第3回 拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム/慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎1階シンポジウムスペース 2011/07/022011-07-02

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第3回 拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム
弱視教育における拡大教科書の役割と課題を考える
中野 泰志(慶應義塾大学経済学部、自然科学研究教育センター)

開催趣旨 2008年6月10日「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等
     の普及の促進等に関する法律」(教科書バリアフリー法)が国会にお
いて成立し、同年9月17日に施行されました。この法律の目的は、拡大教科書等
の障害のある児童生徒が検定教科書に代えて使用する「教科用特定図書等」の普
及促進を図り、児童生徒が障害その他の特性の有無にかかわらず十分な教育が受
けられる学校教育の推進に資することです。拡大教科書の普及促進に関しては、
文部科学大臣がその標準的な規格(標準規格)を策定・公表することとし、各教
科書発行者は、それに適合する標準的な拡大教科書を発行する努力義務を負うこ
ととなりました。また、教科書デジタルデータの提供については、教科書発行者
に文部科学大臣等へのデータ提供義務が課され、当該提供されたデータをボラン
ティア団体等へ円滑に提供する仕組みを構築することとなりました。そして、教
科書発行者やボランティア等のご尽力により、義務教育段階ではほとんどの教科
書に対応する拡大教科書に作成され、小・中学校に通う視覚に障害のある児童生
徒への拡大教科書等の給与実績は、飛躍的に増えてきています。

 上述のように、現在、弱視教育において拡大教科書は注目されていますが、ど
のような拡大教科書を作成すればよいかに関しては、児童・生徒の視機能、発達
段階、将来の進路等に応じたきめ細かな議論が必要です。また、児童生徒が十分
な教育を受けることができるかどうかは、児童生徒の障害特性や発達段階等の個
人特性と教材等の種類、教材等の活用方法、指導方法、環境整備等の環境特性と
の交互作用で決まると考えられます。そのため、様々な観点から総合的にこの問
題を考えていく必要があります。私達の研究室では、一昨年度から、これらの問
題を考えるために、文部科学省及び関係機関の協力により、基礎データを収集し
てきました。例えば、昨年度は、盲学校教員1,848人、弱視児童生徒1,209人(盲
学校338人、通常学級636人、弱視特別支援学級138人、弱視通級指導教室97人)、
教科書発行者25社(小中学校15社、高等学校10社)、ボランティア72団体、発達
障害者8人の調査を実施しました。本シンポジウムでは、これらのデータの紹介
した上で、今後の弱視教育と拡大教科書の在り方について意見交換を行いたいと
思います。ぜひ、多くの関係者にご参集いただきたいと思います。なお、本シン
ポジウムは、文部科学省科学研究費「拡大教科書選定のための評価システムの開
発」(課題番号:22330261)の研究の一貫として実施いたします。

内 容
日 時:2011年7月2日(土)、10時45分から14時35分
場 所:慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎1階シンポジウムスペース
 プログラム
 10時15分:開場
 10時30分:受付開始
 10時45分~10時50分:開会挨拶&趣旨説明
 10時50分~11時20分:報告1「高等学校段階における
           弱視生徒用拡大教科書の在り方に関する調査研究」
報告概要:平成22年度文部科学省特別支援教育課「民間組織・支援技術を活用
     した特別支援教育研究事業」(発達障害等の障害特性に応じた教材・
     支援技術等の研究支援)で実施した「高等学校段階における弱視生徒
     用拡大教科書の在り方に関する調査研究」の概要を紹介します。本報
     告では、主として、以下の3つの調査の結果を報告します。
     全国の盲学校高等部57校に在籍している弱視生徒338名を対象にした
     アンケート調査
     全国の盲学校68校の教員1,848人を対象にしたアンケート調査
     全国の盲学校から地域別にサンプリングした17校に在籍する62名の弱
     視生徒に対して実施した試作版拡大教科書を使ったフィールド実験
 11時20分~12時
 :報告2「標準規格の拡大教科書等の作成支援のための調査研究」
報告概要:平成22年度文部科学省教科書課からの委託で実施した「標準規格の拡
     大教科書等の作成支援のための調査研究」の概要を紹介します。本報
     告では、主に、以下の3点について報告します。
     小中学校に在籍している弱視児童生徒(通常学級636人、弱視特別支
     援学級138人、弱視通級指導教室97人)を対象にしたアンケート調査
     教科書発行者25社(小中学校15社、高等学校10社)、ボランティア72
     団体を対象に実施したアンケート・ヒアリング調査
     試作した拡大教科書選定支援キット(サンプル版拡大教科書を含む)
12時~13時
 :休憩(昼食:キャンパス内には学食もありますし、駅周辺には飲食店が多数
     あります)
13時~14時30分:パネルディスカッション
     「弱視教育における拡大教科書の役割と課題」
 話題提供:露崎 謙治(横浜市立盲特別支援学校)
 話題提供:渡辺 能理夫(東京書籍)
 話題提供:土屋 宏(全国拡大教材製作協議会)
 話題提供:氏間 和仁(広島大学)
 コメンテーター:香川 邦生(元健康福祉大学)
 司  会:中野 泰志(慶應義塾大学)
14時30分~14時35分:閉会挨拶
 その他
参加費:無料(事前登録は必要ありませんが、誘導等が必要な場合には後述の問
    い合わせ先に申し込みください)

問い合わせ先
〒223-8521 神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1
      慶應義塾大学・第8校舎・4階・心理学教室
      電話:045-566-1221 ファックス:045-566-1374
      メール:info@nakanoy.econ.keio.ac.jp

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