制定が焦眉の課題である
が、同本部の下に置かれた「障がい者制度改革推進会議」において、6月頃を目
途に「中間まとめ」を行うとしていることから、「地域主権改革」によってその
議論の枠組みを制約することのないようにすることを強く求める。
4.「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」につい
て、内容をさらに精査し、障害者の人権・尊厳を確保するものとしていただきた
い。
障害者自立支援法の改正において、人権に直結する運営基準は「従うべき基準」、
その他の運営基準は「参酌基準」となっている。「参酌基準」の中には「居室定
員4人以下」など、明らかに人権に直結する項目も含まれており、劣悪処遇への
後退が懸念される。人権尊重の観点から、これを担保する仕組みが必要である。
障害者施設における人員配置、居室面積、居室定員などについて実態把握のため
の調査が必要であり、実施を求める。
5.今後の義務づけ・枠づけの見直しについて、慎重な検討をお願いしたい。
「計画等の策定及び手続き」について、「廃止又は条例委任」の考え方が示さ
れているが、ここでも、計画の策定状況、内容、策定への当事者参画、進捗状況、
財源確保などを検証する必要があり、安易な廃止又は条例委任がされてはならな
いと考える。
「障害者基本法」 都道府県・市町村障害者計画の策定
「障害者自立支援法」 市町村障害福祉計画の策定
「障害者雇用促進法」 公務部門における障害者の採用に関する計画の作成
「バリアフリー新法」 移動等円滑化基本構想の内容、高齢者・障害者等、そ
の他利害関係者の意見反映
6.ひも付き補助金の一括交付金化について、慎重な検討をお願いしたい。
「ひも付き補助金」とは何かを明らかにする必要がある。補助金の使途、金額
の多寡、市民生活とのかかわりなど、精査する必要がある。一括交付金化によっ
て、障害者施策の財源がこれ以上縮減されてはならない。むしろ、施設、病院か
らの地域移行を進めるために、全国的な基盤整備こそが求められている。また、
障害者制度改革の立場から、地域生活中心のサービス・財政構造への転換を、国
は率先して進めていかなければならない。生活者の目線に立った議論をお願いし
たい。
「中央集権」対「地域主権」といった議論の進め方には違和感を覚える。「コ
ンクリートから人へ」、「生活が第一」という政権理念に基づいて、人を、生活
を見つめながら、あるべき「地方自治」についてともに議論していきたいとの思
いを付言しておきたい。
以上
日本障害フォーラム(JDF) 地域主権改革と障害者施策に関する要望書 ― 2010-05-21
2010年5月21日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
内閣官房長官 平野 博文 様
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 原口 一博 様
内閣府特命担当大臣(障害者施策) 福島 瑞穂 様
日本障害フォーラム(JDF) 代表 小川 榮一
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意
を表します。
障がい者制度改革推進本部に置かれた障がい者制度改革推進会議(以下、「推
進会議」)においては、各種法制度に関する議論が活発に進められ、当事者参加
の下に新たな政策策定がなされるものと、多くの障害者ならびに関係者が、強い
関心をもってその推移を見守っているところです。
さて、昨年11月に設置された「地域主権戦略会議」においては、地域主権の確
立に向けた法案提出を含むさまざまな工程が進められているとお聞きしています。
私どもは、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」と
いう方向性に異議を唱えるものではありません。しかしながら、公開されている
工程等からは、地域における障害者関連施策の義務規定や当事者参加等の規定ま
でもが、一律に自治体の裁量に委ねられることになるよう見受けられます。現時
点では、このことにより障害者施策の地域間格差がさらに増大し、これまでの障
害者運動により実現してきたさまざまな成果が大きく後退してしまうのではとの
危惧を抱かざるを得ません。
また、現在推進会議で議論している制度改革も、この地域主権改革の動向によ
り大きく影響を受けるのではないかとの懸念も生じています。これまでの推進会
議でも、度々、「障害者の地域生活や人権はどう担保されるのか」「障害者制度
改革の中で示す方向との整合性はどうなるのか」との指摘がされてきました。
つきましては、地域主権改革と障害者施策に関して、次のことを要望いたしま
す。
記
1.「地域主権改革」の主管官庁及び関係省庁からの意見聴取の実施をお願いし
たい。
現在議論が行われている「地域主権改革」は、障害者の社会生活・日常生活さ
まざまな分野に直結する問題となる。政府内でどのような議論が行われているの
か、主管官庁、関係省庁から、現時点での議論の内容や今後の見通し等について、
意見を聞かせていただく機会を設けていただきたい。
2.障害者施策に関わることについて、国会の場で、当事者・関係者が意見を十
分に述べる機会を設けていただきたい。
当事者抜きに政策を決めてはならないと考える。「私たち抜きに私たちのこと
を決めないで」という言葉が、障害者権利条約の交渉過程において、世界中の障
害者に言われてきた。また、障害当事者等が過半数を占める障害者制度推進会議
の設置もなされてきた。こうした動きをふまえて、当事者が意見を述べるための
機会を設けていただきたい。特に国権の最高機関たる国会での障害当事者の参考
人質疑の実施を強く求める。
3.「障がい者制度改革推進会議」との連携をお願いしたい。
新政権における公約の一つとして設置された「障がい者制度改革推進本部」は
障害者施策全般に亘っての施策決定の権限を持った機関と理解される。このこと
を法定する「障害者制度改革推進法案(仮称)」の早期制定が焦眉の課題である
が、同本部の下に置かれた「障がい者制度改革推進会議」において、6月頃を目
途に「中間まとめ」を行うとしていることから、「地域主権改革」によってその
議論の枠組みを制約することのないようにすることを強く求める。
4.「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」につい
て、内容をさらに精査し、障害者の人権・尊厳を確保するものとしていただきた
い。
障害者自立支援法の改正において、人権に直結する運営基準は「従うべき基準」、
その他の運営基準は「参酌基準」となっている。「参酌基準」の中には「居室定
員4人以下」など、明らかに人権に直結する項目も含まれており、劣悪処遇への
後退が懸念される。人権尊重の観点から、これを担保する仕組みが必要である。
障害者施設における人員配置、居室面積、居室定員などについて実態把握のため
の調査が必要であり、実施を求める。
5.今後の義務づけ・枠づけの見直しについて、慎重な検討をお願いしたい。
「計画等の策定及び手続き」について、「廃止又は条例委任」の考え方が示さ
れているが、ここでも、計画の策定状況、内容、策定への当事者参画、進捗状況、
財源確保などを検証する必要があり、安易な廃止又は条例委任がされてはならな
いと考える。
「障害者基本法」 都道府県・市町村障害者計画の策定
「障害者自立支援法」 市町村障害福祉計画の策定
「障害者雇用促進法」 公務部門における障害者の採用に関する計画の作成
「バリアフリー新法」 移動等円滑化基本構想の内容、高齢者・障害者等、そ
の他利害関係者の意見反映
6.ひも付き補助金の一括交付金化について、慎重な検討をお願いしたい。
「ひも付き補助金」とは何かを明らかにする必要がある。補助金の使途、金額
の多寡、市民生活とのかかわりなど、精査する必要がある。一括交付金化によっ
て、障害者施策の財源がこれ以上縮減されてはならない。むしろ、施設、病院か
らの地域移行を進めるために、全国的な基盤整備こそが求められている。また、
障害者制度改革の立場から、地域生活中心のサービス・財政構造への転換を、国
は率先して進めていかなければならない。生活者の目線に立った議論をお願いし
たい。
「中央集権」対「地域主権」といった議論の進め方には違和感を覚える。「コ
ンクリートから人へ」、「生活が第一」という政権理念に基づいて、人を、生活
を見つめながら、あるべき「地方自治」についてともに議論していきたいとの思
いを付言しておきたい。
以上
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
内閣官房長官 平野 博文 様
内閣府特命担当大臣(地域主権推進) 原口 一博 様
内閣府特命担当大臣(障害者施策) 福島 瑞穂 様
日本障害フォーラム(JDF) 代表 小川 榮一
地域主権改革と障害者施策に関する要望書
平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意
を表します。
障がい者制度改革推進本部に置かれた障がい者制度改革推進会議(以下、「推
進会議」)においては、各種法制度に関する議論が活発に進められ、当事者参加
の下に新たな政策策定がなされるものと、多くの障害者ならびに関係者が、強い
関心をもってその推移を見守っているところです。
さて、昨年11月に設置された「地域主権戦略会議」においては、地域主権の確
立に向けた法案提出を含むさまざまな工程が進められているとお聞きしています。
私どもは、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」と
いう方向性に異議を唱えるものではありません。しかしながら、公開されている
工程等からは、地域における障害者関連施策の義務規定や当事者参加等の規定ま
でもが、一律に自治体の裁量に委ねられることになるよう見受けられます。現時
点では、このことにより障害者施策の地域間格差がさらに増大し、これまでの障
害者運動により実現してきたさまざまな成果が大きく後退してしまうのではとの
危惧を抱かざるを得ません。
また、現在推進会議で議論している制度改革も、この地域主権改革の動向によ
り大きく影響を受けるのではないかとの懸念も生じています。これまでの推進会
議でも、度々、「障害者の地域生活や人権はどう担保されるのか」「障害者制度
改革の中で示す方向との整合性はどうなるのか」との指摘がされてきました。
つきましては、地域主権改革と障害者施策に関して、次のことを要望いたしま
す。
記
1.「地域主権改革」の主管官庁及び関係省庁からの意見聴取の実施をお願いし
たい。
現在議論が行われている「地域主権改革」は、障害者の社会生活・日常生活さ
まざまな分野に直結する問題となる。政府内でどのような議論が行われているの
か、主管官庁、関係省庁から、現時点での議論の内容や今後の見通し等について、
意見を聞かせていただく機会を設けていただきたい。
2.障害者施策に関わることについて、国会の場で、当事者・関係者が意見を十
分に述べる機会を設けていただきたい。
当事者抜きに政策を決めてはならないと考える。「私たち抜きに私たちのこと
を決めないで」という言葉が、障害者権利条約の交渉過程において、世界中の障
害者に言われてきた。また、障害当事者等が過半数を占める障害者制度推進会議
の設置もなされてきた。こうした動きをふまえて、当事者が意見を述べるための
機会を設けていただきたい。特に国権の最高機関たる国会での障害当事者の参考
人質疑の実施を強く求める。
3.「障がい者制度改革推進会議」との連携をお願いしたい。
新政権における公約の一つとして設置された「障がい者制度改革推進本部」は
障害者施策全般に亘っての施策決定の権限を持った機関と理解される。このこと
を法定する「障害者制度改革推進法案(仮称)」の早期制定が焦眉の課題である
が、同本部の下に置かれた「障がい者制度改革推進会議」において、6月頃を目
途に「中間まとめ」を行うとしていることから、「地域主権改革」によってその
議論の枠組みを制約することのないようにすることを強く求める。
4.「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」につい
て、内容をさらに精査し、障害者の人権・尊厳を確保するものとしていただきた
い。
障害者自立支援法の改正において、人権に直結する運営基準は「従うべき基準」、
その他の運営基準は「参酌基準」となっている。「参酌基準」の中には「居室定
員4人以下」など、明らかに人権に直結する項目も含まれており、劣悪処遇への
後退が懸念される。人権尊重の観点から、これを担保する仕組みが必要である。
障害者施設における人員配置、居室面積、居室定員などについて実態把握のため
の調査が必要であり、実施を求める。
5.今後の義務づけ・枠づけの見直しについて、慎重な検討をお願いしたい。
「計画等の策定及び手続き」について、「廃止又は条例委任」の考え方が示さ
れているが、ここでも、計画の策定状況、内容、策定への当事者参画、進捗状況、
財源確保などを検証する必要があり、安易な廃止又は条例委任がされてはならな
いと考える。
「障害者基本法」 都道府県・市町村障害者計画の策定
「障害者自立支援法」 市町村障害福祉計画の策定
「障害者雇用促進法」 公務部門における障害者の採用に関する計画の作成
「バリアフリー新法」 移動等円滑化基本構想の内容、高齢者・障害者等、そ
の他利害関係者の意見反映
6.ひも付き補助金の一括交付金化について、慎重な検討をお願いしたい。
「ひも付き補助金」とは何かを明らかにする必要がある。補助金の使途、金額
の多寡、市民生活とのかかわりなど、精査する必要がある。一括交付金化によっ
て、障害者施策の財源がこれ以上縮減されてはならない。むしろ、施設、病院か
らの地域移行を進めるために、全国的な基盤整備こそが求められている。また、
障害者制度改革の立場から、地域生活中心のサービス・財政構造への転換を、国
は率先して進めていかなければならない。生活者の目線に立った議論をお願いし
たい。
「中央集権」対「地域主権」といった議論の進め方には違和感を覚える。「コ
ンクリートから人へ」、「生活が第一」という政権理念に基づいて、人を、生活
を見つめながら、あるべき「地方自治」についてともに議論していきたいとの思
いを付言しておきたい。
以上
NHK教育 NHK総合テレビの「きょうの健康」 2010/05/16-19,21 ― 2010-05-21
http://www.nhk.or.jp/kenko/2001/schedule/index.html
http://www.nhk.or.jp/kenko/2001/schedule/pdf/201005.pdf
NHK教育テレビの「きょうの健康」
NHK総合テレビの「先取り今日の健康」
2010年5月16日 午前5時15分~30分 NHK総合テレビ
「先取り今日の健康」
子どもの行動が気になるとき「場の雰囲気がつかめない」
5月17日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
場の雰囲気がつかめない お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月18日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
落ち着きがなく衝動的 お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月19日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
文字の読み書きが苦手 お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月21日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
Q&A子どもの行動が気になるとき お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
※ 再放送 翌週 午後0時30分~45分
http://www.nhk.or.jp/kenko/2001/schedule/pdf/201005.pdf
NHK教育テレビの「きょうの健康」
NHK総合テレビの「先取り今日の健康」
2010年5月16日 午前5時15分~30分 NHK総合テレビ
「先取り今日の健康」
子どもの行動が気になるとき「場の雰囲気がつかめない」
5月17日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
場の雰囲気がつかめない お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月18日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
落ち着きがなく衝動的 お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月19日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
文字の読み書きが苦手 お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
5月21日 午後8時30分~45分 NHK教育テレビ
Q&A子どもの行動が気になるとき お茶の水女子大学大学院教授 榊原 洋一
※ 再放送 翌週 午後0時30分~45分
「学校教育の情報化に関する懇談会」第3回 第2回 非公開 配布資料 ― 2010-05-21
http://jukugi.mext.go.jp/library_view?library_id=129
「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催について
文部科学省では、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的
な推進方策について有識者等との意見交換を行うため、文部科学副大臣主催の下、
「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
○「学校教育の情報化に関する懇談会」(第3回)
日時 平成22年5月21日(金)10:00~12:00
場所 文部科学省東館3F講堂
議事 (1)ヒアリング
社団法人教科書協会
株式会社ベネッセコーポレーション
インテル株式会社
神奈川県立瀬谷養護学校
学校法人千歳科学技術大学
(2)自由討議
<配布資料>
今後のスケジュールについて(予定)
http://jukugi.mext.go.jp/archive/151.pdf
-----------------------
「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催について
文部科学省では、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的
な推進方策について有識者等との意見交換を行うため、文部科学副大臣主催の下、
「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
○「学校教育の情報化に関する懇談会」(第2回)
日時 平成22年5月18日(火)13:00~15:00
場所 文部科学省旧館6F講堂
議事 (1)ヒアリング
富士通株式会社
日本アイ・ビー・エム株式会社
シャープシステムプロダクト株式会社
ソニー株式会社
アップルジャパン株式会社
ソフトバンク株式会社
(2)自由討議
<配布資料>
資料1 新たな情報通信技術戦略(抜粋)(平成22年5月11日IT戦略本部決定)
http://jukugi.mext.go.jp/archive/147.pdf
資料2 今後のスケジュールについて
http://jukugi.mext.go.jp/archive/148.pdf
資料3 学校教育の情報化に関する懇談会(第1回)議事要旨
http://jukugi.mext.go.jp/archive/149.pdf
<参考資料>
「熟議カケアイ」について
http://jukugi.mext.go.jp/archive/150.pdf
「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催について
文部科学省では、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的
な推進方策について有識者等との意見交換を行うため、文部科学副大臣主催の下、
「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
○「学校教育の情報化に関する懇談会」(第3回)
日時 平成22年5月21日(金)10:00~12:00
場所 文部科学省東館3F講堂
議事 (1)ヒアリング
社団法人教科書協会
株式会社ベネッセコーポレーション
インテル株式会社
神奈川県立瀬谷養護学校
学校法人千歳科学技術大学
(2)自由討議
<配布資料>
今後のスケジュールについて(予定)
http://jukugi.mext.go.jp/archive/151.pdf
-----------------------
「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催について
文部科学省では、今後の学校教育(初等中等教育段階)の情報化に関する総合的
な推進方策について有識者等との意見交換を行うため、文部科学副大臣主催の下、
「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
○「学校教育の情報化に関する懇談会」(第2回)
日時 平成22年5月18日(火)13:00~15:00
場所 文部科学省旧館6F講堂
議事 (1)ヒアリング
富士通株式会社
日本アイ・ビー・エム株式会社
シャープシステムプロダクト株式会社
ソニー株式会社
アップルジャパン株式会社
ソフトバンク株式会社
(2)自由討議
<配布資料>
資料1 新たな情報通信技術戦略(抜粋)(平成22年5月11日IT戦略本部決定)
http://jukugi.mext.go.jp/archive/147.pdf
資料2 今後のスケジュールについて
http://jukugi.mext.go.jp/archive/148.pdf
資料3 学校教育の情報化に関する懇談会(第1回)議事要旨
http://jukugi.mext.go.jp/archive/149.pdf
<参考資料>
「熟議カケアイ」について
http://jukugi.mext.go.jp/archive/150.pdf
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