権利制限の一般規定に関する中間まとめ/著作権分科会法制問題小委員会 ― 2010-06-04
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h22_shiho_05/pdf/sanko.pdf
文化審議会著作権分科会法制問題小委員会
権利制限の一般規定に関する中間まとめ
平成22年4月 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会
特定の利用目的を持つ利用への対応
○1公益目的にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用について
一般規定による権利制限が求められている著作物の利用行為には、「障害者福
祉」や「教育」、「研究」、「資料保存」といった、目的の公益性に着目した著
作物の利用類型が一定程度存在するものと考えられる。こうした著作物の利用行
為については、権利制限の必要性のみならず、公益目的にかんがみ既に整備され
ている他の個別権利制限規定との関係も含め、利用の目的、利用行為の主体、対
象著作物、制限の程度、利用の態様等の要件につき慎重に考慮する必要がある。
したがって、これを一般規定による権利制限の対象と位置付けるべきではなく、
権利制限の必要性について関係者間の合意が得られ次第、個別権利制限規定の改
正又は創設により対応することが適当であると考えられる。なお、こうした利用
行為についても、個々の事案において、上記AからCの類型に該当すると評価さ
れるのであれば、その結果として権利制限の対象となりうるものもあると考えら
れ、特に研究目的の著作物の利用に関しては、Cの類型に該当すると解されるも
のも相当程度存在する可能性がある。関連して、個別権利制限規定の改正又は創
設をするに当たっては、既存の規定よりも構成要件を緩和(抽象化)する方向で、
特定の目的に限定した広範な権利制限を定める英国等のフェアディーリング型等
の導入も視野に入れながら見直しをすべきだとの意見があった。--略
文化審議会著作権分科会法制問題小委員会
権利制限の一般規定に関する中間まとめ
平成22年4月 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会
特定の利用目的を持つ利用への対応
○1公益目的にかんがみ権利制限が求められていると考えられる利用について
一般規定による権利制限が求められている著作物の利用行為には、「障害者福
祉」や「教育」、「研究」、「資料保存」といった、目的の公益性に着目した著
作物の利用類型が一定程度存在するものと考えられる。こうした著作物の利用行
為については、権利制限の必要性のみならず、公益目的にかんがみ既に整備され
ている他の個別権利制限規定との関係も含め、利用の目的、利用行為の主体、対
象著作物、制限の程度、利用の態様等の要件につき慎重に考慮する必要がある。
したがって、これを一般規定による権利制限の対象と位置付けるべきではなく、
権利制限の必要性について関係者間の合意が得られ次第、個別権利制限規定の改
正又は創設により対応することが適当であると考えられる。なお、こうした利用
行為についても、個々の事案において、上記AからCの類型に該当すると評価さ
れるのであれば、その結果として権利制限の対象となりうるものもあると考えら
れ、特に研究目的の著作物の利用に関しては、Cの類型に該当すると解されるも
のも相当程度存在する可能性がある。関連して、個別権利制限規定の改正又は創
設をするに当たっては、既存の規定よりも構成要件を緩和(抽象化)する方向で、
特定の目的に限定した広範な権利制限を定める英国等のフェアディーリング型等
の導入も視野に入れながら見直しをすべきだとの意見があった。--略
第4回バリアフリーシンポジウム/東京大学先端科学技術研究センター3号館中2階セミナー室 2010/06/04 ― 2010-06-04
第4回バリアフリーシンポジウム:
「当事者学」の誘惑「学」と「当事者」との関係を再考する
シンポジスト:
市野川容孝(東京大学総合文化研究科教授)
菊地 夏野(名古屋市立大学人文社会学部准教授)
倉本 智明(東京大学大学院経済学研究科特任講師)
コメンテイター:
福島 智(東京大学先端科学技術研究センター教授)
星加 良司(東京大学教育学研究科講師)
司 会:
飯野由里子(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
概 要
近年「当事者学」が注目されています。一般に「当事者学」とは、それまで研
究の対象として記述・分析されてきたさまざまな「弱者」の経験/問題を、当の
「弱者」自身の視点から主体的に再定義する学術分野を指します。女性学・障害
学・患者学といった「当事者学」が、他者によって奪われてきた力を「弱者」が
取り戻していく、あるいは手に入れていく上で果たした歴史的な役割については、
一定の評価がなされているといえるでしょう。
しかし、なぜ「当事者学」でなければならなかったのか? と問いなおしてみ
ることによって、浮かび上がってくる問題もあります。第一の問題は、当事者に
とっての「学」の意味に関わっています。社会的周縁に置かれてきた「当事者」
たちの経験や問題を、あえて「学」的な知識体系を用いて語りなおすことにはど
のような意味があるのでしょうか? また、それはなぜ必要とされたのでしょう
か? もちろん、「学」という名付けを獲得すること自体にメリットを見いだし
ている人もいるでしょう。しかし、「学」的な知識体系を利用することによって、
逆に見落とされてしまったり覆い隠されてしまったりするものもあるのではない
のでしょうか? 第二の問題は、「学」にとっての「当事者(性)」の意味に関
わっています。社会的周縁に置かれている「当事者」たちの語りや声は、「学」
的営みの中にどのようなものとして位置づけられるべきなのでしょうか?
また、「当事者」の語りや声は、既存の「学」的営みにどのようなインパクト
を与えうるものなのでしょうか? さらに、そもそもそこで「当事者」として想
定されているのはどのような存在のことなのでしょうか?
本シンポジウムでは、こうした疑問を出発点にして、社会学、障害学、フェミ
ニズムの専門家をシンポジストとしてお招きし、「学」と「当事者」との関係に
ついて議論を交わしたいと思います。はたして「当事者学」には依然として役割
はあるのか? あるとすればそれはどのようなものか?
そんな課題について論点を整理し共に考えていく場になればと思っています。
記
日 時:2010年6月4日(金)13:30~17:30
場 所:東京大学先端科学技術研究センター3号館中2階セミナー室
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html
主催:東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野
/メリトクラシー研究会
参加費等:無料
情報保障:手話通訳・パソコン要約筆記
<お問い合わせ先>
バリアフリー分野 飯野 由里子
電子メール:iino@bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp
電話:03-5452-5491
ファクス:03-5452-5062
☆その他何か個別にご要望等がありましたらご相談下さい。ただし、こちらでは
対応できないこともございますので、その点は予めご了承下さい。
「当事者学」の誘惑「学」と「当事者」との関係を再考する
シンポジスト:
市野川容孝(東京大学総合文化研究科教授)
菊地 夏野(名古屋市立大学人文社会学部准教授)
倉本 智明(東京大学大学院経済学研究科特任講師)
コメンテイター:
福島 智(東京大学先端科学技術研究センター教授)
星加 良司(東京大学教育学研究科講師)
司 会:
飯野由里子(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
概 要
近年「当事者学」が注目されています。一般に「当事者学」とは、それまで研
究の対象として記述・分析されてきたさまざまな「弱者」の経験/問題を、当の
「弱者」自身の視点から主体的に再定義する学術分野を指します。女性学・障害
学・患者学といった「当事者学」が、他者によって奪われてきた力を「弱者」が
取り戻していく、あるいは手に入れていく上で果たした歴史的な役割については、
一定の評価がなされているといえるでしょう。
しかし、なぜ「当事者学」でなければならなかったのか? と問いなおしてみ
ることによって、浮かび上がってくる問題もあります。第一の問題は、当事者に
とっての「学」の意味に関わっています。社会的周縁に置かれてきた「当事者」
たちの経験や問題を、あえて「学」的な知識体系を用いて語りなおすことにはど
のような意味があるのでしょうか? また、それはなぜ必要とされたのでしょう
か? もちろん、「学」という名付けを獲得すること自体にメリットを見いだし
ている人もいるでしょう。しかし、「学」的な知識体系を利用することによって、
逆に見落とされてしまったり覆い隠されてしまったりするものもあるのではない
のでしょうか? 第二の問題は、「学」にとっての「当事者(性)」の意味に関
わっています。社会的周縁に置かれている「当事者」たちの語りや声は、「学」
的営みの中にどのようなものとして位置づけられるべきなのでしょうか?
また、「当事者」の語りや声は、既存の「学」的営みにどのようなインパクト
を与えうるものなのでしょうか? さらに、そもそもそこで「当事者」として想
定されているのはどのような存在のことなのでしょうか?
本シンポジウムでは、こうした疑問を出発点にして、社会学、障害学、フェミ
ニズムの専門家をシンポジストとしてお招きし、「学」と「当事者」との関係に
ついて議論を交わしたいと思います。はたして「当事者学」には依然として役割
はあるのか? あるとすればそれはどのようなものか?
そんな課題について論点を整理し共に考えていく場になればと思っています。
記
日 時:2010年6月4日(金)13:30~17:30
場 所:東京大学先端科学技術研究センター3号館中2階セミナー室
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html
主催:東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野
/メリトクラシー研究会
参加費等:無料
情報保障:手話通訳・パソコン要約筆記
<お問い合わせ先>
バリアフリー分野 飯野 由里子
電子メール:iino@bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp
電話:03-5452-5491
ファクス:03-5452-5062
☆その他何か個別にご要望等がありましたらご相談下さい。ただし、こちらでは
対応できないこともございますので、その点は予めご了承下さい。
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