第4回バリアフリーシンポジウム/東京大学先端科学技術研究センター3号館中2階セミナー室 2010/06/042010-06-04

第4回バリアフリーシンポジウム:
「当事者学」の誘惑「学」と「当事者」との関係を再考する

シンポジスト:
 市野川容孝(東京大学総合文化研究科教授)
 菊地 夏野(名古屋市立大学人文社会学部准教授)
 倉本 智明(東京大学大学院経済学研究科特任講師)
コメンテイター:
 福島  智(東京大学先端科学技術研究センター教授)
 星加 良司(東京大学教育学研究科講師)
司 会:
 飯野由里子(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)

概 要
 近年「当事者学」が注目されています。一般に「当事者学」とは、それまで研
究の対象として記述・分析されてきたさまざまな「弱者」の経験/問題を、当の
「弱者」自身の視点から主体的に再定義する学術分野を指します。女性学・障害
学・患者学といった「当事者学」が、他者によって奪われてきた力を「弱者」が
取り戻していく、あるいは手に入れていく上で果たした歴史的な役割については、
一定の評価がなされているといえるでしょう。
 しかし、なぜ「当事者学」でなければならなかったのか? と問いなおしてみ
ることによって、浮かび上がってくる問題もあります。第一の問題は、当事者に
とっての「学」の意味に関わっています。社会的周縁に置かれてきた「当事者」
たちの経験や問題を、あえて「学」的な知識体系を用いて語りなおすことにはど
のような意味があるのでしょうか? また、それはなぜ必要とされたのでしょう
か? もちろん、「学」という名付けを獲得すること自体にメリットを見いだし
ている人もいるでしょう。しかし、「学」的な知識体系を利用することによって、
逆に見落とされてしまったり覆い隠されてしまったりするものもあるのではない
のでしょうか? 第二の問題は、「学」にとっての「当事者(性)」の意味に関
わっています。社会的周縁に置かれている「当事者」たちの語りや声は、「学」
的営みの中にどのようなものとして位置づけられるべきなのでしょうか?
 また、「当事者」の語りや声は、既存の「学」的営みにどのようなインパクト
を与えうるものなのでしょうか? さらに、そもそもそこで「当事者」として想
定されているのはどのような存在のことなのでしょうか?
 本シンポジウムでは、こうした疑問を出発点にして、社会学、障害学、フェミ
ニズムの専門家をシンポジストとしてお招きし、「学」と「当事者」との関係に
ついて議論を交わしたいと思います。はたして「当事者学」には依然として役割
はあるのか? あるとすればそれはどのようなものか?
 そんな課題について論点を整理し共に考えていく場になればと思っています。

   記

日 時:2010年6月4日(金)13:30~17:30

場 所:東京大学先端科学技術研究センター3号館中2階セミナー室
    http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html

主催:東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野
   /メリトクラシー研究会

参加費等:無料

情報保障:手話通訳・パソコン要約筆記

<お問い合わせ先>
バリアフリー分野  飯野 由里子
電子メール:iino@bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp
電話:03-5452-5491
ファクス:03-5452-5062
☆その他何か個別にご要望等がありましたらご相談下さい。ただし、こちらでは
 対応できないこともございますので、その点は予めご了承下さい。

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